家
私は十分後、なんとか涙を抑えて落ち着くことができた。外を見てみると、雲の切れ間から日の光が差し込んでいる。私はトイレに行き、気持ちを完全にリフレッシュした。
泣くタイミングじゃなかった。まだ終わりじゃない。始まってもいない。トイレから待機場所に戻ってくるときに私はそう思い始めていた。
プロデューサーからの終わりのあいさつをした後、私は、水筒の冷たいお茶を飲んでからマネージャーの車に乗り家へと帰った。
車の中で高橋さんは私を慰めてくれた。そのことに対して、みんなには申し訳ないという気持ちが芽生えてきていた。
家に到着。16時50分だ。中に入ると、エアコンの風が体に当たった。いつもは心地よい冷房の風が、今の私にとっては少しうっとうしかった。シャワーを浴び、部屋へと戻る。部屋も十分涼しかったので、私は冷房を切ってすぐベッドで眠ってしまった。
3時間ほど寝ると、もう今日泣いてしまったことがどうでもよくなっていた。夜ごはんができていたようなので、家族と一緒に食べる。父から練習どうだったか聞かれたが、答えるのがめんどくさくて適当にごまかしてしまった。
部屋に戻り宿題を1時間ほどやった。明日は特に予定・部活はない。久しぶりに何もない日だ。夜更かししようとも思ったが、漫画も7巻目以降を買ってなかったし何もすることがないので、私は筋トレをして風呂に入り、すぐ寝てしまった。
朝起きたら5時半。もう外は明るく、日が昇っていた。朝は少しは涼しい(といっても、25度くらいはあるが)ので、私は朝の散歩をしに外に出た。
家の近くにある道端の花壇に、ヘリアンサスの花が植えてあった。一瞬日本のヒマワリかと思ったが、添えられていたプラカードにヘリアンサスと書かれていた。
「ヘリアンサス Helianthus
もともとはギリシアの言葉で『太陽(Heli)の花(Anthus)』を意味する。ひまわりの仲間で、北アメリカが原産地。」
説明として書かれていたのはこれだけだったが、その花壇に植えられているの花の数は5個だった。今年の6月に植えられた、と書かれているが、単なる偶然以上の何かがあると、私は思ってしまった。
昨日の夜ちょっと雨が降ったようだったが、今は晴れている。花びらの上に、水滴が輝いていた。
私はスマートフォンでその花の写真を撮り、ライングループとTwitterにそれぞれ投稿し家へと帰った。もう6時。私は朝ご飯を適当に作って食べた。




