順和13年10月16日 7
物販で販売するものはタオルとCDだ。サイリウムはライブの前にしか販売されない。私は希望の花言葉のCDとタオル50枚程度を目の前に陳列しファンの方が来てくれるのを待った。
基本的には販売を行うが、撮影会のチケットを持ってきた人がいる場合は撮影会が行われることになっている。どのくらいいるのか全く想像はつかないので、私は来た人を順々に対応していくだけだった。
列には15人程度の人が並んでいる。なっきぃは25人、かわみんは20人、そかかとなーなんは10人程度だ。どういうわけかわからないが、なっきぃがファンの間で一番人気がある。列には吹部時代の仲間も並んでいるが真ん中あたりだ。
最初の人は昔どこかで見たことがある気がする、私と同年齢くらいの女子だった。どこかで会いませんでしたか、と聞きたかったが聞けなかった。彼女はCDとタオルを1部ずつ買い、私に話しかけた。
「しふぉんさん、これからも私の分まで頑張ってくださいね」
意味深な言い方に私は少し困惑してしまったが、すぐ彼女は説明してくれた。
「僕はオーディションで一緒のグループにいた、40番の早川蓮花です」
確か私は37番で同一のブロックにいたが、彼女の存在はすっかり忘れていた。どうやら、早川ちゃんが私の事を覚えてくれていたのは、私の身長が非常に高かったから、とのことだった。
彼女は一人称が僕の女子、いわゆる「僕っ子」らしい。最近アニメの影響で一人称が僕に変わった、と話してくれた。私は、これからも来てくださいね、と言った。
私は笑いながら、2期生のオーディションがあったらまた受けてください、応援してますから、と彼女に伝えた。彼女は、ありがとうございます、と言ってその場を去っていった。
続いて30代の男性、大学生くらいの男子、高校生の女子、と順に対応していった。撮影会の券を持っている人はまだいないようだった。5人ほど見送っていくと、次に吹部仲間の4人が来た。
亮太くんはもうCDをすでに持っているが、それ以外の3人はCDを買ってくれた。私は、4人といつも通りのようなたわいもない話をした。ただ、後ろにも人が並んでいるため、そこまで長く話すことはできなかった。
次の客は20代半ばくらいの好青年だった。どうやら彼は撮影会のチケットを持ってきてくれたようだった。
「すみません、この撮影会券ってどうやって使えばいいんですか?」
彼は私に話しかけてきた。私は近くにいたスタッフに話し、彼を撮影会の場所へと案内した。




