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オリハルコンを手に入れる為に

鉱山都市へと向かうまでの道中のお話となります。

では本編へGO!

 勇者の剣を製造するためにはオリハルコンをまずは入手し、それをホビット達が錬成してからドラゴン族が最後に完成させるらしいが、ドラゴン族が何をするのかはオーガ政府では知らないそうだ。

 俺達が町に到着してから今度は馬車に乗り換えることになるのだが、まあアンヌは流石に自分で歩くわけではないのなら文句を言うつもりはないらしい。

 船の端っこで鼻歌を歌いながら船が船着き場に到着するのを待ち、降りると用意されていた大きな馬車に乗り込んでから目的地である鉱山都市へと向かう事になった。


「鉱山都市とはオーガの町の中では特殊な立ち位置になります。と言うのも皆さん知っている通り本来採掘作業はオークの仕事ですが、あそこは希少鉱石が多く、その上他の鉱山とは物理的に繋がっていないという点からオーガが管理しているんです」

「じゃあ採掘作業もオーガが担当するの?」

「はい。下手にオークにさせればどんな悪さをするか分かりませんから。魔石の採掘もそこで行われます。中には自分で取ってある程度売りさばく者もいますから。そういう意味では宝石、魔石や特殊金属の販売場でもあります」

「採掘以外にも装飾の伝統もあり、中には他の大陸から何と言ったか…け…結婚指輪なるものを購入しに来るものもいるとか」

「オーガには結婚相手に指輪を渡さぬのか? ババルウよ」

「はい。最近は送る傾向にあると聞いたことはありますが、ディラブのように集落に住んでいる人達は馴染みが無いと思いますよ」


 まあ、種族それぞれだから敢えて突っ込まないで居ようと思い黙っていることにしたが、装飾品もか…一回見てみたい気がするな。

 装飾品によっては結構レア度の高い商品なんかもあるかもしれんし。


「楽しみだよね! この体になってから幾つか使い物にならなくなったから購入しなおそうかなぁ~」

「女はこういうジャラジャラした物を装着したがるな…」

「俺も指輪でも購入するか…」


 アンヌ以外のメンバーから驚きの顔をされてしまうわけだが、そんなに意外なのだろうか?


「だがジャックがそういうジャラジャラした物を付けている姿を見たこと無いが?」

「じゃよな? お前さん好きなのか?」

「体が大きくなって入らなくなったんでしょ? 昔っから派手なのはつけないけど、指輪とかなら普通につけるし」

「体が大きくなって入らなくなったんだよな。加護付きの指輪とか幾つか装備していたんだけど。体が大きくなる過程で壊れて置いてきたし」

「ペンダントなんかはつけないんですか? ジャックさんなら似合いそうですけど」

「着けると首がゾワッとするんですって。指輪だけにしているみたいよ。でしょ?」

「まあな。好きじゃない。俺は指輪だけでいいさ」


 このパーティー、装飾品を付ける俺とアンヌ、つけないディラブとリアンという二勢力に分かれるな。

 結構便利な能力を持っている装飾品も多いんだけどな。

 特にホビット製は貴重な能力を持っている場合があるから希少なんだよな。


「私その販売場で適当に見て待っていていい?」

「後で皆で見ないか? 時刻的に一泊するわけだし、取るのに三時間とか四時間とか掛かるなら分かるが、そういうわけじゃないんだし」

「それはジャックの今後の行動次第でしょ? 何かとトラブルを連れて歩くんだし」

「だから、人がわざとトラブルを集めているみたいな言い方をするな。ならねぇよ…多分」


 絶対とは言わないが。


「僕は此処で一泊後ナーガ政府の方を迎えに行かなくてはいけませんから。そこでお別れですね」

「気にしないで良いぞ。と言うかどこで待ち合わせなんだ?」

「皆さんが向かうホビット大陸との国境の町です。ですからそこまでは僕は案内しますね」

「俺は一度行ったことがある。結構賑わいがある町だったと記憶しているな。そういえば富豪という存在が住んでいるとか」

「金持ちじゃな。お前さんが会えば金持ちも卒倒するじゃろうよ。あまりにも慕わないその態度にな」


 本当に偉い人への態度や会話が苦手な奴だな。

 ある意味一貫性があるとは思うけどさ、せめて敬語ぐらいは学んで欲しいものだ。


「メルバリートという名の富豪ですね。確かホビットだと聞いていますが、結構暗い噂も絶えない人のようです。父からは「接触しない様に」と言われました。会わない方が良いと。なんでも『ブラックオークション』の主催者の一人だとか」


 ディラブが本気で不思議そうな表情を浮かべており、これは確実に知らないという人間の顔だな。

 とはいっても、ここで多くを語るつもりは俺には無いのだ。


「裏のオークションだと思っておけばいいさ。人身売買から盗品販売まで色々とする。長年各大陸が追っている勢力で、一説では浮遊大陸に拠点があるとか」

「教会が席巻している中央大陸でも噂で聞くから結構有名なんじゃないかな?」

「オーガは多そうじゃよな…被害者」

「ふむ…そんな勢力が。潰せばいいだろうに」

「見つからないから潰せないんですよ。浮遊大陸は未だに手付かずの地が多い上、基本各政府も手を出せない場所ですから」

「逆を言えばそのオークションを潰せば裏側の問題の三割は解決すると言われている」


 ディラブが「微妙な数字だな」と言うが、三割とは結構大きな数字なのだ。

 裏側は纏まりがあるわけではなく、基本はバラけて存在しているのだが、このオークションだけは纏まりがあり、潰せばその纏まりを破壊することができる。


「そうか…良く分からんが」

「この世界だって幾つもの集団があるだろう? 一つの大陸を潰せばそれこそ凡そ二割を潰すことになる。そう考えれば一つの組織を潰して三割はデカいと思わないか?」

「そういう考え方か…フム」

「じゃから狙って居るという部分はあろう。金持ちは全員加入しているとも聞くし、そうでもないとも聞くしのう」

「まあ、今は考えない方が良いですよ。無関係と言えば無関係ですし。関わらない事です。とにかく」

「そういう事。でも、ホビットか…楽しみだなぁ」

「買い物好きで俺達の旅費を削らないようにな」

「個人の財布から購入するか良いでしょ? と言うかディラブとお爺ちゃんも偶には何か付けたら?」


 ディラブとリアンは「断る」とハッキリと断られたわけだが、何が嫌なのかはこの二人ははぐらかそうとする。

 まあ、生理的な問題に突っ込みづらいかと感じてあえて聞かない。


「アンヌさんはペンダントですか?」

「うん! 指輪も良いけど。体が小さくなってサイズ合わせるのに苦労しそうだからね」

「俺は指輪だな。何かしらの機能持ちが一番良い」


 すると窓の向こう側から険しい山々に囲まれた大きな町が見えてきた。

 アンヌが窓から顔を飛び出させてその町を遠目に確認するように見る。

 高いビルのような建物こそないが、煙突のよう突起物が所々みえてくるところを見ると工場のような建物ならあるのかもしれない。

 おれが鉱山都市であることは間違いが無いだろう。


「見えてきましたね。あそこでオリハルコンを手に入れることが出来ます。本来であれば最高司祭が取りに行くべき場所です」


どうでしたか?

次でオリハルコンがいよいよ登場です!

では次は赤鬼のオーガ第四十六話でお会いしましょう!

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