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ズレた世界 2

ズレた世界二話目となります。

では本編へGO!

 亜人に敵や味方という区別は存在しないうえ、基本的に亜人以外は全て襲撃すべき存在でしかない。

 亜人は本来であれば世界に存在してはいけない者達であり、それ故に命という概念や考え方が存在しないのだ。

 知性も感情もその全ては『生命に対する破壊衝動』のみであり、これに対しては鉄巨人すらターゲットに入ってしまう。

 実際囲んでいる亜人はヴェルズリや鉄巨人すら攻撃してるわけだが、ヴェルズリも鉄巨人もまるで気にしている気がしないわけだが、そんなヴェルズリに向かって躊躇なく走っていくのはディラブである。

 お互いにお互いを意識しまくっているようだが、それ故に他がまるで見えていないのだが、まずはあの鉄巨人を何とかする必要性があるように思える。

 こいつらの目的もこの中にあるのならこいつ等が俺達と正面から敵対する理由がまるで見えてこない。

 鉄巨人は周りを囲んで襲い掛かってくる亜人を大剣を軽く消し飛ばし、その間にアンヌが懐に入ってきてそのまま強大な一撃を叩き込んで体勢を大きく崩し、リアンは聖術で鉄巨人を拘束していき、今度はネリビットがバズーカ砲の一撃で後ろへと倒す。

 無論あんなダメージで倒せるわけがなく、俺は魔力を練ってから魔術式を構築していく。

 あの鉄の鎧を溶かすことが出来るレベルの高熱の矢を作り出し、それを俺は鉄巨人目掛けて射出する。

 同時にメイビットはハンドガンタイプの銃から雷の一撃を亜人目掛けて貫通させて三体ほど同時に仕留めた。

 俺の射出炎の矢をヴェルズリが余裕で解除しつつディラブからの攻撃を回避する。


「厄介だな…あいつ。ディラブと戦っているなら当たると思ったのだが。今回は大分冷静に戦えているようだな」

「厄介じゃのう。あれでは鉄巨人を倒すのに時間が掛かりそうじゃ。先に中に入るか?」

「結界を突破する方法があるのか?」


 どのみちあのヴェルズリが邪魔してきそうな気がしてならないわけだが、やはりこうなるとあの黒いオーガが妨害している理由が分からない。

 何が狙いだ?

 今回のあの黒いオーガであるヴェルズリは明らかに明確な目的故に冷静にことを運ぼうと心掛けている。

 その為か前回のように頭に血を上らせるという事が無いので結構困る。

 前回は明らかに頭に血を上らせていたので戦いやすかったわけだが、今回は冷静にを心掛けているので作戦が通用しにくい。

 あの結界を崩す算段を立てているのか、というかあの結界が何で出来ているのか知っているという事だろうか?

 ディラブと戦いながら俺の方へと意識を常に向けているのが分かり、ディラブも不本意に突っ込んでいくまいと立ち位置を常に意識しながら戦っていた。

 これでは決着はつかない事だろう。


「ジャック兄ちゃんの魔術で結界を排除できないの?」

「無理とは言わないが。やったら周辺被害が出るからな…待てよ。あの男の斧なら解除できるはず。それをしないという事はこの結界」


 俺はあの男の狙いが分かりそうなところに来ていると確信を持てたわけだが、こうなると俺は一つの推論に至った。


「恐らくだが、厄災のホビット以外に協力者がいて、その協力者が動き出そうとするのを待っているんだ。この結界は外と中へとの連絡手段を絶つためだ」

「要するにじゃ。この中は問題なくオークションを行って居るという事か?」

「そんなことある!? 嘘でしょ!?」

「ううん。ジャックお兄ちゃんの言う通りだと思うよ。じゃないと結界なんて張らないと思うもん。そこまでして結界を維持したい彼らの理由も、中からの解除を目的にしているんだよ。あるんだと思うよ。厄災のホビットが置いておいた邪悪な何か」

「ああ。それをヴェルズリ達は狙っているのかもな。俺達に結界を排除して欲しくないんだ。それで鉄巨人だ」

「なるほどのう。あの鉄巨人なら確かに守るという一点なら十分すぎる」


 そこまでしたい守りたいものは手に入れたいものなのか、それとも利用したいものなのか、それとも破壊したいものなのか。

 それだけがどうしても気になってしまうわけだ。



 時を少し巻き戻し世界のズレと現実世界が一時的な融合を果たしていた際、違和感をジュアリーが襲った。

 強烈に感じる違和感に何か異変が起きたと感じ、自らに用意された控室から出ていき濃い紫色のドレスを身に纏った状態で窓から外を確認する。

 すると、窓の外では多くの人が亜人に襲われている場面であり、オークション会場でも慌ただしい雰囲気すら感じさせない。

 自分だけが違和感を常に覚えている状態に嫌悪感に近い感覚を得て動き出そうとポケットから取り出した小さい手鏡のような道具を使い身に纏っている衣装をチェンジする。

 ジャックを襲撃した際の衣装に早着替えしつつ、ジュアリーは違和感の原因を探り出そうと動き出した。


 違和感の大元は三階の一番奥の部屋、手前の少し大きめの広間になっている場所へと足を踏み入れて足音を立てないように入っていく。

 すると、部屋の中心に杖をついている中年の男性らしい人物、ジュアリーは気づかれない様に回り込もうとするが、そんな人物に声を掛けられてしまった。


「やあ。ジュアリー君。やはり君は此処に来てしまったか」

「社長…貴方が黒幕だったんですか?」

「黒幕か…そう取られても仕方がない。残念なことにこの状況を真に作り出した当の本人と私は其処まで強い繋がりがあるわけじゃないんだよ。最低限の協力体制を敷いていただけさ」


 ジュアリーが所属してる芸能事務所の社長、本来ならこんな加工祭なんて言うお祭りに参加しているような人間ではない。


「何時から私の正体に気が付いていたんですか?」

「協力者から聞かされたんだよ。君の正体をね。私はどうでも良かったが、彼の言う計画は私にとって都合が良かったのさ。噂でこの加工祭のオークションでとある逸品が出展されると聞いていたからね」


 どす黒い気配を漂わせる一つの玉。


「欲しいのならここまでのトラブルを起こす理由は有りませんよね?」

「あるさ。私は生き返らせてほしい人間が居るんだ。私の双子の弟を…死んだ

弟を生き返らせてほしいんだ」

「双子だったんですか?」

「まあね。私も君と同じホビットなんでね。おや? マスク越しでも分かるぐらいに動揺しているようだね。意外かい? 分かるさ。君と近い道具だよ。最も君ほど体が大きいわけじゃないからあくまでも誤魔化しているだけさ」

「利用されているだけじゃありませんか?」

「かもしれないね。でもね。この街の人間を犠牲にして弟を助けられるのなら私は悪魔にも慣れるさ」


 彼は手に入れた玉を強く握りしめて強く願う。

どうでしたか?

ジュアリーに続いて二人目の長身のホビットが登場しましたね。

次は浮遊大陸について語るつもりです。

では次は双厄のホビット第十九話でお会いしましょう!

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