N国
日本のある県が、唐突に「N国」として独立した。
どうやらそこでは恐怖政治が行われているらしい。
拷問、奴隷、麻薬、何でもありだと聞いた。
まずは拷問。
その国ではありとあらゆる拷問が行われる。
正座した状態で動けないよう縛り上げられた人間の上に、積んでいく。
石なんて優しい代物じゃない。
猫だ。
正座して動けないよう縛り上げた人の膝の上に、猫を積んでいくのだ。
「あぁ〜!やめろ〜!!」
上がる悲鳴。
その膝には猫が丸まって寝ている。
なんて拷問だ。
どんなに足が痺れてもこれでは動けない。
しかも縛られているので触る事もできない。
「どうした?!もう根を上げるのか?!」
「くそ!!」
「クククッ。そんなお前にプレゼントだ。」
「!!……や!やめろ!!それだけは!それだけは……っ!!」
非情にもそこに追加される……子猫。
数匹の元気のいい子猫たちが、ニィニィ鳴きながら縛られた人に群がる。
体をキャットタワーの様に登られ、好き放題される。
「ああああぁぁぁ〜っ!!」
こんな拷問に耐えられる人間がいるだろうか……。
大抵の人間は、言いがかりのようにつけられた罪を認めてしまう。
そして拷問によって罪を認めてしまうと、刑罰として奴隷化される。
「ほら!キビキビ働け!!猫様の為に!!」
「く、クソ……。」
奴隷化された人々は、24時間、365日、休み無く働かされる。
猫が気持ちよく過ごせるようメイドの様に世話をさせられ、猫の為に新しい部屋や建物を作り、新鮮で美味しい食事を提供する為、狩りや漁をし、養殖や牧場で働かされる。
その現場は常に多くの猫たちに見張られ、反抗する者はまた拷問を受ける事になる。
奴隷以外の人間は、麻薬によって支配されている。
今日も血を吐くような激務を終えた人々が、死んだ目をしてぞろぞろと集まってくる。
「た、頼む!!吸わせてくれ!!」
「吸わなければ死んでしまう!!」
「早く!!頼むから吸わせてくれ!!」
ゾンビのように群がる人々。
そして猫の腹に顔を埋め、スーハーと吸う。
その恍惚とした表情とは裏腹に猫の方は無表情だ。
あまりに執拗いと、猫パンチを喰らうというご褒美付きだ。
なんと恐ろしいのだ、N国……。
N国は猫によって人々が支配されている。
そんな恐怖政治が繰り広げられるN国だが、密入国者が後を絶たない。
密入国者は当然捕らえられ、拷問を受ける。
そして奴隷化されるのだ。
かくいう私も今、N国に向かっている。
早く拷問を受けたい……。
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(*猫の日おめでとう*)