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継承の儀式場攻略戦 3

継承の儀式場攻略戦三話目となります。

次男チームと三男チームが現在優勢という感じですかね?

では本編へGO!

 黒いオーガのヴェルズリと同じ邪悪な気配を漂わせるドラゴン族のメロン、胸も大きくメロンサイズを遥かに超えているが、その胸には明らかにブラジャーを装着していない。

 ドラゴン族は皆胸が大きいのだろうかと思っているのだが、流石に不謹慎だと感じて考えを改める中、ヴェルズリは大きく跳躍してメロンの場所まで戻っていく。

 身軽な奴だと思ったが、メロンが聖術で何かしたのだろうと推測出来た。

 見下ろす視線は見下すのではなく、苛立っているわけでもなく、ただ目の前に居る存在に対する好奇心と殺人衝動を必死で抑えている表情だ。

 あまり良い気分ではないわけだが、その後ろからまるで彼らと使役でもしているかのように次男が現れた。


「ババルウなんて足手纏いやめておいた方が良いと言ったんですよ。どうせ役に立っていないんでしょう?」

「おいおい。流石にそれは無いぜ。俺様が保証してやるよ。このババルウってやつ強ぇよ!」

「はい!? それは無いでしょう」

「フフフ。負けず嫌いなのね。可愛い。さて。私達は行くけど貴方たちは?」

「一緒に行動しないかっていう誘いなら断る。後から行く。お前達の前を歩く気分にはならない」

「襲ったりしないわよ。私は補償してあげる」

「俺様はしない! ワクワクするのは嫌いじゃない。だが、先を譲るというのなら進むだけだ。どうやら隠し通路があるわけじゃ無さそうだしな」


 今頃長男のチームが先行しているはずだが、ここのダンジョンはどうにもひっかけている部分が存在しているので先に進むことが必ずしも得をするわけじゃない。

 頭を使った攻略が必要だろう。

 そういう意味ではヴェルズリという黒いオーガはともかくとしてメロンという名のドラゴン族は出来ているようだ。

 と言うよりはあのメロンというドラゴン族、次男を操っている気がするな。

 露骨なやり方をしない辺りが賢い気がするが、多分操っている。

 俺達に対して一瞥してから去っていくメロンとは違いまるで反応をしない次男と鼻で笑うヴェルズリ。

 完全にいなくなってからようやく深く息を漏らすリアン、背を伸ばすアンヌと若干興奮状態になっているディラブは去って行った方向をジッと見つめている。

 息を整え直すババルウ君は俺の方を見る。


「少し距離を開けてから先に進みますか? 多分何もしないとは思いますけど」

「どうだろうな。あのドラゴン族の奴もあまり信用は出来そうにないな。と言うかあの邪悪な気配を漂わせている二人は信用できない」

「邪悪な気配とはなんじゃ?」

「あの二人からは邪神と似た邪悪な気配を感じる」

「そんなの感じなかったよ? ディラブは感じた?」

「………ああ。あのヴェルズリという黒いオーガの方ははっきりと感じた。背筋がゾクッとするレベルのヤバさをな」

「そうなのか…儂にはあのメロンというドラゴン族の胸がメロンサイズを遥かに超えていたことが気になったがのう」

「それしか言わない気? 成長が無いわよ。でも邪神と似た気配を感じたって元勇者だから?」

「どうだろうな。俺が教会で聞いた限りでそんなことが出来た奴は居ないらしい。昔っからどういうわけかどんな良い人を演じている奴でも何故か邪悪な心の強い人間は見分けられるんだ」

「そういえばジャックさんは勇者の役目が完全に終わっているのに勇者の刻印があるんですよね? お父さんから聞きましたけど勇者の刻印は役目を終えたら消えると」

「らしいな。俺も最近知った。何故かは知らんけど。俺は助かるから別に気にしない」


 本当に気にしているわけじゃないので頭の隅っこにいつでも追いやっているどうでも良い情報だ。

 だが、いつの日か分かる日は来るのか、それとも一生分からないのかは少しだけ気にしている。

 まあ、考えても仕方がないから良いけどさ。


「そういえばそういう話じゃったな。そもそも勇者の剣を作っておらん勇者なんてジャックぐらいじゃろう? イレギュラー過ぎるぞ」

「背負っている剣が勇者の剣じゃ無いんですか?」

「違うんだ。これは拾い物。良い業物だったから頂戴しているだけさ。勇者の剣が欲しいけどな」

「だったら。僕が国王になれたらお父さんに進言してオリハルコンの手に入れられるように言いましょうか? 頼めば断らないと思いますけど。そもそも作っていないことに不満を口にしていたぐらいですし」

「そうなの? そもそもドライ最高司祭は近くまでいらっしゃって何故勇者の剣製造をしなかったのかしら?」

「何を考えているのか分からん男じゃからな。分かる日が在ればいいがのう。あまり期待せん方が良いか。墓まで一生持っていく可能性すらある」


 まあ、多くを語る人じゃないのは見た眼でわかる話だし、あの人の事だ誰からも勘違いされそうな生き辛そうな感じがする。

 そういえばアンヌを聖女として連れて行くときもあの人だったな。

 ついでに俺を見つけたからと言ってついでに付いていったんだよな。

 やけに「ついで」という言葉を多用していたのでよく覚えている。

 あれでは「俺が本命」と言っているようにも聞こえるから困る。


「いつか分かればいいですね。そろそろ行きましょうか。流石に遅れすぎるのも問題ですし」


 来た道を戻っていき俺達は元の場所まで戻ると柵が上がっており、長男のチームが次の柵の前で待っていた。

 嫌な待ち方だよな…俺達に柵を解除させる気満々じゃん。

 そう思って歩き出す中次男のチームが長男のチームにもう少しで合流するところだった。

 だが、俺は次の次の柵の方へと一旦視界が行く。

 次男のチームは何やら長男のチームと話してから奥へと向かって進んでいき、俺達はそれに遅れること五分で長男のチームに追いついた。


「行って解除して来いよ!」

「はいはい。ババルウ君行こうか」

「はい」


 ババルウ君は不思議そうな顔をしつつも俺達は真っ直ぐと薄暗い奥への道を進んでいき、開けた場所に辿り着いた瞬間に俺達はもう一度来た道を見る。

 今度は入ってから左手に広がる大きな一本道をしっかりと確認する。


「やっぱり。次の次の柵の後に出入口が在ったからもしかしたらと思ったけど、あの柵は囮ね」

「だな。この奥でボスが居ると見せかけて奥へと続く道があるパターンだな」

「兄さんは気が付かなかったんでしょうか? 普通遠くにあると気が付きそうですけど」

「単純そうな奴じゃから気が付かんかったんじゃろう? どのみち先に進んだ次男が姿を現せば理解するわい」

「だな。行こう。あの邪悪な気配が所々に残っているからこの先に進んだんだと分かる」


 しかし、広い廊下だな…人が横並びに十人ほどぐらいなら余裕で並べそうだ。

 それだけに何かトラップでもありそうで困るが、単純にモンスターが徘徊させているだけな気がする。

 まあ、先方が倒してくれるなら良いが、多分あのメロンという女はモンスターを操りそうな気がする。


「なあ。アンヌ。モンスター飼いや操る術を得ている奴って悪魔系やアンデット系も操れるんだったか?」

「出来ないわけじゃないけど時間が掛かるからこの場合はしないと思うよ。絶対とは言えないけど」

「有り得ん話じゃ無かろうが、現実的じゃないからそれは無いじゃろう。ましてや継承の儀式で使われるダンジョンじゃ難しいと思うが?」

「警戒して先に進んだ方が良いかもしれませんね。どのみち避けるぐらいなら出来そうです」

「出来るのか? そもそも俺は馴染みがが無いから分からんが」

「モンスター関係の能力保持者はそのぐらいなら出来る。流石にキング種やクイーン種まで操るのは不可能なレベルだが、それが出来る奴が居るのなら…」

「出来るならなんだ?」

「邪神クラスぐらいだな」


 俺はそう言いながらババルウ君の背をそっと触れながらも歩き出すことにした。

どうでしたか?

そろそろ邪神に付いて語ろうと思っています!

では次は赤鬼のオーガ第三十九話でお会いしましょう!

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