表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
56/261

順和13年8月16日 6


 感傷に浸っていたが、時間は13時20分を3分ほど過ぎていた。武田さんは、午後のレッスンを始めます、と私たちに向かって伝えた。


 希望の花言葉が難しすぎて気をとられていたが、道端花やナツアオソラも練習しなければならない。そのことを武田さんに伝えると、彼女は、「とりあえず道端花の練習を行ってみたいと思います。まずは、二人同時に歌ってみてください」と私たちに言った。


 私たちは、ヘッドフォンで音楽を聴きながら歌った。今は歌詞を見ているので、そこまで無理ではないが、本番は見れない。それにダンスをしながら歌わなければならないので、ちゃんと覚えておかなければ大変なことになる。私は、紙をもう1度見て確認した。


(C/F)いつもの道 脇に咲いた

(S/K/C)だけど僕には 勇気がなく


(C/S)道端の その花に

 

(S/C)誰にも 気づかれず 

(S/C/F)しおれた 花は咲き

(S/K/C/N)仰ぐように そこにいた


(C)朝の早く 見つけた花

(S/C/F)花の上に 落ちたつゆ


(C/F)枯れかけた その花に 雨が降り かえ


(S/C)未来は目の前だ

(S/C/K/N/F)目の前 強く生え 僕の心 癒す日が

  

(C)花びら 散らして 


(S/C/K/N/F)

梅雨前 晴れ空の 眩しい 日差し受け

その花 弾けとび 僕の心 強くした


  メロディーラインやリズム自体は難しくないのだが、最後の部分の、5人で歌うことになるところが厳しい。最悪の場合、ソロの部分だけ歌詞を覚えてそれ以外はごまかそうという考えがよぎったが、私の性格はそれを否定した。最悪の場合に行うならともかく、今練習の段階で考えることではない、と思った。自分のパートの部分だけに歌詞(機械音声)が入っている音源を聞けば、その内覚えられるでしょうと武田さんは言ってくれたので、私は彼女の言うことに従って、普段聞いてる音楽のプレイリストにそのmp3ファイルを入れた。


 道端花は、とにかく歌って覚えましょうとのことで、私たちは歌い続けた。時計が3時を刻んだところで、武田さんが、「そろそろ休憩にします。次は15分後からです」と言ってくれたので、私は伸びをして体をリラックスさせた。


 歌っているときは全く気が付かなかったが、いつの間にかのどが渇いていた。私は、魔法瓶に入っている麦茶を飲んで、のどを潤した。


 麦茶を飲んでいるときに、ふと頭の中に「お茶って何なんだろう」という疑問が浮かんだ。スマートフォンで調べてみると、「普通、お茶と言えば緑茶やほうじ茶と言った、いわゆる”チャノキ”から成分が抽出されたものの事をさす」とでてきた。しかし、麦茶の麦はチャノキからとられているわけではない。「茶」とつく飲み物とそうじゃない飲み物の違いって何なんだろう。そう思った私は、2人に問いかけてみた。


 かわみんは、「確かに、お茶の定義って何なんだろう?果物や野菜ではない植物由来の飲み物なのかなって思ったけど、コーヒーってお茶じゃないよね?」と言っている。武田さんは、何となくお茶っぽいものを茶って言ってるだけなんじゃないの、と語った。


 お茶っぽいっていったい何なんだろう。そんな謎を残したまま休憩は終わり、レッスンが再開された。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ