表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヘリアンサスの希望  作者: ソリング J
初披露以降
122/261

順和13年12月22日 3


 そして14時が訪れる。オープニングテーマである「希望の花言葉」のイントロが流れ、その後に自己紹介、そしてTwitter・コメント欄(前に置かれてあるプロジェクターに表示される)を読み上げながら雑談となる。

 

 私たちとしても、何となく喋ってればいいだけだから楽だ。多くの人は、このラジオを聴きながら何か作業しているだろう。そこまで気負わずに私たちは自己紹介を行った。特に自己紹介のフォームがあるわけでもないので、適当と言っては良くないがそこまで本気で話すつもりでもなかった。

 

 「みなさんこんにちは、しふぉんこと鈴木紫保です。最近好きな食べ物はうどん・そば・ラーメンです!」

 「笠山爽花、そかかです! 最近は楽器演奏にはまっています!」

 「なっきぃこと前田夏樹、先日ベリージェリーの握手会に行ってきました!」

 「かわみんです! 数学の授業についていけなくなっています」

 「なーなんです! 最近寒すぎてふるえてます」

 

 5人はそれぞれ自己紹介の後に近況報告を行った。その後、私たちは今回のテーマについて話し始めた。

 

 「今回のテーマは、『生まれ変わるなら男がいいか? 女がいいか?』というテーマです。話の流れ次第では全く違う内容に変わってしまうかもしれませんが、気軽に聞いてくれればと思っています!」

 

 ラジオを聞いてくれている人は90人程度いる。コメントも頻繁にではないものの、話しやすい程度で投稿されているようだった(前のスクリーンに表示される)。Twitterもそこまで頻繁ではないものの呟かれているようで、話がやりやすそうで私たちは安心した。

 

 スクリーンは2窓体制になっていて、片方でTwitterが、もう片方でYouTubeのコメントが見えるようになっている。なお、下ネタが入るようなものや暴言・誹謗中傷が含まれるTweet・コメントは表示されない仕様になっている(設定済み)ので、そこの心配はいらないようだ。

 

 私は下ネタに耐性はあるものの、言われるのははっきりって嫌いだ。複数理由があるが、ひとつを単刀直入に言えば、どう反応すればいいのかわからないからだ。人に対して「下ネタを話すな」と言いたいわけではなく、「私に下ネタを振るな」というのが私の思いだ。

 

 早速、私たちはひとつのtweetを読み上げた。

 

 「僕は生まれ変わったら女子になってファッションとか楽しみたいです #ヘリアンサスってどんな花」

 

 そして、私はこれについて反応した。

 

 「女子のファッションは選択肢が多すぎて、あまり興味がない私みたいな人間には結構きついものがあります……」

 

 なっきぃは「それはしふぉんに女子力がないだけでしょ」と煽り返す。私たちは思わず笑ってしまった。

 

 コメント欄には複数コメントが来ている。全体的に見た感じ、生まれ変わるなら女子になりたいという人が多いようだ。その中でも、「女子は大変そうだから来世も男子がいい」というコメントもあった。

 

 人間関係については何とも言えない。女子の人間関係について、よく「いなくなった瞬間にその人の悪口を言う」みたいな紹介のされ方をすることがある。実際、私のクラスにもそのような集団は存在するのだが、私ははっきり言ってそういうのは嫌いだし、そんな集団とはかかわりたくないと思っている。

 

 しかし、今の私は幸いにもそのようなグループに所属していない。元吹部仲間の4人、そして小学校同期の女子は決してそんな陰湿なことはしないのだ。私は、そのグループに属していると認識していた。

 

 「私の周りではあまり陰湿ってことはないんですけど、確かにそういうグループもありますよね」

 

 かわみんは話す。私たち4人はそれに賛同した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ