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ヘリアンサスの希望  作者: ソリング J
第3章 新型コロナウイルス発生後
210/261

順和16年5月10日 2

 3時間目英語、4時間目音楽、5時間目情報、6時間目現代文。これらの授業も無事に受け終わり、家まで帰っていく。家でDiscordを開くと、スタッフからメッセージが届いていた。


「ヘリアンサスガールズ新企画の予定。詳細はpdfを確認してください」


 添付されていたpdfには以下のような内容が書かれていた。


「ヘリアンサスガールズ1期生、2期生のメンバーの実家があるところをめぐってゆく企画です。実家のある自治体を『県の1個下の区分(例:北海道札幌市、東京都足立区、石川県羽咋はくい郡など)』まで記入して連絡してください。ヘリアンサスガールズ初の全国を対象としたライブです。ヘリアンサスガールズの名を広げていきましょう!


※身バレの可能性が懸念される場合や、事情があり答えたくない場合は、その旨連絡いただければ柔軟に対応しますのでよろしくお願いします。」


 私は、父親の実家である神奈川県横浜市と、母親の実家がある東京都……何区だったっけ。私は、母親にLINEを送り、企画の内容を説明して、東京の何区に実家があるか聞いてみた。


「品川区!」


 母は返事をする。私はそれを記入し、DMでマネージャーさんに送信した。


 実際、どのような形でライブが行われるのかはわからない。実際に行けるかも感染状況次第では不明だ。それでも、色々な場所に行けるのが楽しみだった。


 横浜で行うのであればなっきぃが顔出しする可能性もあるかもしれない。私はそんなことを何となく考えていた。


 2022年度内にはすべてめぐりたいくらいの目安のようだ。3月になるかもしれないが、それはそれでいいだろう。


 私は、なんとなく青葉区に行くことを想像していた。


 実際、青葉区ではない可能性もある。そもそも「横浜市」としか書いてないので全く違うところになる可能性もあるだろう。横浜でヘリアンサスガールズはどう受け入れられるのか楽しみだった。


 今日はもう何もないが、今後だんだんと忙しくなっていく。そんな重い気持ちを胸の片隅に、私は寝巻に着替えた。


 非常に眠いが、今寝ると怖い夢を見る気がするので、私はカバンから宿題のプリントを取り出して手に付けた。


 数学はまだそこまで難しくはなく何とかなっているが、古文や世界史がかなりまずい状況になっている。私は世界史のテキストを開き、プリントの穴埋めを行っていった。正直、片仮名が多すぎて訳が分からなくなっているのが現状だ。赤点じゃなければよいといった思考回路に陥っていた。


 私は課題を終わらせた。その刹那、睡魔が大風のように脳内に訪れる。私は椅子に座ったまま寝てしまった。



 目が覚めると20時になっていた。かなりお腹がすいている。私は1階まで下りていき夜ご飯のカレーを食べた。昔は辛い物がそこまで好きではなかったが、今はかなり好きと言えるくらいにまではなっていた。


「紫保ってさ、大学はどうするの?」


 親がスマートフォンを見ながら話しかけてくる。まだどこの大学に行きたいかは決まっていなかった。親は話す。


「関東の、実家から通える場所ってどう?」


 自分が何となく考えていたことを親にも話された。実際、関東の方が通いやすい大学も多いだろう。


「こことかどう?」


 そういって、母親は大学のリンクを送ってきた。東京の方にある理系の国立大学のようだった。聞いたことがない学校名だ。


「でも、国立って受験に国語必要なんじゃないの?」


 私は素直に思ったことを聞いてみる。母親は、理系で国語がいるのは確か東大・京大・名古屋大学の一部だけで、ここでは必要ないはず、と教えてくれた。


 大学名で検索をかけてみると、思ったより偏差値が高くて驚いた。正直今のままでは無理なきしかしない。それでも、まだ3年ほど時間はあるので、第一目標とするくらいならいいのかもしれないと考えた。自分が志望校を決めたのはこれがきっかけだった。


 宿題をやっていると23時になっていたので、私は布団に入り再び眠りについた。



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