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ランドロス鉱山坑道東区攻略戦 4

ゴブリンって定番すぎて使わないでおこうかなって思ったんですけどね…やっぱり使い勝手良いので使いました。

それはスライムも同じか。

では本編へGO!

 ランドロス鉱山坑道が完全にダンジョン化したのはここ最近の話だが、ディラブ曰く「元々ダンジョンなりつつある場所での採掘場」とのこと。

 なので専用の採掘士が必要になり、モンスターであるゴブリンを品種改良したのがオーク、正式にはゴブリンの亜種タイプであり、オークは人と言う種ではないのだ。

 あくまでもオーガが作った家畜であり、ダンジョン以外で生活しても本来の力を発揮できない。

 四六時中働いても問題が起きないほど体は屈強で、体格や慎重に個体差が出来るのは長く生きているかどうか。

 まあ、知性は人の半分以下で言語を理解できるようになるのには大体百年はかかる。

 本来のオークと呼ぶべきオーガは会話に不自由することは無いほどに言語能力を持っているわけだし、実際凄く五月蠅かったという印象を抱いていた。


 俺達が今現在いるのはランドロス鉱山坑道東区の二階、ここにはどうやらゴブリン種が無数に住み着いているようで、あちらこちらからゴブリン独特の息遣いが漂ってくる。

 ゴブリン。

 二速走行で移動し基本的な身長は小さくて大体ホビットと同じぐらいだが、キング種クラスになると三メートルを優に超える。

 基本鈍器などの武器を扱い集団での戦闘を好むが、戦闘での知能はモンスターの中でも非常に低く戦術と呼べるものは存在しない。

 その上非常に短気で近づいていっただけで襲い掛かってくることもしばしば。

 と言うか珍しくないのだ。

 ゴブリンはモンスターの中では一般的に良く知られている種であり、ほとんどの環境に適応している。

 適応していないのはこの前のような周囲が水で覆われているような環境だ。


「目の前にゴブリンの一般種が三体だな。こん棒装備。まあ、雑魚だな。アンヌよろ」

「あのね。私がやるならアンタが一撃で殺しなさいよ」

「言い争いをしている間に儂等でしておくか。前の戦闘はいまいち消化不良じゃったからな」

「そうだな。あの二人の兄妹喧嘩に巻き込まれたら構わん」

「「兄妹じゃない!! ただの幼馴染だ!!」」


 俺とアンヌが吠えていてもまるで気にする素振りを見せない二人、ディラブは斧を両手でしっかり構えてから降りまわしてジャンプしながらこん棒を振り上げたゴブリンの胴体を容赦なく切り裂く。

 リアンはゴブリンが振り回すこん棒をギリギリで避けながら接近していき、腹めがけて聖術で強化した右足を叩き込み爆発させた。

 最後の一体もディラブがあっさりと倒したところで俺とアンヌは面白くないという顔をする。


「あっさり終わったな」

「良いではないか。お前さん達の言い争いを聞いていると無駄に時間を食うのでな。しかし、複雑にこそ作られておらんが、結構広そうじゃな。徘徊しているゴブリンの数もえらい多いしな」

「仕方ない。元々はダンジョン化しかけていた場所を採掘用にと当時の国王が命令して作ったと聞いた」


 先に進んでいき曲がり角を前に俺はディラブに「どっち?」と聞くと、ディラブは「左だ」と簡単に答えてくれた。

 どうやらこの辺りの地図は既に頭の中らしい。

 俺はさっきの地図をディラブ達に渡してしまったので良く分からないのだが、ディラブはしっかりと確認してくれているようだ。


「しかし、オークの支配種や奴隷種という呼び方からして察していたが…やはりオークそのものはモンスターだったのか?」

「ああ。元々俺達オーガは呪術に秀でており、都市そのものを隠す傾向があるのだ。村から首都まで全ての町は呪術で隠れていると言ってもいい」

「歩く以外に移動方法内の?」

「大きな街などは川を使った移動方法があるが、それ以外は流石に歩きだな。だから、ここを出ればまずは川沿いの大きな街を目指し、そこから船で移動する」


 歩いて十分ほどすると広めの場所にでてきて、中には採掘用の機材が放置されているが、その一番奥に偉そうな金属系の防具を身に纏っているゴブリンを発見した。

 一瞬キング種がいたかとも思ったが、にしては背は先ほどの一般種と変わらないうえ、装備も凸凹の鉄の胸当てと刃こぼれしている短剣。


「上位種か? 俺最上位からキング種に近い種しか見たこと無いから分からないんだが?」

「上位種と下位種の丁度中間あたりかな? あまり強くなさそうだけど、このあたりの管理監督って感じ」

「じゃな。まああれを倒して周りに集まっている十体のゴブリンを倒すって感じじゃな」

「あのちょっと強い奴は誰がやる?」

「アンヌ。速さなら負けない。まずあれを奇襲してアンヌに視線を向けた所で俺達が一斉に攻撃する。異論は?」

「無い。私は奇襲してから他のゴブリンを殺せばいいわけ?」

「そういう事だな。俺達はジャックの合図で攻撃。俺は攻撃速度は遅い方だから手前から攻撃する」

「なら儂はアンヌと共に奥の方をやろう。ジャックとディラブが手前じゃな」


 俺はアンヌに「GO」と合図を送ると、地面を蹴る音としてはあり得ないほどの爆音が鳴り、俺達の鼓膜を振動してくれ、同時に蹴った際の砂埃で口がじゃりじゃりと言う音をさせる。

 金属の簡単な防具なんて素肌と同じと言わんばかりにゴブリンのリーダーをあっさりと肉片に変える一撃、他のゴブリン達も唖然としたのはほんの五秒ほど、素早く攻撃に移ろうとするが、それを俺達が更に襲撃。

 まあ、作戦を練るほどの敵ではないが念には念を入れて。

 なのであっという間に駆逐して終わる。


「ゴブリン程度なら苦戦しないな。ゴブリンは本能のままに争うからやりやすい」

「初心者に優しいモンスターじゃからな。集団での戦い方や相手への攻撃の仕方など色々と試すには十分な相手じゃな」

「俺も武者修行をし始めたばかりは良く相手をしてもらっていたな。手ごろな相手だ。しかし、そんな奴がこの奥の方に集まっているのか?」

「ならこれ出口に向かえば向かうほど厄介な敵が集まっているという事にならない? 普通逆だよね?」

「どっちでもいいさ。此処には無いな。まだ奥か?」

「もう少し奥だ。あそこにある細道を少し行けば電源のある部屋まで行ける」


 そこまで行こうという話になり指定された部屋に行くとキング種が待ち構えているという感じもしなかった。

 電源を入れるための装置を発見し俺はレバーを降ろす。


「そういえば。さっき見つけたオークの支配種だけどさ。おかしくないか? なんというか…思考が若干暴走しているというか」

「考えがおかしいといった所か? らしくない考え方じゃとは思うがな。あのノルヴァスが操ったという事か? モンスター程度なら操れるじゃろうが…ならやはりあの男は聖術の使い手という事に」

「なるね。間違いないよ。私達の動きに合わせることが出来ていたし、と言うよりあの人多分だけど古流剣術の使い手だと思う。連撃を得意とする型」

「連撃?」

「古流剣術は色々と種類があるが、俺達のように一撃で倒すことが出来る型と攻撃を連続で叩き込むことで敵を確実に倒すことをモットーにした型の二種類がある」

「連撃は攻撃を捌くことも得意だから厄介なんだよね…私苦手」


 俺とアンヌはああいう連撃の型が一番苦手なのだ。

 俺達の持ち味がまるで生かせないというか、実際二人掛かりで若干苦戦しているという感じだ。

 まあ、お互いまだ実力を出し切れていないから結果は分からないが、それでもあのノルヴァスという男は強い。


「あの剣も何処かで適当に拾った剣なんだろうな…」

「そんな感じじゃったな。あまり愛着がある感じではない。しかし、不気味な男じゃよ。何が目的なのやら。と言うか下手をすればあの男に目的なんて存在しないのかもしれんが」


 それは嫌だな…と思う俺だった。

どうでしたか?

ランドロス鉱山坑道東区攻略戦もついに四話目となり、ここからゴブリンをはじめワームやゴーレムなどおなじみと言ってもいいモンスターも登場していきます。

では次は赤鬼のオーガ第十二話でお会いしましょう!

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