表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/261

ナツアオソラ 練習

8月11日。今日だ。正直来てほしくなかった日がついにきてしまった。外を見るともう日は上っている。私は不安に駆られながら朝ご飯をゆっくりと食べた。

いつも通り髪のセット、軽い化粧をするが、どこか普段通りと違うような気がした。何が違うのか説明はできないけど、いつもの自分より生気がないような気がした。


いつも通り日課の腹筋、スクワットを10回ずつ行い、マネージャーさんがくるのを待つ。10時からレッスンということで、高橋さんは9時前にここに来ることになっている。私はTwitterを確認しながら、彼がやってくるのを待った。


予定通りの8時50分、1台の車が家の前に留まった。私は、弁当と持ち物を持って重い足取りで車に乗り込んだ。特にマネージャーさんとは何も話さずに駅前のいつものビルまで向かった。

9時25分、駅前のビルに到着する。なーなんが同タイミングで来ていた。私たちは2人で不安を吐きながらいつもの事務室まで向っていった。もうかわみんは到着していたが、なっきぃとそかかはまだ着いていないようだった。


私たちは10時になるまで、3人で歌を通して練習することにした。2人とも、歌にあまり自信はないらしい。自分だけではないと心に言い聞かせてはいたが、正直直接聞くことによってかなり安心することができた。


10分程すると、そかかとなっきぃが同時に入ってきた。レッスンが始まるまであと20分ほどある。私たちは、とりあえず1回通してみることにした。なっきぃのスマートフォンでオフボーカル音源を流し、それに合わせて5人で歌ってみた。


1回の通しが終わった後、私たちは大きくため息をついた。


「このままで大丈夫なのかな」

そかかが、4人に聞こえるように独り言を言った。みんなの前では口にしていなかっただけで、私も同じことを思っていた。残る3人も同じことを思っているようだ。


「まだ本番じゃないし、レッスンも始まってないから、たぶん大丈夫でしょ」とかわみんがフォローしてくれた。確かにまだ録音も始まっていない。その事実を再確認し、少し安堵の息が漏れた。


気づけば10時。プロデューサーと30代後半位の男性の2人が入ってきた。


「みなさん、おはようございます。今日は録音・練習となります。今回の結果でセンターが決まるとかそういうことはないので気楽に歌ってください。私の横にいる方が今回指導者となる長嶋是勧ながしまこれゆきさんです」


彼の紹介で、長嶋さんは挨拶を始めた。


「初めまして。長嶋と申します。今回『ナツアオソラ』『希望の花言葉』『道端花』の指導者を務めさせていただくことになりました。宜しくお願いします」


私たちは、こちらこそよろしくお願いします、と挨拶し、軽く自己紹介をした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ