表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヘリアンサスの希望  作者: ソリング J
第3章 新型コロナウイルス発生後
145/261

順和14年8月16日 5


「ありがとう、じゃあ書いたらLINEおくるからまってて」


 私は、みんなにありがとう、と伝えた。気づいたら昼ご飯の時間が終わっていた。私は、それぞれ各自の場所に戻っていった。


 ファンの方にも何となくこのことを話そうと思っている。ただ、過度に期待させるわけにはいかない。「何となく考えている」「計画段階であり、うまくいくかはわからない」ことは前提になってしまうのは仕方ないだろう。それでも、ファンが私の考えについてどう思っているのか知っておきたい感はある。


 そして次のくじ引きが行われる。結果は以下のようになった。くじには一切仕込みなど入れていない。純粋にくじびきでこうなったというだけだ。



私   :れんれんさん、サツキさん、ケンちゃんさん、レイさん

かわみん:リュウヘイさん、宮下さん、ひろきさん、かきKさん

なっきぃ:まつひろさん、ASKさん、圭さん、ともさん

そかか :丐さん、ゆうたさん、ともきさん、康平さん

なーなん:Jさん、ハッシさん、ひぃたんさん、ゆきさん



 私たちは、それぞれの場所に集まっていった。


「れんれんさん、3連続同じですね」


 私は思わず笑ってしまう。くじにイカサマはない。れんれんさんも、私のくじをスナイプして引いたりはしていないといっていた。他にも、サツキさんは2連続だし、ケンちゃんさんは1回離れて連続だ。きちんと計算はしていないが、割と被るものなのだろうか、という印象だった。


「レイさん、初めましてー」


 私は彼に挨拶を行う。彼は、30代後半で爽やかながらどこか渋そうな印象を与える風貌をしている外見通りの低い声で「よろしくお願いします」と言ってくれた。


 3人はここまでに当たったことがあると、私は彼に伝えた。彼は、なかなかない確率ですよね、と言ってくれた。


 私たちは各自ボールを持って、ボウリングを始めていった。


 実際、ボウリング大会という名目はあるものの雑談も多い。空いている時間に色々喋りながらボウリングを楽しもうみたいな企画の印象だ。だが、ボウリングガチ勢でない私にとっては、その方が楽しいと感じていた。


「何となく考えていることがあるんですけど、話していいですか?」


 私は4人に聞いてみる。4人とも、気になるといった風のリアクションを取ってくれた。私は、アイドル活動を小説っぽく書きたいと思っているという構想について話した。


「面白そう!」


 れんれんさんはいちはやく反応してくれた。他の3人も、気になる、と言ってくれた。私は正直なところ、ただの構想でしかない、実際のところはまだ1文字も書いていないということも話した。


「実際の所記憶と違うところがあるかもしれないので、もしかしたらツイッター・ブログとか、YouTubeの動画を見て思い出しながら文章を書くこともあり得るかもしれません。


 とりあえず完成したらTwitterでも話そうかなと思うので、それまで楽しみにしててください! そのうち物販でも配布出来たらなとかも思ってます!」


 4人は、わかった、楽しみにしておくといった反応だ。私は、話してよかった、と思った。


 私は話すべきことを話し終えたので、ボウリングに集中した。その間に、レイさんやれんれんさんに、私が投げているところの写真・動画をいくつか撮ってもらっていた。


「すみません、その撮っている写真、Twitterやってたら、後ででいいので、『\#ヘリアンサスガールズ』か『\#鈴木紫保』で投稿してもらえませんか?」


 彼・彼女は、わかりました、と言ってくれた。もしかしたらブログにあげるかもしれないといっていた。Twitterのリンクを書く欄にブログのアドレスが載っているらしい。私は、家に帰った後で見てみようとなった。


 私は自分の番が回ってきたので、13ポンドのボールを持って勢いよく投げた。正直、周りの人よりボールの勢いが強い気がする。


「昔筋トレやってたってTwitterで言ってましたけど、その効果なんですかね?」


 れんれんさんが昔のtweetについて言及してきた。正直、私は結構Twitterを見ている。「ヘリアンサスガールズ」や「鈴木紫保」でエゴサもそこそこ行っており、それらのtweetに対して「いいね」を送ることもある程度だった。


 去年の8月にTwitterを開始してちょうど1年になるが、もう1200もTweet, Retweetをしていた。アイドル活動を始める前に個人用に持っていたアカウントでは半年で100ツイート弱だったので、見事にTwitterにはまってしまったといっていいだろう。


 基本的にTwitterは毎日見ている。いわゆる「ツイ廃」 (Twitter廃人)と言えるほどではないが、グループの中では実際1番見ている程度だ。ツイッターにおいては日々ざまざまなニュースや情報が流れてきているので、日々の情報を確認するためには欠かせないツールだと言う認識になっていた。


 実際、Twitterは必要だと思う。それなしで現在の社会の動向や起こった事件を得ることは困難・手間がかかると言う認識になっていた。


 色々話をしていると、時間が光のように早く過ぎ去っていくように感じる。そこまで大した話はしておらず、実際は単なる雑談程度だ。しかし、私は、そこまで長く話せない普段の物販に比べ、長い時間複数人で話せるこのイベントを計画してくれた運営に感謝していた。


 ボウリング大会という名目ではあるが、実際ボウリングに関する話はあまりしていない。話のネタがなくなってきたときにボールの重さや投げ方について話す程度だった。


「俺は自粛期間中にヘリアンサスガールズを知って、今回が初めてのイベント参加なんですけど、やっぱりしふぉんさんって身長高いんですね」


 レイさんは私に話しかけた。


 ヘリアンサスガールズを知るきっかけは、「そういえば、2年前に流行した芸人のアカギリかつよしって今何してるんだろう?」と調べた結果たどり着くというパターンが非常に多いようである。特に、地元の人でない方が私たちのことを知るきっかけは8割近くがそれであるといっても過言ではない。


 1割ちょいは、ラストラベンダーの漫画から知ったという勢力だ。この2つの勢力で全体の99パーセントを占めるといっていいはずだ。


 あとは調べ物中に偶然知ったということもあるようだが、多くの場合は上に記した2つがきっかけらしいという情報を得ている。とにかく、知ってくださっていることには非常に感謝しなければならないだろう。


 私はTwitterにおいて結構な頻度で自分の身長をネタにしている。少し高い程度(162~167)の場合だと「女子だったらもうちょっと低かった方がよかった」と思っていたかもしれないが、私は昔からクラスの中で(男子も含めて)1番身長が高かった。正直、ここで止まって欲しくないと思っている。


 今の身長は正確には測っていないが、175cm弱くらいだと思う。公式ウェブサイトのプロフィール欄においては173cmと記されているが、他のメンバーより10~20cmほど高い数字をたたき出しているので目に留まりやすいのだと思われる。


 正直、身長に関して言及されること自体は嫌ではない(高いですね、みたいなことを言われるのは気にしていない)。もちろん、私に向かって「低身長の方が可愛い」とか「高身長はなんか嫌だ」みたいなことを言われるのは(特に前者の「可愛い」は個人の感想であり、持ってはいけない印象だとは言い切れないが)勘弁してほしいと思っているが……。しかし、そもそも私自身には「可愛い」路線より「クール」路線を目指している感があるので、前者のようなコメントに関しては気にならなくなっていた。


 私は、レイさんに「もっと身長高くなりたいと思っている」という趣旨のことを言った。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ