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順和13年8月14日  部活 1

朝起きたのは6時半だった。ファンの方々反応を確認してみると、10人ほどの方がリツイートしてくれていて、二人ほど好意的なメッセージを残してくださっていた。私はその2名に対し、ありがとうございますと返事をして、自分で昨日作った歌を聞いてみた。私が深夜に歌詞を書くと、よく日本語がおかしくなる部分があるが、今回は特に見当たらなかった。


 7時、親が起こしにきた。いつも通り歯を磨き、顔を洗って朝ご飯を食べ、髪の毛を整えて制服に着替える。学校にバス・電車で向かう。本数が少なく、乗り遅れたら20分待たされることもざらなため、私はきをつけてバス・電車に乗り込んだ。


 A野駅に7時50分に着く。そこから電車で15分弱で、学校のあるA駅に到着した。昨日もダンスのレッスンで来たところなのに、目的が違うから全く違う場所に感じられた。私は、部活は辛いと思っていたけど、実際に行ってみるとそうでもないようになる、と信じながら学校へと歩いて行った。


 いつもと時間帯が違うからなのか、万咲ちゃんとか亮太君はいなかった。私は1人で歩いて、校舎まで向かった。上履きに履き替え、音楽室まで向かっていった。そのままミーティングを行ったが、特に連絡はないようだった。ホワイトボードには、パート練習の部屋が書いてあった。今日は2階の多目的室か。私は、教室に置いてあったチューナーを取って、パート連が行われる場所に行った。先輩はもう来ていたので、私は個人で音出しを始めた。


 楽器を鳴らすのは楽しい。酸欠気味にはなるが、トロンボーンを吹くと何となくたまっていたストレスがどこかに逃げていくような気がする。私は、譜面台の上に楽譜を載せ、「空は晴れている」の演奏を始めた。私は、この曲ではBパートを担当している。和音でいえば、真ん中の音だ。そこまで高い音、低い音があるわけではないので、音を出すこと自体は難しくないのだが、リズムをとるのがきつい、と先輩に言われてしまっていた。


 私は、先輩の指導の下、リズムの訓練を行った。先輩方は、私のリズム感覚のなさを憂いてゆっくりでやってくださっているが、私は曲を聞いてリズムをとっているところがあるので、ゆっくりにされるとわけがわからなくなる、と感じてしまっていた。やっぱり、私は吹奏楽部に向いている人間じゃなかったのかもしれない、そう思い始めるようになってきた。とりあえず富南祭まではこの部活を続けてみよう、とは思っていたし、今も思っているが、その先については、私の中ではやめるというビジョンが鮮明になりつつあるように思えた。


そう思い、窓から空を見上げると、曇りの空の切れ間から日が差し込んでいた。辛ければやめていい、そう思い始めると、少し気が楽になったような気がした。


私はトイレを済ませ、11時から行われる合奏へと向かっていった。自分が全然できていないのに合奏をする意味はあるのか、と思ったが、そのことについては考えないようにした。


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