順和13年9月18日 6
家に着くと17時前。私は疲れすぎていたため、そのまま布団に入って眠りに落ちた。
どういう訳かわからないが、最近私は妙に現実的な夢を見る。少し前までは「恐竜になって誰かを追いかける夢」「部活仲間からタイムマシンをもらう夢」などわけのわからないものばっかりだったのに、最近は現実になってもおかしくなさそうな夢を見ることが多い気がする。
私には(当然だが)所謂”超能力”とかそういった類のものは一切ない。自分が気づいていないだけなのかもしれないが、少なくともコントロールすることはできない。もちろん、予知夢を見るということも(覚えている範囲内では)1度もない。
今見た夢を簡単に説明すれば、なっきぃが横浜のどこかの学校で知らない男子と高校生活を営んでいる、という内容だ。確か1か月ほど前にも、なっきぃがどこかに行ってしまう、という夢を見た。その時聞いてみたのだが、そんなわけないでしょ、と否定された。
なぜそこが横浜だと分かったのかというと、私の実家がだいたいその辺にあるからだ。羽田空港からある駅に向かい、その駅から電車で1本で実家の最寄り駅にたどり着く場所にある。
”その駅”の前のショッピングモールの屋上には観覧車があり、特徴的なのでかなり目立つ。私が横浜を確信したのは、学校のテラスからその観覧車が見えたからだ。
グーグルマップで観覧車の見えた方向から学校を探してみると、すぐに見つかった。ストリートビューで現地を見てみると、夢の中で見た光景と見事に一致していた。
私は少し怖くなった。記憶にある範囲内では、その方向に向かったことはない。どうして知らない場所の夢を(ある程度は)正確に見ることができだのだろうか、と。
夢の中で見たなっきぃは今(150cm)より身長がモノサシ1本弱分ほど大きくなっているようだった。男子の名前はわからなかったが、なっきぃより少し身長が高い程度だった。
目が覚めると少し汗をかいていた。私はこのことについてなっきぃにLINEで聞いてみたが否定された。
「横浜に引っ越す予定はないよ」
夢の中に出てっいた謎の男子についても覚えている範囲で説明してみたが、心当たりはないといっていた。
「まあ夢に出てきたら不安になるのもわかるけど、夢はただの夢だよ。前にも同じような子と聞かれた覚えがあるけど、何も心配しなくていいよ」
私は、よかった、と胸をなでおろした。正夢にならないことを祈りながら、私はトイレを済ませてシャワーを浴びた。
よく考えてみれば、私は夢をはっきり覚えていることが少ない。奇天烈・支離滅裂な夢の場合は覚えていることもあるのだが、多くの普通の夢は忘れてしまっているのだろう。だが、ついさっき見た、なっきぃがいなくなってしまうという(あり得ないかもしれないが現実的な)夢は、矛盾・破綻がない夢なのに、非常に印象に残っていた。
時計は19時半を指している。もう母親は夜ご飯を作ったようだ。私は軽く筋トレをして、食卓へと向かっていった。




