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加工祭 4

加工祭四話目となります。

今回はメインヒロインは参加しません。

では本編へGO!

 翌朝カーテンから差し込む朝日によって俺の意識はすっかり覚醒状態へと移行し、そのまま顔を洗ってから服を一式変更する。

 まあ変更しても寝巻用用の甚平から外行き用の甚平に切り替わっただけなので何とも言えないわけだが、ベットで寝ているネリビットとディラブを置いてから俺は部屋から出ていくわけなのだが、どうやらアンヌ達女子人もまだ寝ているようだ。

 俺は先に昨日の件をどうするかと悩んでいたのだが、昨日決めた通り焦って行動するつもりはなく、俺はそのまま一階へと降りていきそのまま一階のレストランで朝食を食べようと歩き出した。

 エレベーターのボタンを押して待っていると上から降りてきたエレベーターのドアが開く。

 すると中から綺麗で長めの髪を後ろで簡単に纏め上げ、服装は出かけるような感じの小綺麗な感じではなく簡単なTシャツと長ズボンを履いているヒューマン族の女性だった。

 なんというか、俺の美的感覚を信じても良いかは分からないが、多分かなり綺麗なレベルの人間だった。

 一言頭を下げて部屋の中へと入っていくわけだが、ぱっと見のスタイルが昨日の襲撃者と同じな気がしてならない。

 お互いに沈黙が流れるわけだが、まあこの際話す内容があるわけじゃないので俺は敢えて話しかけないでいることにした。

 髪を弄っている女性はふと俺の方を見て話しかけてきた。


「ナーガ人ってあまりこの辺りじゃ見ませんけど」

「ナーガ人を見たことがあると? ヒューマン族にしては珍しいよな」

「そうですか? 外で済んでいるヒューマン族には珍しいことじゃ無いですよ。ナーガはあまり外には出ないと聞いたことがありますので」

「そうでもないさ。俺の場合は少々特殊な事情だけどな…」


 エレベーターが一階に到着すると女性が先にエレベーターを降りていき、俺は後から続くように出て行ったところで俺は意を決して話しかけた。


「なあ。昨日俺と会っていないか?」


 黙り込む彼女はそのまま俺の方を見ない様にして「さあ。知りませんけど?」と言いながらレストランへと入っていく。

 気になる間ではあるが核心を持てる部分は一つも存在しなかった。

 心の壁が異常に分厚く出来ており、エレベーター内での会話ではまるで隙を引き出せなかったが、彼女の方も俺から何かを引き出そうとしていたようだし。

 やっぱり昨日の襲撃者は彼女である気がするが、ここで迂闊に切り出せばその時点で取り返しのつかない事態になりそうな気がした。


「小腹も減ったし俺も朝食でも食べるか」


 レストランへと入っていき出入口近くの席へと座ってビュッフュ方式で、卵料理と簡単なスープと食パン一枚の上にバターと餡子、レタスとトマトのサラダを用意してから席に座る。

 どうして一瞬視線を先ほど見た女性へと向けると、彼女はマネージャーが用意してくれた食事に手を付けていく。

 手慣れた感じでフォークとナイフで次々と料理を食べていくわけだが、優雅さよりは高貴さの方が勝っているイメージだ。

 高嶺の花という言葉が良く似合う女性であるが、女優というよりはアスリートという感じの体つきに見える。


「あの女性が気になるのかのう?」

「朝起きてロープから抜け出せたのか?」

「なんとかのう。大変じゃったぞ。アンヌ達にバレない様に抜け出すのがな」

「そうか…バレてしまえばいいのにな」

「で? 彼女が気になるのか? 女優のジュアリーじゃよ。綺麗じゃよな。儂が話しかけたら殺されそうなほどの高嶺の花じゃな」

「それは高嶺の花で例えるようなことなのか? まあ、あまり不機嫌にされたら後で殺されるんじゃないか? 彼女はきっと人の一人や二人なら簡単に殺せそうだし」

「? どういう意味じゃ?」

「雰囲気というか体つきというか、周りへのガードが異常に高いし、何より人を簡単に殺せそうな感じがする。昨日話した襲撃者は多分彼女だ」

「? そうなのか? じゃが彼女はヒューマン族じゃぞ」

「長身のホビットがヒューマン族に化けている可能性はあるだろう? この大陸で不可能を探す方が難しいだろうに」


 ホビットのロストテクノロジーなら出来そうな気がするし、彼女が長身故に他のホビットと馴染むことが出来ないのなら、ヒューマン族に化けて生きている理由も分からないでもない。


「他のホビットと違うからが理由か、じゃがだとしたらどうしてお前さんを襲ったのか。彼女は今どんな窮地にあるのか」

「アンヌが起きればあの会話を聞き耳することが出来るけど、アンヌはまだ起きないのか?」

「無理じゃよ。あの様子なら昼前までなら寝ていると思うぞ。ネリビットとメイビットなら起きるじゃろうが。ディラブはどうなんじゃ?」

「どうだろうな。アンヌ同様に昼前までなら寝ているかもな」

「アンヌお姉ちゃんがどうかしました?」


 ネリビットとメイビットがお盆に朝食を乗せてやってくるのだが、ここは姉弟で性格が現れる。

 弟のネリビットの方はお皿一杯に色々な食事を乗せており、姉のメイビットはバランスよく小食でメニューを作っていた。


「何でもないよ。アンヌとディラブは昼前までは起きないだろうなと思ってね。君達は今日は何かやりたいことがあるのか?」

「ううん。出来れば加工祭本番であるオークション会場で行われる出店に出店したいなって」

「おや? 二人とも商品があるのかのう?」

「ありますよ。二人で作ったアクセサリーが。今から申請書を提出して場所を貰えたら少しやってみたいなって。そういえば聞きました? なんでもあの女優さん狙われているって」


 俺とリアンは気になる情報に「詳細を詳しく」と前のめりに聞き、ネリビットは自分のお盆に乗せられている料理を食べるのに必死になっていた。


「何でも昨日の夜中に彼女宛に暗殺予告が届いたらしく、今朝もずっと警戒中らしいですよ。VIPルーム一帯では警戒態勢でディフェンダーが駆り出されたとか。黒兎に」

「昨夜の暗殺予告が届き殺気立った所でジャックが反応するように威圧感に過剰に反応した」


 黒兎という名前に俺は「もしかしたら」という考えが脳裏を過る。


「彼女がその黒兎本人だろ」

「え? どういう意味? ジャック兄ちゃん?」

「そのままだよ。昨日の襲撃者は金属の仮面をつけていて、仮面には「黎」と「兎」という文字が掛かれていたからさ。昨夜自分を名乗る人物が自分に暗殺予告を出され、殺気立った所で俺が反応したから当初は俺を疑ったが、今は確信に持てず今この瞬間も警戒心を高めているとい感じか」

「なるほどのう。それなら今すぐに動かん理由にもなるし、やってきた理由にもなるか。彼女がヒューマン族に化けている長身のホビットなら分かり易い理由じゃな」

「え? あの人ホビットなの? 長身じゃん」

「うん。ホビットだね。何となく分かる。何か道具で隠しているみたい。多分能力じゃないね。ロストテクノロジーかな? 分かり辛いところがあるし」

「姉ちゃんが言うならそうなんだろうけど。俺には分かんないわ」


 やはりメイビットには直感でそれを理解できるような才能があるみたいだ。


「加工祭本番の環境に出店を出すなら俺達も付いていくかな。あの女優に近づけるいい機会かもしれないし、それにお前達をそんな場所で二人っきりにするわけにはいかないな」

「? 儂も同席決定なのか? 儂…バーに…あっ。手伝います。なので儂の方へと睨みを向けんでくれ」


 こうして俺達四人での参加が決定した瞬間である。

どうですか?

今回登場したジュアリーは流石にメインキャラクターとしては参加しませんが、スポット参戦ぐらいの立ち位置だと思っていただけたら幸いです。

では次は双厄のホビット第十一話でお会いしましょう!

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