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加工祭 3

加工祭三話目となります。

ちょっとづつ話も進んでいきます。

では本編へGO!

 シャワー室から出てくると俺はアンヌに「調べ回るなよ」と忠告しようとしていると、既にアンヌは部屋からいなくなっており、厄介ごとにならないと良いなと胸に言葉をしまい込んでからそっとベットにダイブする。

 すると、アンヌとすれ違う様にネリビットとメイビット、ディラブとリアンが現れたわけだが、俺はそっと体を起こす。

 丁度寝間着としての甚平を着ていたので助かったのだが、後ほんの一分ほどズレていれば裸の俺と接近遭遇していた。

 全員に言いたいが、何故部屋に入る際にノックをしないのだろうか、まあ部屋に鍵を掛け忘れていた俺が悪いんだけどさ。


「楽しかった! 何かあったの? ホテルに入る際に何か光が見えた気がするけどさ」

「そういえばそうだな。ネリビットの言う通りだぞ。お前の部屋じゃなかったのか? この部屋だと思ったが?」

「えっと……」

「トラブルじゃな。それも厄介ごとの。またお前さんが連れてくるのか?」

「俺も巻き込まれたわけだし、俺の所為だと断言しないで欲しいな」

「あれ? アンヌお姉ちゃんは? 先にジャックお兄ちゃんの元に帰ってきませんでした?」

「え? 多分トラブルを探しに行った? 多分だけどさ」

「何故止めん? お前は」


 止める前に出て行ったのだと弁明し俺はカバンの中に入れてある水の入った入れ物を取り出して一口飲む。

 息を吐き出してからそのまま「で?」と皆の方を見る。


「何か楽しいことがあったのか?」

「それはジャック兄ちゃんに言いたいことだよね。アンヌ姉ちゃんを探しに行かないで良いの?」

「めんどくさいし。俺は眠いからもう寝るわ。さあ…女子人は自分の部屋に入って寝る支度をするんだ。俺は寝るぞ。今日寝てないんだ」

「そういえばそうじゃな。お前さんずっと起きているしな」

「なら出ていくべきだな。その前に…」


 ディラブは腰につけている魔法のポーチから縄を取り出してリアンへと近づいていき、リアンは不思議そうな顔をして警戒心を若干高めるが、俺にはディラブがしようとしていることを理解した。

 ディラブはそのまま素早くリアンの体を太めの紐でグルグル巻きにしてしまう。


「これは人権の損害ではないのか!? 儂が寝ている間に何をした!?」

「お前が寝ている間にアンヌにセクハラをしていると聞いている。アンヌからいざとなった時の為にお前を縛っていることにしているとな」

「失敗に終わっているんじゃから今は良いじゃろうに!」

「同じ部屋に幼い少女を寝かせるにあたりお前を自由にするわけにはいかない」

「姉ちゃんに危害加えたら痛めつけて良いんだよね? ディラブ兄ちゃん」

「無論だ。さあ。部屋に帰ろう」

「え? 私鍵持ってない」


 メイビットの言葉に全員が俺の方を見るのはなぜなのだろうか。

 無論俺が持っているわけがなく俺は肩をすくませるわけだが、多分出かけているアンヌが持っているのだと思うが。


「アンヌじゃなかろうか。あれが持っておるんじゃろうに。今何処に行ったのか分からんのか?」

「魔術を使って探しても良いけど…疲れるなぁ。寝たいんだけど」


 俺はため息を吐き出しながら魔術を使って探してみると、どうやらアンヌは一階の受付に居るようで、リアンを部屋に放置してから俺達でアンヌを探しに降りていく。

 すると受付に小さな身を乗り出して「此処に怪しい人は泊まっていませんか?」と本気で聞いているアンヌの首根っこを掴んで受付の男性に「連れがすみません」と謝りながら全員で撤退する。


「頼むから騒ぎを起こすな」

「もう起きてるでしょ!? ちょっと調べただけじゃない! 犯人はこのホテルに居る可能性だってあるでしょ?」

「まあな…だからと言って探すというのは駄目だぞ。そもそもどうして犯人が俺が感じた違和感に対する威圧に反応してやってきたのか分からないだろう?」


 興奮していたアンヌが一旦落ち着き俺はそんなアンヌをそっと下におろしてからエレベーターに乗り込む。


「俺の部屋に襲い掛かってきたやつは自分が放った殺気に俺が威圧感で反応したからだろう。なら、どうしてあの犯人は殺気を放った? 俺への反応を見極めるためか? にしてはおかしい点が無いか?」

「はい。直ぐに攻撃しなかったですよね?」

「メイビット。正解。ならどうして直ぐに攻撃をしなかったのか?」


 俺達はエレベーターから出ていき部屋の近くまで歩いていく。


「探っていたからじゃね? 要するに何か理由が在って殺気立ってしまい、それに反応したジャック兄ちゃんの元へと向かった」

「で。殺気に反応したジャックの動きを見極めようとしたか…」

「なんで殺気立ったのか…」

「それを理解しないでこちらから探って攻撃すれば立場を危うくさせるのは俺達だぞ。今この街は加工祭という祭りの真っただ中。その上明日からはオークションなどの目玉イベントも起きる。そんな中で俺達がトラブルを起こせばどうなるか」

「俺達はナーガ政府の後ろ盾があるとはいえ、ここは他の大陸で他の政府が統治している場所。大きすぎる問題を起こせば今後の行動に支障が出るだろうな」

「止めておいた方が良いと思います。アンヌお姉ちゃんは此処でトラブルを起こして困ったことにはしたくないですよね?」

「まあ…そうだけど。でも、また襲われたら?」

「無い。と断言はできないから対策は講じておくが、今は気にしないでおこう」


 俺は部屋に転がっているリアンを引っ張りながらアンヌが明けた部屋の中へと投げ込んでからアンヌとメイビットに「お休み」と言い俺達は部屋へと戻っていく。

 さあ、俺は後は寝るだけだと思いベットに座り込むと上着を脱いでシャワーを浴びに行こうとしていたディラブが聞いてきた。


「犯人は分かっているんだろう?」

「え? マジで?」

「断言が出来んから言わないだけだ。明日本人から動きが在れば良し、無ければまた無視だ」


 一部とは言え顔が見えた際何となくだが女性に見えた。

 身の熟し方や俺が視界を封じたうえで放った魔術に対して素早く対策出来た所と言い、多分女性だろう。

 柔らかい体つきをしていたようだし。多分このホテルに泊まっている女優という奴だろう。

 問題はその女優がどうして殺気を放ち、俺の威圧感に反応したのかという事だ。

 上から降りてきたように感じたからそれで正解だろう。


「ジャック兄ちゃんは狙われているかもって怖くならない?」

「ならん。反撃するだけだ。俺は寝るからな」


 いい加減眠くて仕方がない。

 するとパンツを脱いでシャワー室へと入っていくディラブがはっきりとした口調で告げる。


「対策をするんじゃないのか?」


 そういえばそうだったと俺は起き上がり大き目のため息をついてから仕方なさそうに動き出す。

 早く寝たいという本能に抗いながら俺は部屋に軽めの結界を張ることにした。

 張り終えてから俺はベットに入りそのまま死んだように眠りについた。

どうでしたか?

もう少しすれば黒兎や例のメンバーも一部も登場します。

では次は双厄のホビット第十話でお会いしましょう!

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