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ヘリアンサスの希望  作者: ソリング J
第3章 新型コロナウイルス発生後
242/261

順和16年12月25日

 2週間と少しばかり急テンポで行われた撮影も今日で終わった。まだ私が出ないシーンの撮影があるらしいが、私は今日で帰ることになる。正直自分でも気づいていない伏線があるかもしれないので、これに関しては上映が楽しみだ。今後も様々なイベントで色々な会場を訪れることになるかもしれないらしい。ヘリアンサスガールズの名前を全国に広げるチャンスといえるだろう。


 私は、今までのメンバーと撮影お疲れ様でした会を行うべく、6人で最初の舞台の蕎麦屋まで向かって行った。


 私以外は全員20歳以上であるが、15歳の私に配慮して誰も飲酒はしないようだった。私たちは蕎麦や天ぷらなど様々なものを頼んだ。


 食後、店の前で写真撮影を行った。ありがとうございました、と言って私たちは蕎麦屋をさっていった。


 駅前の事務所に戻る。今日で最後だ。私は、本当にありがとうございました、と言って、駅前のロータリーから出ているバスに乗り空港まで向かっていった。


 初めは長いと思った2週間もあっという間だった。忙しかったがそこまで絶望的に忙しいわけでもなく、無事に終わったことは幸いだった。私はバスの中でツイートをした。


---------------


人生初の映画撮影、大変だったけど楽しかった! そのうち発表されると思うから、このアカウントでもリツイートすると思うけど、Webサイト確認してね!


@Chiffon\_Helianthus 2022/12/25 14:43


---------------


 ツイートにはいくつかいいねがついた。疲れてしまった私はそのまま眠ってしまった。


 気づいたら空港についていた。1人で帰ることになる。


 私は飛行機に乗り、地元の空港まで到着した。懐かしい空気だ。スタッフが来ることになっている。私はそこから車で家まで送迎してもらった。スタッフは車の中で、お疲れ様でしたという声をかけてくれた。私は、ありがとうございました、と返事をした。


 疲れてしまったので私は眠ってしまった。気づいたら家の近くまで来ていた。私は車を降りて、「ありがとうございました」と言って家の中に戻って行った。


「久しぶり」


 弟は私を見て言った。私は自分の部屋に戻り、久しぶりにゲームを取り出した。


 久しぶりに他のメンバーと会える。明日は朝からレッスンだ。私は夜ご飯を食べてシャワーを浴び、少しばかり早いが眠りにつくことにした。


12/26.


 私は朝起きてスマートフォンを確認した。8時28分だ。レッスンは10時からである。私は朝ごはんを食べて歯を磨き、車が来るまで筋トレをした。


 今まで長い旅路だったが戻ってみるとあっという間だったように感じる。現実にも戻る必要があるだろう。私は高橋さんに乗せてもらってレッスン会場まで向かって行った。


 私は「お久しぶりです」を可能な限り崩した感じの言葉で挨拶した。聞き取れたかはわからないが、既に来ていたゆっかも、お久しぶりです、と言ってくれた。


「映画どうだった?」


 彼女は私に聞いた。私は、まだノーコメント、と答えた。私としては、しばらくレッスンを休んだので少しばかり心配だ。彼女は、なんとかなるよ、と伝えてくれた。


 10分後他のメンバーが来る。彼女たちは私を見て、お疲れ様と言ってくれた。


「映画どんな感じになるの?」


 やっぱり気になるようだ。私は、まだノーコメントです、と伝えた。


「まあだよね、でたらTwitterで言ってね」


 私は、わかった、と伝えた。おそらく映画宣伝用の公式Twitterも近いうちに開設されるだろう。私は、その時になったらリツイートすると思うと伝えた。


「なんでしふぉんが主人公に選ばれたんだっけ?」


 かわみんが私に聞いてきた。私は、イメージにあってるらしいから以上のことは聞いてないと話した。


「ヘリアンサスガールズ全国制覇チャンスかもね」


 かわみんはポジティブに捉えているようだった。私も楽しみではあるが少し不安もあった。


 予定の人数が集まった。しばらく非日常に囚われていたがそろそろ現実に戻らないといけないだろう。私は真面目にレッスンに取り組んで行った。


 今日のレッスンが終われば残りは1回だ。私はボイストレーニングやダンスなどの指導を受け、頑張って振り付けを覚えた。


「ブランク空いてても意外となんとかなるかも?」


 私は2週間で自分の踊りが衰えていなかったことに驚いた。レッスンが終わる。私たちは終了後も少しこの場に残って会話した。


「映画について詳しく聞きたい」


 その手のコメントが多かったが、私はあまり話せないとした上でネタバレなしのストーリーだけを話した。


「なるほどね、楽しみ」


 私としても今のところは楽しみにしていてください的なことをしか言えない。

 

「大変だった?」


 私としてはそこまで大変というわけでもなかったが、撮影のピッチはかなり急ではあったと思う。


「もしかしたら私が映る部分だけ撮って、まだ別のシーンが撮影しているかもしれない」


 私はそう伝えた。みんなは、なるほど、と言ってくれた。そろそろ解散の時刻だ。私たちは家まで帰って行った。


 雨が降りそうな天気だ。私は家の中に入り、2階まで駆け上がった。私は自分の部屋に入り、鞄を置いてTwitterを眺めた。


 Twitterを眺めながらベッドの上で横になる。レッスンで疲れているがまだ寝るわけにはいかない。私はYouTubeでお笑いを見ながらヘリアンサスの希望を書いた。


 活動も後1年と少ししかない。2024年の春に活動を終わらせる予定だ。私は、その瞬間まで全力で楽しむことに決めていた。


 私は軽くストレッチをし、残りのアイドルライフに向けて想いを馳せた。

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