順和13年9月9日 3
私は手元にある手鏡を覗き込んだ。自分を希望にしてくれている人はいるのだろうか。鏡は相変わらず自分の姿だけを映している。何回同じことを聞いてみても、当然だが何も答えてくれなかった。
私は私服に着替えて家を出て、近所の公園にあるベンチに腰掛けた。少しばかり風が強いが、それが心地よいとも感じる程度ではあった。そして青空にぷかぷか浮かぶ雲と空を飛ぶ鳥を何も考えずに眺めていた。
目の前の公園では小学生たちがボールをけって遊んでいる。2年前だがあの頃に戻りたいと思わなくもない。でも、今はいまで幸せなんじゃないかなと思っていた。正直、「昔が良かった」という言葉は「時代の流れについていけなくなった」という意味だと思っている。
私自身、過去の行いで後悔していることはあまりない(というか、思い付く範囲では一つもない)。多くの場合、選択した方が正しかったのではないかと思っている。「ああしてればよかったかもしれない」と思うことは存在するが、実際は「そうしていた自分は自分で『やっぱりああしてればよかった』と思う」と思っていると思う。そう考えると、他の世界線は見えない以上は自分の選択が正しいと考えている。
私はベンチに座ってこれまでの13年半を振り返っていた。
少し空想に耽ったのち、私は歩いて家まで戻っていった。ずっと続くものなど何もないだろう。私はそんなことを考えていた。
私は家に帰ってシャワーを浴びた。その後自分の部屋に戻っていった。
今日はレッスンはない。私は特にしたいと思っていることもないので、昔書こうとなんとなく思っていた小説風の文章を書き続けることに決めた。
私はWordを立ち上げた。今のところ、タイトルは決めていない。ファイル名は「小説.docx」としているが、実際には文章は小説風ではあるものの内容はノンフィクションとなっている。正直、読んでいて面白いかと言われれば分からない。
しかし、自分の過去の活動を小説風の文章で書くことは文章を書くいい訓練になるんじゃないかと思わなくもない。過去の活動を客観的に振り返ることが出来ればと思って書いている。今のところ3000文字書いている。Wordのページ数に換算して約3ページだ。最終的に物販で配布できることを目標に私は文章を書き続けていった。
私は文章を書いていると親に夜ご飯を呼ばれたので1階へと向かっていった。




