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ヘリアンサスの希望  作者: ソリング J
第3章 新型コロナウイルス発生後
171/261

順和15年8月15日 3


私たちは、それでも真面目に歌っていった。歌い終わった後、観客からアンコールの歓声が入る。それにこたえて、れんれんは、


「ナツアオソラ合唱です! 前に歌詞が表示されるので、自信のない方も歌ってみてください!」


と話した。いつもより陽気にアレンジされた曲が流れる。私たちは、観客と一緒に歌っていった。歌ってない人もいるのかもしれないが、それでも人数が多いぶん感動を揺さぶってくれるのは間違いないだろう。


ライブはここで終わりだが、この後撮影会が行われる。半年ほど前まではれんれんが来てくれていたが今はここにいるので来ることはできない。れんれん推しという人もいるようだ。


私は、リュウヘイさん含めた数人と写真を撮影した。ここでライブは終わりとなる。私たちは、いつものレッスン会場まで向かい、そこから家へと帰っていった。


アイドル活動は確かに忙しいが、幼稚園に入ったころからあこがれ続けてきた道だ。当時の自分がどれだけ本気で言っていたのかはわからない。言っていくうちに徐々に本気になっていったパターンなのかもしれない。少なくとも、小学5年生になったときには、自分の中では割と本気だったと考えている。


本気でなければ何度もオーディションに応募するはずはないだろう。三つ子の魂百までではないが、人間はなかなか変わらないものだと実感している。正直、夢が叶って2年がたつ。過去の自分を裏切らないように今後も活動を続けていけたらいいなと考えているところだ。


親が夜ご飯を出してくれた。私は好みの唐辛子とネギを振りかけて素麺を食べた。



 今まではLINEで活動の連絡を行っていたが、最近になってDiscordを利用するという連絡が届いた。Discordは、LINEとは異なり、「後から来た人が、その人が来る前の書き込みを見ることができる」「チャンネルを複数作ることができ、会話が分断されにくい」「複数グループでボイス通話を行うことができる」のが強みだといえる。


 ヘリアンサスガールズのサーバーにはいくつかテキストチャンネルが存在する。「このボールペンかきやすい」といった雑談のような内容から、今日のライブの感想までさまざまなことが書き込まれていた。


 私はボイス通話に入ってみた。なっきぃが今日初めて来てくれた拓也さんのことについて話していた。聞いた話だが彼は後日ライブレポートを書く予定らしい。私たちはそんなたわいもないことを色々話せる関係だ。


 グループ内での分断やいじめがないことはヘリアンサスガールズの強みと言える。私はここにきて本当に良かったと思えるようになっていた。

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