表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/261

お披露目会・家

 なーなんは国語。なっきぃは理科の化学分野。そかかと私は数学。かわみんは英語と回答した。


 3つ目の質問は、5人の部活動。なーなんはバスケ部、なっきぃは軽音部、そかかは吹奏楽部、私は吹奏楽部、かわみんは料理部。


 4つ目の質問は、好きな食べ物は何か、だった。

 なーなんは「甘いものと辛いもの」と答えた。なっきぃは「寿司」。そかかは「蕎麦」。私は麺類が大好きなため、「麺類全般」と答えた。かわみんは「タピオカ」。それは食べ物なのか、と思ってしまったが、フリートークの雰囲気ではなかったため突っ込めなかった。


「それでは最後の質問です。みなさんの、嫌いな食べ物はなんですか?」


「私は苦いものがマジで無理です」となーなんは言う。私は何となくわかる、と心の中でうなずいた。

 なっきぃは彼女に続けて「梅干しが大の苦手です...」と発言した。私も梅干しは嫌いだ。実はこれを言おうと思っていたが、言われてしまったので何か違うものを言おうかと考えた。

 そかかは「紅茶が嫌いです」と言った。それ、明らかに食べ物じゃなくて飲み物だよね。

 私は梅干しは嫌いだが、それ以上に椎茸が嫌いだ。それを会場に向かって話した。

 かわみんは、特に嫌いな食べ物はないといった。強がりなのか、それとも本当にないのかはわからなかった。


 インタビューも全部終え、もう終わりの時間が近づいていた。私たちは、会場に来てくれたみんなにありがとうと伝えて舞台を降り、楽屋に戻っていった。


「紅茶って絶対食べものじゃないよね」そかかに尋ねた。

「話聞いてなかったんだよ」笑いながら答えた。


 楽屋で会話をしていると、プロデューサーが入ってきた。


「今日はお疲れ様でした。今後基本的にココで発表・ライブ等をすることが多いので理解しておいてください。それでは駅前のビルで解散になりますので、外に出て車に乗ってください」


 私たちは、ここに来るとき乗った車でビルまで向かった。到着したとき、時間は15時20分。初回だからなのか、そこまで時間はかからなかった印象だ。


「それでは解散となります」とプロデューサーは言う。私たちは全員で「ありがとうございました!」と感謝した。


 なっきぃはA駅近くに住んでいるため徒歩で家に帰るが、他の4人は自転車で家まで帰る予定の用だ。駐輪場のある駅の中で、私たちは話した。


「そういえば、Lineの交換忘れてた!」かわみんが思い出したように叫んだ。しかし「とりあえずこの3人で交換しておこう」ということになった。私はもうそかかとは交換しているので、かわみんと交換するだけだった。


「もうLine交換してるの?」

 かわみんが目を丸くして問いかけた。私たちはオーディションの席が横で仲良くなったことを話した。3人は、それぞれの家がある方向へと帰っていった。


 みんながいなくなったあと、1人でスマホを確認していると、友達数人から「今日のお披露目会行ったよ!」と言うメッセージが届いていた。どうしよう。目が悪いのもあるけど舞台上だと全く気付かなかったよ。そう思いながら「ありがとう!」とだけ返信しておいた。


 A駅から自転車をこいで家に帰ると、もう午後4時50分になっていた。今の今まで、初めてのお披露目会で心臓がドキドキしていた。しかし、家に着いた安堵からか興奮が疲れに変わり、ベッドに飛び込んでしまった。


 気が付いたらもう外は真っ暗。「あれ...寝ちゃってた?」

 そう思って時計に目をやると19時40分。約3時間ほど寝ていたことになる。


 1階の様子を2階から見てみると、両親と弟が話をしていたが、どうやら私の話ではないようだ。私は階段を下りた。父親が私に気づいて、「今日のライブどうだった?」と尋ねた。眠気がまだあまり取れていなかったので、私は「まあいい感じだったよ」という適当な返事しかできなかった。母親もまた私に興味津々なようでしつこく質問された。疲れてるんだからあとでにしてよ、と思ったけど言えなかった。


 夕食はは魚の煮物、納豆、米、味噌汁、サラダ。いつもと変わらない料理。特に何かを話すわけでもなく食べ、部屋に戻った。


 時計は20時を指している。まだこんな時間なのか。明日は特に何かあるわけじゃないけど、今日は何となくもう寝たかった。流石に早すぎる気もするが。


 そんなことを思ってると、そかかからLineが届いた。


「Twitterでなっきぃとなーなんのアカウント確認できた!とりあえず送るから確認しておいて!」


 そういえば私はまだプロフィールにアイドルのユニット名を書いていなかった。アプリを起動して、プロフィール欄に書き加えた。なっきぃとなーなんが私を認識できるよう、名前を「しふぉん」、アイコンは紫がかかった自撮りに変えておいた。


 なっきぃとなーなんをフォローすると、5分で2人からフォローバックされた。そしてお互いを確認したのちLineを交換した。


 そかかには、「Line交換したからグル作っとくね」と返事し、ヘリアンサスガールズのメンバーのグループを作っておいた。


 10分で他の4人のメンバーが全員入った。私は名前、アイコンをそれぞれお互いが認識できるものにセットし、「おやすみ」とだけ発言して落ちた。


 明日は予定はないが、明後日にデビュー曲の音源が届く、と聞いている。初めてCDになる歌、センターは誰なんだろう。どう決まるんだろう。中1・中2で分けるのか。それともイメージカラーで決まるのか。そんなことを考えていると、いつの間にか眠ってしまっていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ