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湿地帯を目指せ

ランドロス鉱山は脱出して次は湿地帯に到着する前までのお話が始まります。

では本編へGO!

 明るい太陽がすっかり真上を向いており、時刻を見ても丁度お昼時なのだろうという事が周りの風景で良く分かる中、俺はそんな高く上がった太陽を窓から眺めながら「お腹すいたなぁ…」と思った。

 と言うのも実は今現在俺達は訪れた川沿いの町『ランドロス鉱山東管理区』と呼ばれている町の酒場に来ている。

 昼食を食べる前にこの管理区を任されている管理区長から詳しい話を問い尋ねられており、主にディラブが代わりに話をしてくれていた。

 やはりこの町の人達はあの鉱山の異変には気が付いており、首都に連絡を飛ばして返事を待っていたようだったが、そこで俺達が鉱山の方からやってきたので面食らったようだ。


「気が付いていたのなら解決すればいいのにな」

「無理言わないの! 普通の人が相手にできるわけないでしょ?」

「しかし、儂は眠いから寝させて欲しいぞ…老人を…」

「もう老人じゃないと言っているだろう? 若いんだから若者として弾けとけって。老人気取りとか言われたくないなら」


 俺の突っ込みに悲しそうな寂しそうな顔をしているリアンを完全に無視していると、ディラブの取り調べは終わったらしく俺達を見る。

 特に俺の方を見る管理区長と呼ばれている短めの黒髪のオーガがジッと俺を睨みつけてくるが、男性なんだよな?

 今のところ俺は女性のオーガを見たことが無いので分からない。


「貴方が十将軍であるという証明をしてほしい。同胞を疑っているわけじゃないが…念には念を入れて」


 俺は上着を脱いで胸元の刻印を見せると渋々みたいな顔で認めてから目をつむる。

 何を考えているのか分からないまま再び目を開けた時頭をそっと下げた。


「まずは感謝する。あの坑道の出入り口がモンスターが塞いでしまい中の様子の確認も出来なかったのだ。首都に連絡を入れようとして手紙を送ったが、どうにも湿地帯でトラブルが起きているとかで手紙も届かず。この有り様だ」

「ディフェンダーに連絡は入れなかったのですか? 入れれば行動を起こしてくれるはずですが…」

「湿地帯のトラブルを解決するのに出かけているらしく、緊急性が低い案件は後回しになっているんだ。坑道内のトラブルは今現在命に関わったり流通に悪影響になるレベルではないと判断された。湿地帯のトラブルは流通などに大きなトラブルになるとな」

「湿地帯は必ず通るのでしょうか?」

「ああ。基本はな。湿地帯は首都から流れている最も大きな四つの河を含めてぐるりと一周する形で存在しているんだ。河を通れば問題は無いはずなんだが。モンスターが活性化したりすると船が襲われるので駆逐しているのだ」


 という事は今船に乗って首都に向かってもその手前の町で足止めを食らうという事だ。

 これは湿地帯を突破した方が良さそうだな。


「この町にディフェンダーの支部は無いと?」

「無い。此処はあくまでも石材や鉱石を分けて首都に運ぶだけの場所だ。最低限の宿場と飲み食いが出来るだけの場所しか無い。だから船でこの上流にある『メルバー』という町に行けばあるさ。大きな街で東側では多分首都を覗いて一番だ。そこを東に真っ直ぐに河を上っていけば首都だ」

「まずはその町へと進もうか」

「待ってくれ! 儂! 眠い!」

「すまないが。客人を宿泊できる施設は無い。寝るのならメルバーへ行ってからが良い」


 絶望的な表情をするリアンを無視して俺はテーブルに立っている店の男性主人に話しかける。


「すまないが急ぎで軽く食べられる昼食と飲み物のセットを四人分頼めるか?」


 店主は寡黙で黙って頷いて急いで作ってくれたのはホットドックとポテトフライ、飲み物は簡単な水筒に入れられている。

 それを受け取ってから嫌がるリアンを引き摺りながら小さなボートに乗り込んでから陸地を後にする。

 ボートで一時間で到着できるという話なので先に昼食を食べておくことにした。


「リアンはまだ不満なのか? 諦めろって。それにここで寝たらそれこそ夜寝れなくなりそうだぞ。それより到着したらの事を話そう。用事がある人間は挙手」


 俺はホットドックを食べながら訪ねる中、手を挙げたのは俺とアンヌとディラブである。


「アンヌとディラブは分かるが、ジャックはディフェンダー支部へと顔を出すのか?」

「? 嫌。別の用事。探し物をしに行く。だからリアンにディフェンダー支部への報告と宿屋の確保を頼むな。夕方までに先に決めておいた場所に集まろう。到着次第それを決める。その後、解散」

「私は意義無し。私は武器屋に行ってくるね。レイピアが壊れそうで…」

「俺は村への連絡を出す。電話が使える場所があるはずだ」

「…え!? 儂がやるの!? なんじゃ!? 探し物って!」

「なんで言わないといけないんだ? 元々俺が旅をしたい理由の一つだし。多分夕方まではかからないけど、どのみち暇だろ?」

「暇でしょうお爺ちゃん」

「暇だろう? エロ女」

「待て。もうお爺ちゃんと言われたり爺と言われるのは諦めるのはエロ女は勘弁してくれ! と言うか! なんじゃよ!? 用事!」

「探し物だって言っているだろう? 言い難い案件なんだよ。答える気もないしな」

「とか言って。本当は暇なのに儂に仕事を押し付けようとしておるんじゃ!」

「なら。してやろうか? 圧倒的な魔力で」


 俺は睨む。怯むリアン。


「圧倒的な魔力を使わずとも黙らせたな。まるで蛇に睨まれた変える状態だな。邪神に睨まれたゴブリン」

「邪神に睨まれたらゴブリンは多分死ぬと思うな…あれ眼光だけで軽い魔物は殺せるはずだし」

「やってやろうか? 魔力を眼光に付与するだけだからできるぞ…今なら。威圧感のスキルも相まって可能になる」

「いや…引き受けさせてもらいます」


 ホットドックをむしゃむしゃと食べながら黙り込むリアンはそっぽを向く。


「じゃあそんな感じで」

「でも。私気になるなぁ…何? 私にも黙っている理由。と言うか今まで話してくれなかった理由」

「恥ずかしい理由だから。それに…お前にとっての俺って何? 最近お前との距離感がイマイチ分からないんだけど?」

「隠し事をされたくないの」

「その距離感が怖い。お前だって俺に隠し事するだろう? 俺聞かないだろう?」

「興味ない?」

「無い。断言できる。誰にとっても秘密はある。それが事の深刻さを招くなら聞くし、問題行動に走らせるのなら調べるけどな」

「ジャックは? お前はどうなんだ? 俺にはお前の探し物が深刻ではないがそこそこ問題が深そうに見えるが?」

「……でも個人的な話だし、それに今話しても全てが推測だからさ。核心に至ってそのうえで話をする覚悟が出来たらな」


 あくまでもお茶を濁す俺。

 今話すつもりはないのだ。

どうでしたか?

次の町は其処まで大きな規模にするつもりはありませんが、次のお話でジャックの旅の理由も何となくではありますが語りたいと思っています。

では次は赤鬼のオーガ第十七話でお会いしましょう!

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