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プロローグ

この作品はフィクションですが、登場する地名には関係がある場合もございます。またアリーテ新聞は実在しません。なお、登場する大学の名前は実在する大学とはおそらく関係がございません。書いているうちに作者もこういう形式的なことを書く気力がなくなり、

「オレ今何やってんだ……」

という気分になってきたのでこれで終わります。

 新宿の夜は、明るい。

 昼間の健康的な日光ではなく、夜は風俗店の看板のブルーライトとか、信号にいちいち捕まるタクシーのブレーキライトの赤い色があたりに散らばってそれは透明と真っ赤とエッチな水色のグラデーションだった。

 つまり、新宿の夜の明るさは、渋谷と同じく、また違った意味での明るさということだ。

 そして、その一帯を歩く人は、小学生の言う遊びとはまた違った「遊び」を求めてあたりをぶらついている。

 あるいは、警察に指導される寸前の若者がはびこって、まるでもぐらたたきのようになっている。

 そうでもないとしたら、エリートサラリーマンが外回りを終えて直帰している。多分新宿線か中央線。

 とりあえず、考えられる可能性はこのどれかで、もう夜の新宿や夜の渋谷や夜の原宿や吉祥寺――例を挙げればきりがないが――の全体の九割を超えてどれかだ。

 

 思えば東京に新が付く地名のどれほど多いことか。

 なぜこんなことが永遠の破滅などという物々しいお話に書いてあるか。

 それは今回の舞台について、話し出すタイミングについてだった。

 アリーテ新聞というあまり有名ではない新聞があって、それは東京の夜の、物々しい出来事を深夜トーンで語る新聞だった。もちろん大企業の新聞に出るほどのビッグニュースではなく、それこそ先ほども書いたエリートサラリーマンが酔っ払いと肩がぶつかった程度だった。

 それでも夜にはありふれた出来事だったが、問題はこのアリーテ新聞で、およそ2か月にわたって小説の連載のように続いた、アリーテにしては珍しいビッグニュースが、こないだあったのだ。

 そしてこの小説は、それについてまとめたものである。

 今回の舞台は渋谷でもなく、池袋でもなく、原宿でもなく、新橋でもない。

 今回の舞台は新宿、そして吉祥寺だった。

 時々荻窪などの地名も登場するが、新宿にこの話の主人公になる高寺教授の自宅があって、吉祥寺の成蹊大学に高寺教授の研究室があるので、必然的に舞台はこの二か所になる。


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