順和17年3月19日 2
私は、そう言って会場にあるスイッチを起動した。マリオカートが入っている。私はコントローラーを持ってきている人が貸してくれるということで私含めた4人でマリオカート8をプレイした。
「難しい」
私は意外といい成績を出していることに自分でも驚いた。4レース行ったが、私はCPU含めて1位だった。
「しふぉんさん、強いですね」
私は、ありがとうございます、と伝えた。実際マリオカートは運ゲーでもあるので、今回勝ったからといって強いと言い切れるものでもないだろう。
マリオカートは私を除いて1度に3人までしかできないのが欠点だ。私は、11人でできるゲームを提案してもらった。
「ワードウルフとかどうですか?」
人狼は私がよく分からないという理由で難しいといったあとに彼は提案する。ワードウルフなら私もわかる。
「他の方分かりますか?」
10人中4人ほどわからない人がいるようだ。私はルールを説明した。
「ゲームマスターからランダムに単語を書いた紙を渡されます。その中の2人が違う単語を持っており、残りの8人が共通です。例えば2人がフランス、残り8人がアメリカといった感じです。一人一人がお題に対する会話を行い、一定時間経過後違うお題が渡されている人を投票します。投票された人が市民だった場合人狼の勝利ですが、人狼が投票された場合、市民のお題を当てることができれば人狼の勝利になり、できなければ市民の勝利になります。人狼はお互いに誰が人狼なのかを知りません」
私はそう言った。
「実際にやった方が速いと思います」
スタッフがお題を配ってくれたので、とりあえず1回目はそれでやってみることにした。私のお題は「将棋」だった。とりあえず私から話してみることにした。
「これ難しいイメージがあるのですが……みなさんどうですか?」
みんなはうなずいていた。そこまで違うお題が渡されているわけではなさそうだ。
「これ昔やってたけど全然勝てなくてやめちゃいましたね」
ユノさんは話す。私は昔やっていたが、難しそうなイメージはある。恐らく人狼側もボードゲーム系のお題だ ろう。
「これ私ルールはわかりますけどちゃんとはやったことないです」
りっちゃんさんはそう言った。私はやったことあるが、怪訝そうな顔をしている人がいる。ただチェスや囲碁などであればやったことなくてもおかしくはないので、これだけで判断はできないだろう。
私は他の人の意見を聞いていった。
「最近プロが話題ですよね」
ある人の発言にコウヘイさんが疑問を呈していた。将棋といえばあるプロが話題になっている。おそらく違うお題だろう。
「高校生の頃アプリでよく遊んでいた覚えがあります」
「トレーニング本うちにありますよ」
「昔よく親と打ってましたね」
カイさんの発言に少し引っかかった。将棋は指すものだ。しかしながら、将棋を打つという表現をする人もいるだろう。私はグレーくらいの判断とした。
「江戸時代からプレイされていたらしいですね」
複数の意見が集まり、議論は終了となる。
「それでは、怪しいと思う人を指さしてください」
スタッフそういった。私はこうへいさんを刺した。だいたいはそう思っているようだったが、ユノさんを指している人もいた。
「コウヘイさんは……人狼です! お題を言ってください」
彼はそう言ってお題が書いてある髪を見せた。そこには「オセロ」と書いてあった。
「市民サイドのお題なんだと思います?」
スタッフはそう聞いた。彼は、少し考えたのち、将棋?と答えた。
「正解です!」
そういって私たちは将棋と書かれたお題の紙を見せた。もう一人の人狼はたくみさんらしい。
「プロと聞いて、いるのかもしれないけど話題にはなってるか?って思いましたね」
確かにオセロのプロの話はあまり聞かない。私は、反省するというよりは次やってみよう、となった。
「次のお題はこれです」
そういってスタッフはお題を配る。そこには「にんにく」と書いてあった。5分間話し始める。
「これ、みなさん好きですか? 私は好きですけどアイドルという職業柄かあまり食べれないんですよね……」
私の発言に続き、複数の発言が出てくる。
「私、これあまり好きじゃないんですよね」
「昨日食べました!」
「毎日食べてます」
「これ親がよく食べてるんですけど,私は前の人と同じくあまり好きじゃないです」
「この辺だとあまり好きな人多くないイメージです、関東だとまた違うのかもですが」
「これ食べる人の気が知れません」
「ねばねば感が苦手です」
複数の発言後、どうやら私は違うお題が来てそうだということに気が付いた。最後の発言でほぼ確信したが、おそらく相手のお題は納豆だろう。時間後、投票が行われる。
「全員で指さしてください!」
複数人で指をさす。6人が私で、4人が違う人だった。
「しふぉんさんは……人狼です! 市民のお題なんだと思いますか?」
私は、にんにくと書かれた紙を見せ、納豆だと思います、と答えた。スタッフさんは正解です、と答えた。
「最後のねばねば発言で確信しましたね」
私は素直に思ったことを話す。その人は申し訳ありませんでしたと発言していた。




