プロローグ
「本当にすまないのぉ」
「お気になさらないでください」
僕の名前は毛利悠也もうりゆうや、どこにでもいる平凡な高校一年生だったのだが、どうやら僕は死んでしまったらしい。
目の前で、僕に謝っているのは顎に豊かな白髭を蓄えたお爺さん、どうやら僕らの世界でいう神様という存在らしい。
「こちらの手違いで起こってしまったことじゃ、お詫びに新しい命を与えさせてくれは貰えないか」
「新しい命・・・ですか?」
「そうじゃ、君がいた世界とは別の世界。つまり異世界に転移させるということじゃ」
「そこは、どのような世界なんですか?」
「そうじゃな、君がいた世界と大きく違うのは科学ではなく魔法が発展していることじゃな」
「魔法・・・ですか!?是非お願いします」
「そうかぁ!では身体能力と魔王能力の基礎能力を大幅にアップさせてくれ、遠慮はいらん!」
「ありがとうございます」
「では、今から転移させるぞ」
僕は意識を失った。
目が覚めると、草原の中の大きな木の根元に僕は寝転がっていた。
「ここが異世界か」
上半身を起こしながら辺りを見渡すと体の隣に木箱が置いてあった、開けてみると金貨10枚と懐中時計、そして手紙が入っていた。
「うーんと・・・『新しい人生の記念に出生祝いとしてこの世界のお金をあげよう、そこから暫く歩くと町がある。ギルドで登録すれば職にもつける。君の能力なら食いっぱぐれがないから安心してくれ、また懐中時計には時間はもちろん、マップに、わしとの通信機能もついているので活用もしもの時は遠慮なく使ってくれ。 神様』」とあった。
「よし、まずは町へ行ってみよう」