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ヘリアンサスの希望  作者: ソリング J
初披露以降
114/261

順和13年11月17日 7

 「7つ目のラベンダーが咲いて夏がやってくる 僕らの夏が」


 観客からは、おー、という声が聞こえてきた。私たちのメンバーの名前と歌詞が見事にかみ合っており私は感動した。それと同時に、みんなにこの感動を届けたいとも思っていた。


 「どんな明日 待っていても ふたり 超えて強くなる」


 私たちはタイムマシンを歌い終えた。観客から拍手が聞こえてくる。そして、アンコールの声が聞こえてきた。


 「それではアンコール、ナツアオソラの合唱です! 前に歌詞を出すので、みなさんも恥ずかしがらずに歌ってください!」


 そかかがそういうと、音源が流れてきた。どういうわけか、合唱用の音源はオーケストラアレンジになっている。私は、みんなの前で歌い続けた。


 観客もノリノリで歌ってくれている。正直、全部の曲の合唱バージョンがあってもいいんじゃないかと思えるほどだ。私は、時間を忘れて最後まで歌い切った。


 私はいつも通りの調子でナツアオソラを歌い終えた。観客からは拍手・アンコールが聞こえる。


 「申し訳ありませんが、もうアンコールはありません。物販やってますので、良かったら来てください!」


 そかかが話す。会場からはもう一度拍手が響き渡る。私たちは、ありがとうございました、と伝えて舞台を降りた。

 

 次は物販が行われる。タオル40枚とCD40枚を売ることになっている。撮影会も行われる予定だ。私は、一人一人対応していった。


 僕っ娘と言うこともあり、私の中で印象に残っていた早川蓮花ちゃんが来てくれているようだった。 ヘリアンサスガールズにいれば、間違いなく人気になっていただろうという明るさとキャラを兼ね備えている子だ。どうして彼女が落ちたのか、私にはわからないほどだった。


 彼女は相変わらず、一人称に僕を使っている。本人曰く、「アニメの影響がまだ取れない」とのことだ。彼女は撮影会のチケットを提示してきた。私たちは、二人で写真を撮った。


 ヘリアンサスガールズのような、知名度が高くないアイドルにおいて女子ファンというのは珍しい気がする。私は、2期生のオーディションがあったらまた受けてくださいね、と彼女に伝えた。


 前回来てくれたリュウヘイさんは、Twitter上で「サークル活動のせいでライブ行けないのが残念」といった旨の発言をしていた。来てほしいとは思う物の、事情があり来れないなら仕方ないだろう。私は、次回は来てほしい、と思っていた。

 

  今回は列もあまり並んでおらず、比較的すぐに並んでいる人がいなくなったどうやら、他のメンバーもあまり売れていないようだった。


  少しばかり時間が早いが、もう誰もいないようだったので、私たちは楽屋へと戻っていった。


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