誕生日は推しと共に
こんにちは。葵枝燕です。
この作品を投稿した十月二十七日は、私の誕生日でした。なので、毎年恒例の“誕生日モノ”、です! 今年も誕生日ギリギリの投稿になってしまいましたが、そもそもギリギリ二十七日生まれですから、ちょうどいいんじゃないでしょうか、ね(毎回言い訳すみません)。
今回も無理矢理誕生日モノにした気がする感じになってしまいましたが、読んでいただけたら嬉しいです。
凛詠葉は、
「よしっ!」
と、得意げに笑った。
そこにあるのは、大量の本だった。小説に、漫画に、画集——サイズも内容も様々な本が、テーブルの上に所狭しと並んでいる。それは、ここ数年かけて凛詠葉が集めた、凛詠葉が愛する本達だった。
「ごめんね、忙しくてなかなか読んであげられなくて」
凛詠葉はそう言って、本達に手を合わせる。ここ最近、仕事が忙しく、せっかく愛する本達を手に入れても、読む時間が取れなかった。それが今日、やっとまとめて読む時間が丸一日取れたのである。
(正確には、わざと今日一日休みをぶち込んだ——って感じなんだけど)
凛詠葉にとって、今日という日は、年に一度の特別な日である。なので、今日一日の休みの要望を事前に出したのだった。
(だって、誕生日に仕事なんて——ねえ?)
誰にいうともでもなく思いながら、凛詠葉はテーブルの上をザッと見渡した。せっかくの誕生日だ、正直仕事に行くよりは、数えきれないほどの推し達と逢う方が、凛詠葉にはよほど有意義なことのように思えたのだ。
(レオ様に、ルーハくんに、影子ちゃんに——推し達みんなから誕生日を祝われたら……)
本に出てくる推し達を思い浮かべながら、そんなことを考えると、自然とニヤニヤと笑ってしまう。そんな自分を戒めつつ、
「まずは、誰に逢いにいこうかな——っと」
と、凛詠葉は、一冊の漫画を手に取った。そのカバー表紙には、金髪碧眼の青年が長剣を構えている絵が描かれている。
「まずは、レオ様に逢いにいこうかな」
そう言って凛詠葉は、表紙を開いたのだった。
『誕生日は推しと共に』、ご高覧、ありがとうございました!
以下、設定など列記します。長くなると思うので、面倒な方はスルーしてくださいませ。
まずは、今回の主役であります、凛詠葉さんから。誕生日に丸一日休みをぶち込み、その休みを本に出てくる推し達と過ごそうと決める女性です。名前は、ノリで付けました。漢字は、〝凛詠波〟にしようか悩みました。色々と私を投影したのですが、それはまあ段落を変えてお話ししましょう。
というわけで、以下、凛詠葉さんに私自身を投影した部分についてです。
凛詠葉さんにたくさん推しがいるのは、私がそうだからです。作品毎に推しがいますし、推しに誕生日祝ってもらいたい思いもあります。アプリゲームだと、誕生日設定すればキャラに祝ってもらえるものもあるので、そういうの嬉しくなります。
本読みながらニヤニヤ笑うところも、私がそうだからです。つい、ニヤニヤしちゃうんですよね。「こわいからやめな」と、姉にたしなめられることがよくあります。
誕生日に丸一日休みを入れるところも、私がモデルだからです。私は社会人になってから毎年、誕生日とその翌日は夏休みをぶち込んでます。誕生日に仕事行くの、なんかいやなんですよね。せっかくの誕生日だし、家でダラリンと過ごしたり、お出かけしたり、すきに過ごしたいのです。
凛詠葉さんに自分自身を投影したのは、こんなものでしょうか。
書いている途中で変更した点もあるので、それも書こうと思います。
本作を書き始めたとき、凛詠葉さんがテーブルに拡げていたのは、本ではなくBlu-ray Diskでした。テレビアニメの録画をダビングしたもので、丸一日かけてそれらを消費しようという——そんな話にしようと思ってたんです。それを本に変えたのは、十月二十七日が読書の日だからです。
あと他には——ああ、個人的にかなしい話がありました。終盤まで書きかけたときに、うっかりタブを閉じてしまって、慌てて開いたときには序盤しか残ってなかった——という、なんともかなしい、けれど、なんとも間抜けな事件がありまして。そのときにはもう、誕生日が終わるまで三十分切ってて、焦りましたよね。毎年こうなんだから、前もって書いときなって思います。
というわけで。以上、設定などでした。
二十八歳になりましたが、やはり未だに精神年齢が中学生で止まっていそうな感じなので、もう少し年相応になりたいものです。まぁ、お子様の自分がすきといえなくもないので、困ったものですけどね。
あらためまして。ご高覧、ありがとうございました!
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改稿情報
二〇二三年十月二十八日、前書きと後書きを追加しました。お待たせしました。