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ヘリアンサスの希望  作者: ソリング J
初披露以降
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順和13年10月18日 1

 「ん...?」


 気づいたらカーテンの隙間から日が差し込んでいた。


 私はどうやら漫画を読んでいるうちに寝落ちていたようだ。スマートフォンは6時を指している。私の部屋の窓は東にあるので、カーテンを開けるとまぶしく感じた。


 今日は火曜日。私はベッドにおいてあった漫画を読んだ。


 「どこまで読んだっけ」


 私は1巻をとってめくった。平成29年夏のオーディションに合格し、お披露目会を行うも1人欠席という下りのところまで読んでいた、ことを思い出した。


 「結構早く寝ちゃったのか」


 1巻の100ページ辺りまでしか読んでいないということは、すぐ寝てしまったということだろう。たぶん11時前くらいだと思う。7時間ちょっと寝たことになる。


 私は、今読もうと思ったが、どうもやる気が起きないので本棚にしまって日課の筋トレを行った。30分ほどすると親が起こしに来る。私は、起きてるよ、と返事をした。


 いつも通りシャワーを浴び、髪の毛を整える。だいぶ長くなってきた気がする(といっても、耳に少しかかる程度だが)ので、そろそろ髪を切ろう、と私は決めた。


 長い髪は好きじゃない。手入れが大変なうえ、私のイメージに合わない気がする。明確な理由があるわけではないが、髪の毛は短く保っておきたかった。

 

 シャワーを浴びたあと、朝ご飯を食べる。弟はまだ起きていない。いつも通り、チョコレートが塗られた食パン・ゆで卵、まだ青い蜜柑が盛られている。私はゆっくりと、テレビのニュースを見ながら食べた。


「先週の台風19号が、関東・東北・中部地方で猛威を振るいました。特に、東北南部の……」


 いつも通り、ニュースキャスターがテレビに出て台風の状況を解説している。台風19号は12日に日本に上陸し、「地球史上最大級の台風」とも言われた台風である。私のところでは暴風警報・波浪警報が発令された。雨はひどく降ってはいたものの、死者は出ていないようであった。


 ゆっくり食事をとっていると、7時20分になっていた。私は、テレビの電源を切って家を出て、学校まで向かっていった。


 空は雲一つなく晴れており、どこまでも青く澄み渡っている。夏の不快な暑さもすっかり消えており、吹いている風も涼しい。ずっとこの気温が続いてくれればいいのに、と私は思った。


 駅まで自転車で1キロ強。そこからいつも通り列車に乗り、A駅まで向かっていった。


 学校の最寄り駅も、アイドル活動で集合するのも、ともにA駅である。特に何か観光名所があるわけではないのだが、私にとっては結構思い入れの強い場所だ。


 少しばかり時間が早いこともあって、通学路に知っている人はいなかった。私はいつも通り、歩いて教室まで向かっていった。今は8時前だが、A組はまだだれも来ていない。


 そういえば、そろそろ制服を長袖にする人が増えている。私はまだ半袖だが、たぶん数週間後には長袖にしているだろう。そんなことを考えつつ、私は机に伏せながら誰かがくるのを待った。


 「ガチャ」


 後ろ側のドアが開く音がした。誰だろう? そう思って振り向いてみると、寺山くんが来たようだった。


 「あ、おはよ」


 私は彼に挨拶をした。彼も、おはよう、と返してくれた。


 「しふぉんってさ、いつも何時くらいに来てるの?」


 私のあだ名であるしふぉんは、吹部仲間の万咲ちゃんが(5分で)考えたものだが、クラスの男子にもそう呼ばれ、挙句の果てには私の苗字、あるいは名前を知らない人がいるレベルに浸透している。彼は、本名は認識しているようだが、呼びやすさの都合でこう呼んできたようだった。


 「今日は5分前? そんな早すぎるわけじゃないよ、今日は早起きしただけだし」


 彼は、なるほど、といって自分の席(私の隣)に座った。お互い何も話さずに5分ほど経過したのち、太田さんが入ってきた。


 太田さんは身長150cm弱くらいの子だ。同じクラスにいるが、いまだに話したことはない。彼女は自分の積にカバンを置いて、教室を出てどこかに向かっていった。


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