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部活 5 & 漫画


気まずい空気が私の周りに漂う。重い雰囲気の中、合奏は私を知らないかのように終わった。帰りのミーティングが行われている間、私の頭の中はあの失敗の件でいっぱいだった。


上履きから革靴に履き替えるとき、亮太くんがちょうどやってきた。彼は小学校のころからクラリネットを演奏している。彼はまるで悩みが全くないような表情をしていた。彼はいつも通りの笑顔で「あ、しふぉんだ、お疲れ」と挨拶してくれた。


私の「しふぉん」というあだ名は男女問わず認識されている。私は別にシフォンケーキが好きとかいうわけではないが、語感がかわいくて覚えやすいので意外と気に入っている。


遅れて万咲ちゃん、真鈴ちゃん、大翔くんもやってきた。私はミスを責められたことも、引っ張りすぎて落ち込んもしょうがない、と思っていた。いつも通り明るい態度で、この4人と駅まで向かった。


私は、アイドルの件について色々な質問責めにあった。どうして隠していたのか?他のメンバーはどんな子なのか?大変なのか?歌は出すのか?部活の活動はできるのか?など、枚挙にいとまがない。

隠していたのはいうタイミングを逃していたから、という感じで一応全部説明はしたが、正直こんな大変なことになるなら早めに行っておけばよかったとも思った。


亮太くんと万咲ちゃんと私の3人で電車に乗る。私がA野駅で降りるまで質問は続いた。電車に張ってある宙づり広告を見て、あれは誰なのか?次の公演会はいつなのか?と聞かれ続けた。


そんな時間も15分ほどで終わった。A野駅で降りれば、もう質問の嵐を浴びる必要はない。私はバスに揺られながら、家まで帰った。バスの中には、電車の中にあったような広告はなかった。


家は冷房が効いて居らず、非常に暑かった。私はリビングの冷房を付けて、シャワーを浴び、昼ご飯を食べた。食後Lineを確認すると、ヘリアンサスガールズのグループで、今日部活オフのなっきぃとかわみんが雑談していた。会話はリアルタイムで行われている。どうやら、最近はまっている漫画についての話だったようだ。


私が今読んでいる漫画はラーキングソウルだけだ。ラーキングソウル面白いよ、と発言したが、2人はその漫画を知らないようだだった。


話を読む限り、2人は「ラスト・ラベンダー」という漫画が好きなようだ。アイドルを結成している美青年6人が、7人目のメンバーを探して世界を旅する物語。フランス語で「7つ目のラベンダー」を意味する「セッティエーム・ラヴァンド(Septième lavande)」というアイドルグループの話らしい。私は面白そうと思ったが、複数タスクを立てるとどっちも中途半端に終わってしまうので、とりあえずは今刊行されている、ラーキングソウル14巻を完読するまでは買わないことにした。


そういえば、ラーキングソウルはまだ1巻しか買っていなかった。私は漫画を買うとき、期待外れを恐れて第1巻しか買わないことが多い。しかし、今回は期待以上の作品だったので、古本屋であるだけ買おうと決めていた。


私は漫画を買いに、家から自転車で20分ほどの古本屋へと向かっていった。漫画自体は数年前から、だいたい3か月に1冊のペースで刊行されているので、6巻目くらいまではもう古本扱いで売られていた。あまり知名度がある漫画というわけではない(が、コアなファンはそれなりにいるらしい)ので、割りと安い。540円で6巻までの5冊を購入することができた。


ラスト・ラベンダーは買わないとは言ったが、正直少し気になってはいた。本屋に第1巻だけあったので、思わず立ち読みしてしまった。確かに面白そうではあったが、まあ今読んでるのを読み終えてからでもいいや、と思ったので、買いはしなかった。


私は、リュックサックの中に漫画5冊を詰めて、家で読むのを楽しみにしながら自転車を全速力でこいだ。


私は家に帰り、シャワーをもう1回浴びた。その後、自分の部屋に入り、鞄の中から漫画を取り出して読み進めていった。


ストーリーが複雑でなく、1冊がだいたい150ページとそこまで多すぎはしないので、4時間強で2巻と3巻を読み終えた。ストレッチをして窓の外を見ると、まだ外は暗くはないが、日が沈もうとしているのが見えた。


ちょうど母親が帰ってきた。私はそのことをそこまで気にせず、漫画を読み進めていった。


19時半。母親が、夜ご飯ができた、と私を呼んだ。下の階に降りる。夕食はハンバーグと味噌汁、野菜と白米だった。私は15分で食べ、その後お風呂に入り、漫画を読むために部屋に戻っていった。


4巻目、5巻目と順調に読み進めていくと、5巻目を読み終えたところでもう時間は23時を回っていた。


私はこのタイミングで、明日の10時から自己紹介の動画があることを思い出した。準備の時間とかを考えると、睡眠時間が削られていく。私は、ラーキングソウルの漫画を読んでいるところをTwitterに投稿し、歯を磨いて眠りに着いた。



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