順和13年10月17日 2
気づいたら8時21分。クラスのみんなは、ほぼもう来ている。私はトイレを済ませて教室に戻ってきた。
眠いので、私は伏せながら隣の席の男子の話を机に伏せながら聞いた。香港にあるStarrGamesからリリースされているTPS(サード・パーソン・シューティング)ゲーム、「戦地対策」の話をしているようだ。
戦地対策はスマートフォンで遊べるFPS/TPSゲームのパイオニアとなったゲームと言っても過言ではない。2年前の2月にリリースされ大反響を呼んだゲームだ。ゲーム性自体はFotFとあまり変わらないのだが、話題性の高さ・タイトルの絶妙なインパクトが人気の理由と分析されている。
私はまだやっていないのだが、そのうちインスト―ルしようかな、ともと思っている。私はスマートフォンをカバンにしまい、お茶をひとくち飲んだ。
チャイムが鳴り響いてから数十秒後に担任の新野安和先生が入ってくる。地理の先生だ。私は地理は嫌いだが、彼のユーモアにあふれる話し方は割と好きだった。
月曜の1時間目は地理なので、先生は朝のホームルームが終わった後、8時45分から普通に授業を始める。私は、授業開始前まで、(元)吹部仲間の万咲ちゃんと喋っていた。
どういうわけかわからないが、C組には吹部の人が多い。A組は4人、B組は1人(村上さん)、C組は9人、D組はいない、E組は3人の計17人だ。私は吹部をやめた後でも、A組の吹部仲間とは仲が良いが、他のクラスの人たちとはめっきり話さなくなってしまった。
「しふぉんちゃんってなんで吹部やめちゃったの?」
万咲ちゃんは聞く。私がアイドル活動を始めて比較的すぐ吹部をやめたことは割と話題になっていた。私は、言い訳をせずに真実を話した。
「別に、音楽自体・吹奏楽自体がだるくなったとか、そういうことはなくてね、夏休みに結成されたユニットだから、1日中レッスンがあるとかも多くて、吹部に出れる日が減っちゃったのね」
「8月4日に結成してそこからしばらくレッスンがあったんだけど、それが結構吹部の活動と被ってて」
「だからあまり練習時間が取れなくて、もうこれ無理だって思ってやめちゃった」
万咲ちゃんは、なるほど、とうなずいた。時計をみるともう8時45分をさしている。1時間目の始まりの時間だ。わたしは自分の席に戻り、地理の授業をうけた。
正直、私は地理が嫌いだ。ただ、地理自体が嫌いなだけで、先生はユーモアがあって好きだった。私は先生がしゃべることをノートに取っていった。
2時間目は数学α。望月嘉令先生の授業だ。授業がわかりにくい、というつもりはないのだが、どうしても眠くなる声をしているし、チョークの音があまりしないのもいっそう眠気を誘っている。
力が弱いからなのか分からないが、先生は板書を”柔らかな筆圧”で書く。文字は読みやすく適度に濃いのだが、(理由があるのかは知らないが)音をあまり立てないタイプだ。私は、寝ないように何とか頑張っていた。
3時間目は歴史。先生は宮本先生。理系に行くと分かっている私は、将来歴史など使わないことなど目に見えている。先生も起こしてこないタイプなので、私は堂々と寝た。




