第1話 予感はふいに背後から
作者からひと言いっていいですか? ……ああ、いい。「だめや」言うてもいいますやろ? ご明察、
さて、突然ですが、丸ノ内線って「この先揺れますのでご注意ください!」って多いじゃないですか。
この物語もあれのように、がくんと突然揺れますのでご注意ください!
なお、実在するテレビ局や番組・企画とこの話は関係ない……はず。
お話を始める前に、簡単に説明をしておこう。
高寺吉鷹の兄である高寺敬は千九百七十七年に沼津市で生まれ、千九百九十八年に開業して、沼津市でスーパーをやっていたのだが、「町の魅力を再発見! 外国人インタビュー」なる、今だったらゴールデンタイムにテレ東か赤坂のテレビ局のゴールデン直前のニュースなどでやりそうな企画で紹介され、大ブレイクした。
また千九百八十二年に生まれた弟をかわいがることにも情熱を注いだ。
ちなみに取り上げられたのは筋肉番付のなんかのご褒美だった。
高寺敬の店「アジのから揚げ専門店」はこうして、千九百九十九年に東京進出を果たした。
しかし高寺氏はノストラダムスの大予言を信じる人で、千九百九十九年十一月二十五日、放心しているところ、倒れて、歩道から車道へ出てしまい、車にひかれ重傷を負った。
寝たきりになった兄の仇を取ろうと、いさんで高寺吉鷹は、二十七歳にして、電車に揺られていた。
十時三分に荻窪を出発した丸ノ内線は、十時二十六分に中野坂上に到着し、ここで、乗り換えをし方南町に着くと近くの大学に入って、「応募した高寺です!」と声をはりあげた。高寺は大学教授の応募をしたのだ。
――しかし結果は、だめだった。
しかし高寺はあきらめなかった。