順和17年7月2日 2~
「難しいよね」
私はどこまで現実的なのかはわからないが、頑張って見せると伝えた。
「応援してる!」
自分は、ありがとう、と伝える。解散後、私たちはそのまま家へと帰っていった。
「疲れた」
最近何もしていないのに疲れていると感じることが多い。私はそのまま寝てしまった。
気づいたら変な夢を見ていた。ある男性と、男性にも女性にも見える人が同じ電車に乗ってどこかに向かっている夢だった。男性にも女性にも見える人というのは中性的な見た目というわけではない。うまく説明できないが、男性と女性が可能性的に重なっているような見た目だ。
今思うと不気味だ。目が覚めると19時だった。私は夜ご飯を食べた。坦々素麺だった。YouTubeで夏おすすめのレシピとして紹介されていたもののようだ。上には大量の夏野菜がトッピングされている。私はネギをかけて食べた。
私は昔から夏が弱い。夏バテ防止にもいいようだった。私は素麺を食べて、食器を片付けて上の部屋に戻った。
そろそろ定期試験だ。私はテキストを取り出して対数の勉強をした。
「$a^{\log_a b}=b$は定義より明らかで、言い方を変えれば環境大臣公文です」
その横には目元を伏せた環境大臣の写真りが貼ってあった。数学の先生はユーモアがあり、かなり聞いていて楽しい話をしてくれる。こないだ積分の問題を質問に行ったとき、留数定理を使った解き方を教えてくれた。
私はそんなことを考えながらプリントに目を通した。プリントは先生が作っているが、問題の部分は教科書から流用されている。計算ミスは怖いが、そこまで手も足も出ないような問題はなかった。ただ、定期テストには毎回変な問題が混ざっている印象がある。それだけが怖かった。
私は眠くなってしまったのでプリントを開いたまま寝てしまった。目が覚めると外が明るい。5時半のようだった。私は軽く筋トレをしてから朝のシャワーを浴び、朝ご飯まで数学の問題を解くことにした。
計算を間違えないかが不安だ。私はそう思いながら問題集を解き進めた。そして気づいたら7時になる。私は朝ごはんを食べて、学校まで向かった。
テストは毎回不安になるが終わると呆気なく感じる。私はそのままレッスン会場へと向かっていった。
最近得体の知れない不安に襲われることがある。私はレッスン会場にあった机にお茶を置いて窓の空を眺めた。
空は何色か? というテーマで書かれた話を思い出す。雲の形を魚に例えてぼーっとしていた。しばらくすると、他のメンバーたちがやってきた。
「あ、しふぉんだ」
ゆーゆは剣道部らしい。部活の練習が終わって今きたとのことだ。剣道といえば難しいイメージがある。
「私、昔吹奏楽部だったんだけどやめちゃったんだよね」
自分は過去を思い出す。なんか意外と言ったリアクションだ。音楽自体が嫌になったわけではない。
「ここにきてるけど、テストは大丈夫なの?」
れんれんはきく。自分は、多分大丈夫、とかえした。かなり忙しいがなんとかなっているのが現状だ。
「そんな難しいわけじゃないからね」
数学は難しくないが、理科や国語が少し不安である。おそらく2次試験では国語は使わない。共通テストでは使うかもしれないが、まだはっきりとは決めていないのが現状だ。
「ゆーゆって理系?」
自分は聞いてみる。彼女は文系らしい。世界史をやっているようだ。
「耶律阿保機と完顔阿骨打くらいしか知らないや」
ゆーゆは、なんで知ってるの、と笑いながら話す。私は、世界史選択の友達に見せてもらった教科書にあった字面がインパクト強すぎて覚えていると答えた。
「あー」
彼女は納得していたようだ。自分は世界史は苦手だ。授業では地理があるが真面目には聞いていない。気候がなんとかとかやっているが全く理科していないのが現状だ。
「あの先生適当に当ててくるんだよね」
自分は愚痴を漏らす。28という数字が思いついたから28番だとか、かなり適当な当て方をしてくる印象だ。
「もう高2か」
ふと現実に戻ることを呟いた。アイドルになったあのくもりの日が鍾乳石のように目の前に感じられる。もう4年経つという現実を受け入れられていない。
私はそう思いながらレッスンを受けた。新曲の「鏡よ鏡」の練習をしていた。
「鏡よ鏡 答え 教えてほしい 誰も知らない その道はどこへと繋がる?」
歌詞にあまりダンスがあっていないが、私は踊り続けた。そしてレッスンが終わる。夏場なので汗の量が尋常ではないが冷房が効いているのは救いだ。
私は家まで帰っていった。そして、Twitterを見て何か面白ことがないか調べた。私はリプ欄を読みながらいいねを押していった。
最近謎の業者やbotからDMが来る。自分は基本的にブロックはしない。明らかに中の人がいなさそうなものはスルーで、人間が動かしてそうで有害なものはマネージャーに報告している。
そんなことを考えながらTLを見ていると、映画に関する情報が出ていた。私はそのツイートをリツイートした。
「主演しふぉん」という内容が書かれていた。引用リツイートを見てみると、初めて知ったとか、かなり背が高いことについてコメントされていることに気がついた。
自分はそれらのツイートにいいねを押していった。
気づけばお腹が空いていた。自分は夜ご飯を食べ、明日に向けて寝ることにした。
目が覚めると6時だ。最近睡眠時間が長くなっている気がする。私は朝食を食べた後、期末試験を受けに高校まで向かっていった。
最近いくら寝ても眠いと感じることがある。非常に暑いからかもしれない。今年も猛暑だ。私は急いでエアコンが効いている後者の中に入っていった。
自分の席に座る。自分は登校の段階で疲れていた。教科書を開かずに眠ることにした。
「地震だ」
最初は自分が揺れているのかと思ったが、周りの会話で地面が揺れるのを感じる。すぐに治った後校内アナウンスが流れた。和歌山県で震度4の地震らしい。
「揺れたね」
周りからはそう言った反応が聞こえてくる。余震が怖いが、自分はまた眠りについた。そして、試験を受ける。今日は国語と地理だ。正直何も理解していないがなんとかなるだろうという謎の自信があった。
自分は試験を受けた後、家まで帰って行った。
そういえば来月でヘリアンサスガールズ結成から4年になる。振り返ればあっという間だった気もするし、思ったより長かった気もする。私は過去の動画を見ながら活動を振り返った。
「懐かしいな、これ」
過去のボウリング大会や四国最東端の岬、全国でのライブなど様々な過去がよみがえる。私は過去に思いを馳せた。
時というのは残酷に感じる。私はベッドに寝そべって天井を仰ぎ放心状態になった。
私は浪人しなければあと1年半で大学生だ。そこまで大学受験を心配しているというわけでもないが、やっぱり不安は存在している。私はお茶を飲み、今できることについて考えた。
そろそろ映画の公開日だ。私はそう思いながら筋トレをして、ネットで怖い話を探すことにしした。




