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ヘリアンサスの希望  作者: ソリング J
第3章 新型コロナウイルス発生後
178/261

順和15年11月6日 1

 2021年11月4日付で、なっきぃの長期脱退が公式サイトで発表された。


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タイトル:ご報告がございます


 ヘリアンサスガールズを応援してくださっている皆さまにお知らせがございます。高校進学のための受験勉強のために2022年の3月まで活動を一時停止していたメンバーの前田夏樹なっきぃにつきまして、先日「家庭の事情により、2022年3月に戻ることができなくなってしまった」という連絡がありました。


 本人曰く、「高校卒業後はここに戻りたいと思っている」とのことでした。急な連絡ではありますが、2022年になっきぃが復帰することはないということを報告させていただきます。なお、卒業ではなく活動一時停止という扱いは変わりません。


 以下、前田夏樹なっきぃのメッセージを掲載いたします。


 みなさん、こんにちは。なっきぃです。


 先日「ヘリアンサスってどんな花?」でも発表させていただいた通り、親の転勤の関係上で2022年にここに戻るという夢はかなわなくなってしまいました。


 高校卒業後ここに戻ってくることができれば、また活動を再開することを楽しみにしております。そのまま進めば3年後です。


 今までのみなさんとの思い出や、ライブでサイリウムを振ってくれたこと、誕生日にお祝いしてくれたこと。これはすべて脳内に鮮明に焼き付いています。決して忘れることはありません。


 4月から、私は新しい世界に移動することになります。ですが、心配しないでください。これが永遠の別れだとは思っていませんし、私は向こうでも楽しくやっていくつもりです。


 今までありがとうございました。そして、繰り返しにはなりますが、戻ってくることができた暁には、また活動を全力で楽しみたいと考えています。


 急な報告で申し訳ありませんでした。最後に、これからもヘリアンサスガールズの活動を応援してくださるとうれしいです。


(2021年11月4日 10:36)


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 そして、本人の公式Twitterにおいてもこれと同じ内容が記されたツイートがなされていた。Twitterアカウント(@Natsuki\_Helianthus)は使わないが消さない予定らしい。私は、発表当日の12時11分に、ありがとうございました、とそのツイートに対してリプライを送っておいていた。


 彼女とは2年3か月の間だが忘れられない思い出となった。彼女には、思い通り向こうでも楽しい日々を送ってほしいと思っている。


 今日の午後はとある商店街で投げ銭ライブが行われる。私は、そのためいつもの駅前のビルまで来ていた。


 基本的にヘリアンサスガールズにおいては屋外でのライブは、夏場は行われない。目安としては、最高気温が20度を切るかどうかで決まっているようだった。今日の最高気温は16.6度。暑くも寒くもない平均的な温度だといえるだろう。


 私は、他の人が来るまで部屋の中で待機していた。


 ライブの時間はだいたい1時間弱だ。他にも参加するグループが複数存在している(NEWAWAも来るらしい)。最近NEWAWAにあまり会えていなかったので楽しみだ。


 他のメンバーが来たのち、私たち(れんれん、そかか、なっきぃを除く6人)は衣装に着替えてライブ会場まで向かっていった。


 自分の場合、高校受験で活動を途切れさせることなくアイドル活動を行えることに関しては中高一貫校でよかったと思っている。高校受験というと大変というイメージだ。


 私個人的に、平常点の制度よりも試験一発で決まった方が肌に合いやすいと思っている。先生もその方針のようだが賛否はあるようだった。


 内心点というものがそもそも自分に会っていないように感じている。その意味で言えば、中学受験して正解だったと感じている。


 30分後、ライブ会場までたどり着いた。私たちは待機スペースに入っていった。


 今回の屋外ライブでは自分含め5グループが披露し、私たちは3番目だ。1グループあたりの時間は25分であり、クールタイムが5分とられている。NEWAWAはその1個後となる。とりあえず私たちは最後の練習を行った。


 口パクがうわさされているアイドルグループも登板するようだが私たちはちゃんと歌っている。そのため歌詞を間違えてしまうこともあるだろう。間違えないに越したことはないものの、間違えたところで「口パクじゃない」という評判になると考えればそこまでネガティブになる必要もないのかもしれない。


 私たちが練習を終えるとすぐ本番の時間がやって来る。私たちは6人で舞台の上に出た。


「今回はヘリアンザスガールズの番です! 今回歌う曲は4つです。ぜひ覚えて帰ってください!」


「1曲目、タイムマシン!」


 今回のMCであるまりりんはそう言った。そして、私たちは1曲目を歌った。


 タイムマシンも発表されてから2年の月日が経過している。当時に戻りたいと思うこともなくはない。当時はアイドル活動を始めてまだ3ヶ月のタイミングだった。


 タイムマシンは恐らく不可能だろう(可能かもしれないが、少なくとも今の技術では作れないだろう)。過去に戻ることはできない。


「過去に戻ってやり直す」が目的ならばタイムマシンも役に立たないかもしれない。タイムマシンは時空間を戻れるだけであり、当時の自分の立場になることはできないのだ。


 私は歌い終わった後そんなことを考えていた。次の曲は「ナツアオソラ」だ。私たちは、軽快なリズムに乗って歌っていった。


「未来 晴れ空にこの思い高く上げ 僕ら空へ行く」

 

 私たちは観客さんの方を見ながら全力で歌っていった。カメラで撮影している人もいる。私たちは、歌い終わった後自己紹介を始めた。





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