1話 ダンジョンができました
何かの間違えでも開いていただきありがとうございます!!
処女作ですので生暖かい目で見ていただけると幸いです。なんだかのんびりしたダンジョン探索作品が読みたくてなって、なんとなく自分で書いてみようと思い始めてみました。
どうぞよろしくお願い致します。
ドンッ!
急な振動とお物音にベットから転げ落ち男は目が覚めた、暗くてよく見えないが床に落ちたのはわかる、地震かもしれないと慌てて起き上がろうとしたが寝ぼけていてうまく立てずにまた転んでしまう。焦ったが揺れが大きくなる様子がなく徐々に落ち着きを取り戻すと声が聞こえてきた。
「隼人!!?大丈夫?今は緊急速報もなかったわよ」
一階から女性の声がする、心配そうな声が聞こえとりあえず地震の心配は無いと安堵する。
「ごめん母さん、地震かと思って」
ふらふらするが思考がはっきりとしてくる、今度はゆっくりと起き上がり母のもとに一階へ向かうことにした。
「なんか変なゆれだったね、家は大丈夫そうだけど、、」
母と揺れの話をして、家の周りで壊れたものがないか明日にでも見回りに行くことにする。
家は一戸建て、田舎で回りになにもないが空き家が複数あり裏手は崖のような山だ、この家が崩れていないということは崖崩れの心配は無いだろうが念のため確認することにした。
母は離婚して俺を育てた、数年前に仕事中の事故で足を悪くしてからは足に負担が掛からない仕事を受けている。俺(本郷隼人)は高校に通いながらアルバイトをして進学費用を貯金している、母には苦労させたくないから。なにんしても俺は母が上手く動けないため庭の手入れや外回りなどを担当している。
~翌日~
俺は学校へ行く前に家の周りを見て危険がないか確認する、過疎地域で古い空き家が多いが特に崩れ様子はなく一安心だ、ずいぶんと早起きすることになったが何事もなく良かった。
「あとは、、裏山だけかな、とくに見るようなところもないと思うけど」
家の裏手から雑に整備された階段を上る、母は足を悪くしてからここ数年登らないし、私有地だから近所の人間も入らないはずなのに、いつもなら何もない裏山にそこにはいつもとは違う光景があった。
「んだよこれ?洞穴か?」
頂上付近に見たこともない穴が開いていた、地面が隆起して山のように盛り上がりぽっかりと開いてる、幅は2mは無いか、高さも俺の身長より高いが飛べば届く程度。
「この間まで何もなかったぞ、、、奥は見えないな」
怖いのも見たさで入ろうかと思ったが近づいても全く奥が見えない、さすがに崩れて生き埋めになるのは嫌だし、学校もある。とりあえず学校が終わったら考えることにした。
これはどうしたものか、母さんにいっても不安にさせるだろうし、いろいろやってみてから伝えるでいいかなと。
~学校~
春一番で温かい風に吹かれながら学校へ登校、家は田舎だがコミュニティーバスがあり通学には苦労していない、最寄りの駅までバスで15分程度、そこから2駅で駅前の高校に到着する。
偏差値も平均だが立地もよく人気のある高校らしい、俺は家から一番近いという理由で選んだなんの変哲もない高校だ。
「おはよー昨日夜中に変な揺れなかった?」
クラスに入り適当な友人に昨日の揺れを確認したが
「ん~?そんなんあったか?」
と誰も感じなかった様子、スマホで調べてみたけどやはり近くで地震は無かった。
調べていると同じ時間に突き上げるような一瞬の振動は前震なのかと言う知恵袋への質問があったが俺が住んでいる地域ではないようだった。
まぁ大きな揺れでもないし気にすることもないかなぁと考えながら自分の席に座る。
「お〜は〜よ〜」「おーす!」
間延びした挨拶と元気な声が後ろから聞こえてくる
「湯花、琢磨おはよー」
中学からの友人の2人に適当に挨拶を返す、家は近くはないが地元が同じ2人にも揺れを確認する。
「う〜ん、ゆれたような気もするけど」
「俺は寝てたからわかんねぇや」
湯花は感じたみたいだが琢磨は、、まぁ鈍感なやつだしそんなもんか。やっぱり局所的に揺れたのかなと思い大した揺れでもないので俺は考えるのを辞めた。
授業が始まったが裏山の洞窟のような穴が気になってしまい全然集中出来ていない。帰ったらどうなっているのか確認をしなければ。
どう考えても地震で隆起したなら地割れや地面が盛り上がる程度、洞窟なんかあるわけ無い。しかし明らかに穴がしっかりとある、まるで入ってくださいと言わんばかりの入口の様な洞窟だ。
中は真っ暗で奥まで確認することができなかった、帰ったら防災袋から懐中電灯、ヘルメット、軍手、あとはスコップでも持って行こうと思う。
そんなことを考えていたらあっという間に放課後となる、湯花と琢磨と一緒に下らない話をしながら帰るが、どうにも上の空だったらしい
「隼人どうした?なんかぼーっとしてるけど」
「隼人くんなにかあったの?」
俺の反応がいつもよりも鈍く変に思われてしまったようだ。
「いや、特になんでもないんだけど、昨日の揺れで裏山にすこし厄介な物が出ててきてね、どうしようかなと思ってたんだ」
なんと説明したらいいのか、まぁ詳しく話すようなことでもないので適当に濁すと、2人とも「まぁいつ崩れてもおかしくなさそうな山だったし、木でも倒れたのか」と勝手に解釈してくれた。
「じゃぁ、俺バスだから!また来週なー」
駅から出るとバス停で2人と別れ足早にバスに乗り込んだ、普通に考えればそんな気にすることもない、ちょっと確認して危険があれば崩すだけのこと。
だけど俺はなにか不思議なことが起きるんじゃないかとわくわくしている、授業中ずっと、もしあの洞窟が昔の遺跡だったら、異世界への入り口だったら、埋蔵金がうまってたら、なんて小学生みたいな気持ちで考えていた。
はやる気持ちを抑えて家に着く、まだ時間にも余裕がありそうだ、母に帰りを伝えたらすぐに荷物をまとめる。
雪かきや側溝掃除に使う大き目の鉄製スコップ、ヘルメット、懐中電灯、軍手、とりあえずこれだけあればいいだろうと、準備に区切りをつけて早速裏山へ向かった。
「うーん改めて見ても変だよなぁ」
洞窟の後ろ側は尻すぼみに地面埋まっていて明らかに地面とは材質の違うもので出来ているように見見えた。
「とりあえず、入る前に崩れないか確認だな」
スコップを手に洞窟の壁を軽く叩いてみる
ガギンッ!
と明らかに岩とか土壁を叩いた音じゃない固い音がする、何度も力を入れていろいろな所を叩いてみたが壁に傷がつく様子もなくどの個所も同じような固い音で衝撃が手に返ってくる。
「これはなんだ?壊すことも出来なさそうだな、、、」
壊れてしまったら中を見ることもできないので頑丈なのは嬉しいが、もし何もないなら野生動物が住み着きそうな穴は塞ぎたかったので少し困ってしまう。
「まぁとりあえず安全そうだしいいかぁ」
気を取り直して懐中電灯を右手に洞窟の中を照らしたが、、、
「ん?なんだこれ、、、、なんにも見えない?」
懐中電灯の光は洞窟の入り口に飲み込まれ一寸先も見えないのだ、不思議に思い入り口の目の間で照らしてみたが変わらない。
恐る恐る懐中電灯を持った手を入り口に伸ばすと、、
「うわぁああぁ!」
右手の手首から先が真っ黒な壁に飲まれ無くなった、驚き手を引っ込めるとそこには懐中電灯と一緒に右手もちゃんとついておりほっと胸を撫でおろした。
「なんなんだよ、マジでファンタジーなのか?」
焦った気持ちを落ち着かせ右手を見るが、特に異常はなさそうだった、いきなり全身を入れるには勇気がいるので手足を何度も出し入れして異常が無いか確認、10回ほど確認して何も起こらないため勇気を振り絞って顔を突っ込んでみる。
びくびくしならゆっくりと目を開けると。
「おっ?おおおぉぉーー!!なんじゃこらぁ!」
思わず叫んでしまったがそこにはありえない光景が広がる。
ゴツゴツとした壁に囲まれた教室程度の空間、天井は2mでは足りないほど高く、どこから発生しているかも謎な明かりもある。あの入り口から考えてありえないほど広い空間だ。
そして最も異常なものは正面に見える古代の遺跡のような模様が刻まれた両開きの扉とその扉の前にあるバカでかい盃の中で燃えている赤い炎だ。
あまりにも異質な空間に呆けてしまったが、いつまでも覗いているだけではらちが明かないと俺は一歩踏み込み中を探索することにした。
中央の盃、扉、炎以外にも光る壁、扉の左正面には譜面台のような大きさの台がある。これらがなんのためにあるのか全く見当もつかないが、これらが普通ではないことは確かで俺はこれからとんでもないことが待っているんじゃないかとわくわくが止まらなくなった。
と、まぁこんな感じでダンジョンを発見した俺は世界的に有名に、、世界初の冒険者に、、、、なんてことはないです、ゆっくり楽しくのんびり新しいダンジョンライフが始まります!!
このような拙い作品を開いていただきありがとうございます。よろしければまた来てね!!