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順和13年8月17日 6

そかかたちは30分早くご飯を食べ始めていた。彼女らのレッスンは30分後に始まる。2人は夏休みの宿題をやっていたようだった。私たちも、彼女らと30分ずれてはいるものの、同じ60分間で弁当を食べることになっていた。


 かわみんと私は、弁当を食べながら、さっき話しかけていたゲームについて再び話し続けた。全国的に有名な不定期番組に、追跡者から逃げて賞金を獲得する「The() Escape(エスケイプ)」というのがある。出演者が決められたエリアを逃げ回り、一定時間逃げるごとに賞金が増え(1秒100円)、最終的に2時間逃げ切れば賞金は72万円にも及ぶ。しかし、捕まってしまえば賞金はゼロとなってしまう、という大型鬼ごっこだ。なお、エリアの面積は東京ドーム2個分と言っていたが、私にとってはあまりピンとくる単位ではなかった。


 最近、その番組がスマートフォンのゲームになったらしい、という話をかわみんはしてくれた。

 「ちょっとやってみたけど、FotFと操作感があまり変わらないから、割とやりやすいと思う。でもFotFが苦手なシフォンだと無理かも」

 彼女は苦笑いして話す。私は、煽られたことに少し腹が立ってしまったが、あまり気にしないようにした。少しばかり容量が大きいらしく(830MB)、今ここでダウンロードすると容量を大幅に使ってしまうため、やめた方がいいと助言してくれた。私は、帰ったらやってみようと思って、ブラウザのブックマークにその番組の公式HPを追加した。

 

 なーなんは食べるのが遅いが、それでも25分あればさすがに食べ終わるようだった。食べながら話すのがあまり得意ではないようだったが、私たちの話を聞いてはいたようだった。彼女は、ゲームが出たのは知っていたが、まだやってはいないけど、ちょっと気になるから、その内入れてみようかなと思っている、と言った。


 かわみんは、次のレッスンまであと30分くらいあるから、1回FotFやってみない?と提案した。私はちょっと飽きつつあったが、友達とやるなら別に嫌というわけではなった。なーなんも、流行に乗ってFotFはダウンロードしていたらしい。私たちは、アプリを起動してゲームをプレイした。


 基本的に、ソロでプレイすると私は再序盤で死ぬか、最後の方(Top10)まで生き残るかのどっちかになることが多い。もちろん、Killを取ることはできないけど。しかし、かわみんとプレイすると、敵の運にもよるが、比較的最後まで生き残れることがある。私は、彼女のゲームの実力は尊敬していたが、私を煽ってくるのだけはやめてほしいと思っていた。なーなんは私と同じ感じで、FPSゲームはあまりうまくないようだった。


 今回の試合では、最後の最後の一騎打ちでかわみんがやられてしまったため、2位となった。試合が終わって時計を見てみると12時30分。あと10分でレッスンが私たちの番となる。3人は、この10分間をそれぞれがやりたいことに費やした。


 私は、ラーキングソウルを読んでいた。ちょうど第10巻の33話を読み終えたところで、そかかとなっきぃが戻ってきた。私は漫画をカバンの中にしまい、レッスンが行われる部屋へ向っていった。レッスンの部屋と、休憩部屋の間の通路の窓から見慣れた景色が見える。私は、なぜかわからないがふと現実に引き戻されるような感覚を味わった。


 明日は部活があるが、あさっては何もない。久しぶりに、家でゆっくりできる日だ。アイドルに合格した通知が送られてきて、早2週間がたつ。私の中では、まだ2週間しかたたないのかという思いと、もう2週間たつのかという驚きと、発表まであと1か月かという軽い不安が入り混じっていた。


 私はレッスン部屋に入り、水筒のお茶を1口飲んだ。


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