hotcoffee
いつのものかもわからない
ストーブの上
泡立ったお湯
くたびれた粉
スプーン
マグカップ
口をつけず
一時間
冷たく
ほのかにぬるく
とっては
指先をはじいて
残った染みは
妙に粒があり
そこだけ溶けきらず
飲み込まれもせず
温め直しも
淹れ直しも
考えることなど
できなくて
昇っていく日
落ちていく陽
めくる紙
過ぎていく
吐き出される二酸化炭素
フィルタの向こうに逃げられない
最初のひとしずくも
最後のひとしずくも
すくってみれば違うけれど
混ぜれば同じ
苦みしかない
おひさしぶりですね。
ありがとうございました。