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Physique  作者: 千原文則
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新しい自分

「やったー、ベンチプレス100kg上がった」

涼太が、ベンチ台で叫ぶ。千葉県県内の24時間ジムで、トレーニングしている。

「やったーね、凄いな」

ジム友の賢一が拍手する。涼太が筋トレ始めて、約2年が経過している。

「筋トレ、楽しい〰️。重量が伸びると嬉しいね」

「涼太はいいな~、重量伸びてさ。俺は、イマイチ、伸びないんだけど、なんでかな?」

「フォームと練習量が足りないんじゃないかな。賢一はいつも10回3セットしかしないから」

「涼太はフォーム、どこで習得したの」

「月1回パーソナルトレーニングに通ってるから、そこで教えてもらった」

「じゃ、俺に教えてよ。フォーム」

「いいよ」

涼太は、ベンチに横になり、バーベル握る迄の過程を賢一に解説して行く。

2時間トレーニングして、涼太と賢一はジムを後にする。


ジム近くの銭湯で2人はサウナに入っている。

「涼太は、筋トレして、何になりたいの」

賢一が、サウナに入るなり聞いてくる。

「スマートなボディになりたいって。それが筋トレ始めた理由。高校の時みたいなスマートなボディ。大人になったら、だらしない身体になったから」

サウナであぐらをかきながら、涼太が答える。

「そうだよね、社会人になると、運動しないもんね。自分もお腹周りが、でたもんね。ホント、高校時代の身体に戻りたいよ」

「筋トレしてさ、自分、身体が少し変わって来たよ。お腹は少し出てるけど、胸とか、腕が大きくなってさ、余りお腹周り目立たくなった」

「そうかもね。バランスが取れてるね、マジかっこいい」

「自分も涼太みたいになりたいけど、なれるかな」

「なれる。やり方次第だよ。俺もまだまだだから、人の事言えないけど」

「やり方か、取り敢えずセット数上げてみるね。3セットを4セットに」

「そろそろ、冷そう。熱くてたまらない」

涼太と賢一はサウナを出て水風呂に入り、外気浴をし始める。その後、2回サウナをしてから、涼太と賢一はスーパー銭湯を出た。


都内、渋谷のレンタルジムで、涼太がパーソナルトレーニングを受けている。

「ナイス、ベンチ。フォームも良くなってるね。この調子で頑張ろう」

パーソナルトレーナーの大地が、重りを付け替えながら言う。

「なんか、いい身体になるのが目標だったけど、なんとなく今それに近づけてる気がして、なんか」

歯切れ悪そうに、涼太が打ち明ける。大地は、重りをバーベルにしっかり差し込み、振り返る。

「ウ~ン、確かに身体変わってきてるけど、まだいい身体じゃないな。もっとトレーニングして、ホントにいい身体になろうよ」

「具体的な目標がないと、なんか曖昧過ぎて、なんか気合いが乗らない」

「じゃ、大会目指してみますか」

「大会って、何の」

「フィジークの大会なんかどう」

「フィジークって、バリバリ腹筋割れてる奴ですよね」

「そうだよ。今から1年後の大会に向けて身体を作る。減量とかもやるけどね」

「ぇッ、まだ自分なんかまだまだ太ってて」

「だから良いんだよ。具体的な目標になって、新しい自分見えるかもよ」

「マジかっ、大地さんも出た事あるんですか」

「今も出てるよ。毎年。去年は、3位。その前は優勝したんだけどね」

「減量ってきつくないですか」

「皆が思ってるよりは、きつくないよ。ちゃんとご飯食べれるし、身体も変わっていくから楽しいよ」

「ホントですか。自分なんかでもできますか。ホントに腹筋見えますか」

「ちゃんとやれば、腹筋は見れるよ。フィジークに向けて、全力でサポートするから、出来るよ。さあ、105kg上げようか」

涼太はベンチ台に仰向けで寝て、ベンチプレスのフォームを作る。

大地は、涼太の頭側にたち、バーベルに手を添える。

「さあ、行こう」

大地の一声に合わせ、涼太はバーベルを胸まで下ろし、押し上げる。なんとか、涼太は上げる事ができた。

「はい、記録更新。105kg上げられたね」

「補助してたんじゃなかったんですか」

「補助してないよ。手は添えてたけど」

「マジか。嬉しいな」

「最初は70kg上がらなかったよね。凄く上達してるよ。この調子で頑張ろう」

「大会って、出るだけでもいいんですかね」

「初めから上手く行く人はいないよ。最初は、出るって事だけでいいよ」

「はい。じゃあ、大会目指してみます」

「今日のパーソナルはここまで。じゃ、大会目指して頑張ろう」

「ありがとうございます。着替えてきます」

涼太は更衣室に向かう。


24時間ジムで賢一は、ベンチプレスをしている。涼太に教わったフォームを意識しながら、重量を上げていく。

「よし、MAX挑戦だ。85kg」

自分に言い聞かせ、ベンチ台に横になり、バーを握り、一度身体を後方に下げて、そこからまた身体を上方に上げる。

肩甲骨が下制し、胸を張ったフォームになり、バーをラックアップし、胸迄下ろし、上げる。

「上がった!」

思わず賢一は、喜ぶ。

「オー、上がったね。ナイス」

一部始終を見てた師富が、拍手を送る。

「みてたんですか」

「はい、最近頑張ってるなって思ってね。このまま頑張れば、100kg行けるよ」

「ホントですか。ホントに100kg行けますか」

「行ける、行ける。なんなら、私がサポートしますよ。ジムにいる時は」

「マジですか。こんな自分でもいいですか」

「全然、構わないよ。私のは昭和流だけどね」

「昭和ですか。いいです。教えてもらうだけで嬉しいですよ」

「じゃ、さっそくやりますか」

師富は、ラックの奥に入って、補助の態勢をとる。

「もう一回85kgやりましょう!今回は5回目指して」

「1回しか上がらないですよ。5回は、ちょっと」

「大丈夫ですよ。補助しますから」

「なら、頑張ります」

賢一は、ベンチに横になり、胸を張り、バーを持つ。ラックアップして、ベンチプレスを始める。

「はぁ、はぁ、5回出来ましたね、補助って凄いですね」

「出来るじゃないですか。補助はほんの少し、指一本分位しかしてないですよ」

「えっ、そうなんですか」

「そうですよ。上げたのは、紛れもなく賢一さんの力ですよ」

「ありがとうございます」

「さあ、2回目いきますよ」

賢一は再び、ベンチに寝そべり、ベンチプレスの体勢に入る。

「じゃあ、90kg行ってみますか」

諸富は、賢一に言う。

「えっ、上げた事ないです。出来ますかね」

「やってみましょう。多分上がりますよ」

「はい、お願いします」

賢一はベンチプレスの体勢を取り、ラックアップする。胸まで下ろし、一気に上げる。賢一は、顔を真っ赤して、なんとか上げた。

「うおー、上がった、上がりましたよ」

「ナイス、記録更新おめでとう」

「補助あったから、上がりましたよ」

「私、補助ほとんどしてないですよ。ただ手を添えてただけ」

「マジですか。じゃあ、ホントに上げたんですね」

「そうですよ。賢一さんの実力です。またやりましょう。私も私のトレーニングするので、今日はここまで」

「ありがとうございます。またよろしくお願いします」

諸富は、マシンの方に向かって歩いて行く。



賢一と涼太が、ドライブしている。目的地は那須。

「MAX更新したよ。90kg上がった」

「おっ、いいじゃん。ナイス」

「マジ、嬉しいね。記録更新。涼太はどうなの」

「こないだのパーソナルで105kg上がった。それと、大会出る事になったよ」

「大会?なんの」

「フィジーク」

「かっこいい。見に行くよ。いつ」

「一年後らしい。今から増量して、減量して大会だって」

「いいね。目標あっていいなっ」

「賢一もやろうよ。大会」

「えっ、無理無理〜、減量大変そうだし」

「減量って楽しいらしいよ。身体がバキバキになって行くから」

「マジっ、でもまだまだ大会行けるレベルじゃないよ」

「そっか。じゃ、いいや。そろそろ着くよ」

「那須っ、那須岳に到着」

「よし、準備していこう」

涼太と賢一が、リュックをトランクから取り出す。ロープウェイに乗り、標高1800メートルまで上がる。

ロープウェイの駅を出ると、登山道が伸びている。

「山頂まで、約90分。涼太大丈夫」

「大丈夫だって、筋トレで鍛えてるから。それより、賢一の方こそ大丈夫かい」

「それならにランニングしてるから大丈夫だよ」

「ランニングって、筋トレには悪いらしいよ」

「なんで」

「ランニングは、有酸素運動で、筋トレは無酸素運動。反対なんだよね。有酸素ばっかやると、筋肉が減るらしい」

「そうなの。でもランニングも好きなんだけど」

「別々の日にやった方がいいらしい。筋トレの日は、筋トレだけって」

「涼太は走ってないの」

「筋トレし始めてから走るのやめた」

「筋トレとランニング両立したいな。別々の日か。ランニング少し減らして、筋トレ頑張ろうかな」

2人は、なかなかの傾斜の部分に到着した。

「けっこう、汗出るな、もう少しかな、山頂」

「この傾斜ので上だよ。後少しだよ」

「よし、頑張るか」

涼太は気合いを入れて入れて登り日曜日取り掛かる。


山頂に小さな祠があり、そこにお参りして、涼太と賢一は、広い場所日曜日移動して、しばし休憩している。


下山し、那須の街の鹿の湯に、涼太と賢一は入っている。

「また身体つき変わってきてる。涼太、いいな」

賢一は、涼太の身体を見るなら言う。

「賢一だって、前より良くなってるよ」

「ホントに、自分じゃわかんないよ」

「前より胸の張り出しが出たよ」

「嬉しいなっ、涼太は背中が良くなってる」

「マジ、広く見える?」

「少し広くなってるよ」

「いいねー、お互い頑張ってるって感じだな」

「ジムの先輩に、補助してもらってから、ベンチプレス伸びてきたんだ」

「いいじゃん。補助してもらうと、強くなるよ。自分は毎回パーソナルでやってもらってる」

「ジム行くの、今は楽しく思える。ジムの先輩がいると追い込んでもらえるから、なんかいい」

「自分はパーソナルに行く時は楽しいよ。新しい自分に会えるから、やってる時って、けっこうキツイけど」

「自分も諸富さん、ジムの先輩なんだけど、けっこうハードに昭和流でやるから、クタクタってなるよ」

「昭和流か、なんか面白そう」

「今度、ジムで諸富さんに会ったら一緒にやろうよ」

「いいなそれ。オッケーだよ」

2人は、温泉を後にして帰路に着く。



それから数日して、賢一はジムで胸トレをしている。

「諸富さん、こんにちは」

「こんちは。もう少ししたら、行きますからね、待っててください」

諸富は、重いバーベルを上げ、スクワットを始める。賢一は、フリーラックの支柱を使って胸をストレッチしている。

「お待たせしました。さあ、始めましょう」

諸富はベンチの頭の方に入り、補助の体勢をとる。

「じゃ、お願いします。まずは60kgからですけど」

「いいですよ。重さは徐々に上げますから」

賢一は、ベンチに横になり、胸を張り、ベンチプレスを始める。徐々に重量を上げ、90kgを上げる。

「じゃあ、100kg行きますか」

諸富はニヤニヤしながら、賢一に聞く。

「100kgって、マジですか、上がんないですよ」

「いいんでよ、上がらなくても。重さに慣れるのが大事」

「そうなんですね、慣れると上がるんですか」

「慣れて、力が付いてれば上がりますよ。みんな、何度も何度も潰れて、今の重量になってるですよ」

「潰れるって、カッコ悪い事じゃないですね」

「潰れる迄やらなきゃ、強くはなれません」

「わかりました。やります」

賢一は、ベンチに横になり、アーチを形成して、100kgをラックアップする。

バーを胸に付ける。胸に付けて、上げようとするが、全く上がらず、諸富が補助して、ラックに戻す。

「100kgって、凄く重いですね」

「だけど、練習をしっかりしてれば、いずれ上がりますよ」

「ベンチ100kg、達成したいです」

「大丈夫。近いうちには上がりますよ。じゃあ、もう一度100kgで」

「わかりました」

賢一はベンチに横になり、アーチを形成して、ラックアップする。諸富は、バーをしっかり持って補助に入る。

胸に付けて、賢一は、あるだけの力で押し返す、少し上がるが、肘が曲がった位置で止まる。つかさず、諸富はバーを上に引き上げる。そして、二回目に入る。バーが胸に付いたら、バーを諸富が上げる。

「ふうー、なかなかですね、キツイすっ」

「少し上がりましたね、あのポイントを越えれれば、上がります。ストキッキングポイントというところです」

「マジですかっ、じぁ、近いうちにほんとに上げられるのかな」

「上がられますよ。近いうちにね。今日はここまでで、またやりましょう」

諸富は、マシンエリアの方に歩いて行く。




















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