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湿地帯を目指せ 5

湿地帯を目指すにあたり大切なお話も混ぜつつ雑談回となります。

では本編へGO!

 リアンには事前にメッセージを送っておいたので放置、その内飽きてこっちに合流するだろうし、俺達は先に飯でも食べておこうという話になった。

 お酒、肉料理、魚料理、そしてデザートがテーブル一杯に置かれており、隙間なく置かれてしまうと買いすぎたかと少し不安に思う。

 まあ、この人数なら食べられるだろうから良いかと安堵することにした。

 問題は無いだろう。

 エロ爺が来たら足りなくなりそうだけど、あの人若い女性の体な上基本元老人なのであまり食べないのかと思ったが、意外と大食なんだよなぁ。

 口の中に大量のクリームを付けながら生クリームを沢山盛っている苺パフェをほおばるアンヌ、辛い骨付き肉を黙々と食べるディラブ、魚料理にナイフとフォークで食べている俺という構図が完成する。


「美味しい! オーガで美味しいデザート食べられなかったらどうしようと思ったけど」

「失礼な。オーガもデザートぐらい食べる」

「で。湿地帯へはどうやって向かえばいい?」

「この町を北に出て道なりに進めばある。一本道だから迷う事も無いだろう。入れば木で出来た橋を渡って行くのだが、中は似たような風景をしているので若干迷いやすい。目印も無いからコンパスのような道具が必須だ」

「だからオーガの若者に案内して貰えばいいと言っていたのか。湿地帯と言えば沼地だが?」

「ええ。じゃあ服変えようかな。靴も厚底ブーツにして…」

「? 服ってそこまで重要なのか? 最低限の守りさえできれば十分じゃないか?」

「だよな? ディラブの言う通りで最低限守りがあって好きな服なら十分だと思うが?」

「はぁ…これだから男子は。下着一つでも拘って過ごしたいの!」

「「パンツってそこまで重要か?」」


 アンヌにドン引きされてしまったが、イマイチ理解が追い付かない部分が多いのでここは飛ばした方が良いだろう。

 湿地帯か…モンスターはどんな種類がいるのだろうか?


「モンスターの種類は百を超えると言われており、トカゲのように爬虫類は地上型から水中型まで、魚も地上型が居るんだ。それ以外にもゴブリンのようなタイプからネズミのような獣タイプまで様々だ。あるモンスター研究家はあの湿地帯をモンスターの宝庫とも呼ぶ」

「大層な呼び名…ならよっぽど賞金も稼げそうだよねぇ。勿論ディラブは?」

「うん。知らなかったので倒して終わりだった。無論モンスターの素材なども回収していない」

「ディラブの後に入った人はラッキーだな」


 先ほど持っていた要らない素材を売り、討伐していた一か月分の討伐賞金を手に入れたので俺とディラブは懐が潤っている。

 アンヌもやればいいのに、この女は教会の方針を頑なに守ろうとするんだよな。

 俺は其処まで教会に従順になろうとは思わないんだが。

 ていうか、教会嫌いなのに従順なんだよなぁ…ルールは別っていう考えは分からない。


「なら、湿地帯で金を稼いでから首都に向かうか? ついでに腕試しもしたい。能力が使えないなら戦い方も少し拘った方が良い」

「でも。湿地帯でしょ? 基本雨じゃない? でしょ」

「ああ。雨五割。曇り四割。晴れ一割。それも快晴なんて年に一回あればいい方だ。もしその改正に行き当たればラッキーだと思えばいい。それぐらい基本曇っており、湿気が凄い」

「なら沼地と陸地。そこに木で橋が架かっている感じかな?」

「大当たりだ。それは先駆者達が苦労して作り上げたものだと聞いている。湿地帯は首都をぐるりと覆っているランドロス鉱山の中央部と外部の間の谷間に出来ており、砂岩と岩石帯の組み合わせだ。その砂岩に大量の水が長い時間を掛けて沼に買えたんだそうだ。土と岩石の上を歩いて北を目指す」

「やっぱり厚底ブーツに丈の短いズボンにしようかなぁ。でも私可愛いズボンって無いんだよね」

「? 戦う服に可愛さとは必要なのか?」

「完全同意」

「またこの会話?」


 アンヌに呆れられるが、突っ込まれたくないなら口に出さないで欲しい。


「ならこの市場でもうちょっと買い物して買い出ししておくか? 明日朝一番に町を出てそのまま湿地帯に入りたい」

「湿地帯の前で小さい集落がある。その集落で湿地帯の現状の情報を手に入れてから入ろう。元勇者のパーティーが来たと言えば入れてくれるだろう」

「それをネームバリューとして使うのか? 元勇者はあまり感心しないな」

「諦めたら? 誰をトップに立たせるかって言えばジャックでしょ?」

「せめて十将軍長をトップとしたパーティーにしよう」

「名前は何でもいいが。元勇者が一番だと思うが? まあ、その辺はお前に任せよう」

「そうだ。ジャック君は赤鬼のオーガって聖典の話は知ってる?」

「ああ。オーガの事は一通り調べたからな。なんで聞く?」


 アンヌは俺にディラブが赤鬼のオーガというオーガの名の由来になった存在の末裔だと教えてくれた。

 へぇ…ディラブがね。


「赤鬼のオーガ。オーガの事を指す言葉であり、オーガが外の大陸で思われている大凡のイメージがそれだろうな。他の種族を圧倒できるパワーや身体能力、地形を使った呪術において不可能すら可能にする力。女神の仲間に一番先に加入したと言われている女神の仲間だ。聖典とは聖天と呼ばれた女神の仲間たちの事を指す言葉だ」

「へぇ…なんで私より知っているの?」

「お前が知らないのは興味が無いからだろう? 俺はオーガに入るに至って調べたんだ。赤鬼のオーガが聖典に由来とする名前だとわかったからナーガが貯蔵していた本を一通り見た」


 ディラブはアンヌを見る。

 教会関係者でありながら聖典をあまり良く見ていないもどきを。


「アンヌは教会が嫌いなのだったな? なのに教会の方針には従っているのか?」

「どっちかにしろって話だよな」

「ふんだ! 良いでしょ? その内辞めてやるんだから」

「その言葉を俺は学校で何度聞いたかな? お互いに勇者と聖女に選ばれた時にさ」

「フム…二人は幼馴染と言うやつか。同じ場所が故郷なのかな?」

「違うな。俺は辺境の村。アンヌは知らないんだったな?」

「うん。孤児出身だしね。どこぞのお偉いさんって話だったけど。孤児院の先生も知らないって言っていたし」


 デザートだけ自分一人で食うような勢いで食べているのだが、譲る気はあるのだろか?

 まあ、要らないけどさ。


「リアンが来たぞ」


 俺とアンヌは冷たい目でリアンを出迎える。

 リアンは俺達の視線に耐えきることが出来ず低い姿勢で「飲み物を買ってきましょうか?」と言い出したのを俺とアンヌは「要らない」とハッキリ断った。

 この馬鹿には先に説教なのだ。

どうでしたか?

この赤鬼のオーガというお話の中心へと少しづつ迫っていく感じを感じ取っていただけたら幸いです。

では次は赤鬼のオーガ第二十一話でお会いしましょう!

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