順和13年8月19日 2
食べ終わってからYouTubeを見て時間をつぶしていると、もう8時30分になっていた。私は、私服に着替え、自転車をこいで古本屋さんへと向かっていった。夏なので今日も暑いが、耐えられないというレベルではなかった。屋内は冷房が効いていて涼しい。
ラストラベンダーという漫画は、あまり知られているわけではない。しかし、古本屋の奥の方を探してみると、割と簡単に見つけることができた。値段は税込みで1冊218円とそれなりに安い。私は、1巻から4巻まで漫画を買って家へと帰った。
今は9時30分。暑いので、どうしても汗をかいてしまう。洗い流すためにシャワーを浴びてリフレッシュした。私は、ヘリアンサスガールズのラインのグループに「ラストラベンダー買ったよ!」と報告し、1巻から読み始めていった。
舞台は北海道。「アイドル=女子のもの」という固定観念を打ち払い、「男子でもアイドルになれる」をコンセプトとして結成されたユニット、「セッティエーム・ラヴァンド」。立ち上げの時、オーディションに勝手に申し込まれ、物の弾みで合格した福井功くんが主人公となっている。本来は7人組になるはずだったが、本人の都合で1人、結成前に脱退してしまう。新しく7人目を探して、海を超え山を越え世界をめぐる物語だ。
1巻目から読み始めていったが、割と日常系で、そこまでとんでもないバトル展開や、最近はやりの主人公が異世界に飛ばされる展開はないようだ。メンバーの6人はそれぞれ違う学校だが、まずはクラスの人を誘ってみたりしたものの誰も参加の意思を示してくれない。そんなとき、福井君が「この広がる海の向こうに仲間がいるはずだ!」と言い出すのが物語の序盤だ。
北海道の海を泳いでロシアに行くとか言う無謀なことを考え出したが即却下された清水玲君などが繰り広げる、コメディだがシリアス要素もある日常の物語だ。私は、とりあえず1巻を読み終えた。
ラベンダーの花言葉は「沈黙」「期待」「疑惑」。こう言ってしまっては申し訳ないが、ヘリアンサスの花言葉「崇拝」「憧れ」「輝く未来」「快活」など、アイドルに割とふさわしいと思うものが多い花と比べてしまうと、どうしても「何かわざわざラベンダーにした意図があるのかな」と思ってしまった。私は、ちょっと気になったので、1巻の考察をネットで探して読んでみた。
ラストラベンダーを描いた平田薫先生は、ラベンダーの花に思い入れがあるようだ。子どものころ使っていたシャンプーのにおいがラベンダーで、子どものころからその花が好きだったようだ。いつかそれを創作に使いたいと思っていた夢が、大人になってからようやくかなったとのことだった。
とりあえず、自治体の花だから選ばれただけで、ラベンダーに設定された深い意味はないようだった。私は、トイレに行ってから2巻を読み始めた。




