ランドロス鉱山坑道東区攻略戦 3
ランドロス鉱山坑道東区攻略戦三話目となります。
モンスターの種類も色々と出てきますね。
では本編へGO!
催涙ガスが消えていくとそこには誰も居ない空間が残っているだけで、俺達は結果からすれば唖然としたままで戦いを終えてしまった。
蓋を閉じた以上は下に戻ることも出来ないので、ダンジョンの出入り口から出ていくしかないわけだが、ダンジョンの最奥からスタートするというのは初めての経験だったりする。
しかし、この奥から感じる感覚から見てもどうやらクイーン種やキング種と言ったクラスのモンスターが徘徊しているようだ。
最高難易度クラスまで高まっていると見ても良いだろうと思い、同時に服を着替えて戦闘用にきちんと切り替えるべきだと考えカバンに手を突っ込む。
中から一式取り出して背中に背負っている鞘をベルト事外して甚平の上を脱いだ瞬間アンヌが叫び声をあげる。
「ちょっと! 待ちなさいよ! なんでおもむろに脱ぐ!?」
「ダンジョン攻略ならきちんとした服に切り替えるべきだと思って…? 別に気にならなくないか? すっぽんぽんになるわけじゃないし」
「女性がいるわけだから気にしなさいよ!」
「え? 俺の裸を見たことのあるお前や中身はエロ爺の目を気にしろと?」
「儂も構わんよ」
「構って! 良いから物陰に着替えなさいよ! ほら! その辺あるでしょ!?」
仕方がないと思いながらも物陰へと移動していき、パンツ一丁になりまず脛一帯に金属の防具が付いているズボンを履き、素肌の上から革のベルトをズボンの前と後ろに装着して肩アーマーの位置を確認する。
そこから先ほどの甚平を羽織り前でしっかりと縛る。
その過程の最中俺は気になってしまったことを聞いてみることにした。
「なあ。リアンは下着をつけているんだよな? 戦闘中とか時折見えそうになるけどさ…下手をしたらブラジャーも装着していないんじゃいのか?」
アンヌとディラブは同時にリアンの方を見て「どうなの?」みたいな視線を向けるわけだが、リアンは大きな胸を突き出してまるで見せつけるかのようにはっきりと告げた。
「無論着けておらん。どうにもブラジャーやパンティーというやつは苦手じゃ…」
「こっち来なさい」
「いや。儂はいらんよ。見られても困らん」
「どうして私のパーティーは皆見られても平気な顔をするの!? 普通見られたらいやじゃない!?」
「見せておけばいいだろう?」
「俺も構わない。と言うか他人の目を気にするだけ無駄」
「儂は下着はピッチリし過ぎて苦手じゃ」
「良いからこっち来なさいエロお爺ちゃん!!」
奥に連れて行かれて下着を強制装着されているのだろうと思うが、俺が物陰から出ていくと岩の向こう側から「嫌じゃぁ!」やら「良いから着けなさい!」やらが聞こえてくる。
俺はその間にディラブへと向き直る。
「ディラブは魔法のポーチは持っていないんだな?」
「? ああ。そのポーチか。高くてな。まあ最低限の着替えぐらい持ち歩ければと思って。飲み食いはその都度調達するし。それはそんなに便利なのか?」
「ああ。ホビット族が作った魔法のポーチ。ただのウエストポーチに見えるけど、中身は登山用のカバン三つ分の収納スペースがある。まあ、その分荷物を詰め込めば重くなるが、大きなものを背負うよりはましだな」
「なるほど。確かに邪魔にならないな。だが…高いだろう?」
「まあ、俺は勇者時代に買った奴だし、リアンは元々持っていたらしいし、アンヌも聖女の仕事で支給された品だしな。ディフェンダーなんかは皆持っているから買っておいた方が良いぞ」
高いというのも分かる。
その辺でも購入できるがその分かなりの値段を誇るのでホイホイと手を出せないのだ。
適当なところで手配獣でも始末して資金調達でもするか?
悩ましい所だと思っていると、アンヌがリアンを連れて戻るわけだがリアンは物凄く嫌そうな顔をしている。
「この肌触り…いやじゃ…」
「黙って着けていなさい! 全く…」
「とりあえず先に進みますか」
先に進むのにも一苦労と言う感じだが、人の手で広げられたであろう四角い通路を歩いていくと次第に薄暗くなっていき、灯が少なくなっていった。
おかしいな、先ほどの空間は明かりがちゃんとついていたのだが。
「でも灯そのものはあるから電気が通ってないんじゃないかな? まずはそっちを探してみる?」
「そうだな。近くにあればいいが」
「あるはずだ。灯は各所に配置されているから。この近くにもある」
ここが何処なのかという事もきちんと把握しておきたいところだが、とりあえず俺は指先に炎を作ってそれを灯側にする。
今魔力を無駄遣いをしていると思っているが、灯を付けるまでの我慢だと言い聞かせると、鉄の扉を発見した。
扉を開けて中へと入っていくと、また暗く狭い空間、その奥にはレバーが落ちておりディラブがレバーまで歩いていき持ち上げる。
すると周囲の明かりが眩しく照らされていく。
「あ。此処に今の場所が掛かれている地図発見。ここ地下五階だね。出入口は地上一階にあるみたい」
「上に登っていくわけか…エレベーターみたいなものはあるんだろう?」
「この電力だけで動くかは分からんぞ? こういう場所は複数の場所に電力を送るレバーがあるはずじゃ」
「確かそうだったはず。上る為のエレベーターを動かす為にの電力はこれを覗いて三つ分は必要だったはず。昔村長がディフェンダーにそう説明していたのを覚えている」
まあ、あの大声からすれば聞こえていてもおかしいわけじゃない。
「だが、基本電力は落とさないはずだが…あのヒューマン族が落としていったのかもしれないな」
「ねえ。この鉱山は他の鉱山とも繋がっているの? この地図幾つか行き先が分からない道があるから」
「そのはず。この鉱山は大きすぎて幾つかの区画に分かれている。此処は東区にあたる。多分中央部へと繋がる大きな門と南区に繋がる門があるはずだ。基本閉ざしているはずだが」
「あのノルヴァスがそっちに逃げた可能性があるわけだ」
「どうだろうな。その門を越えて移動するかどうかは不明だし、まだ誰も発見されていない抜け道がある場合もあるしな…」
「出入り口まで移動すれば分かるわい。まあ、本人がその出入り口で魔壬生瀬している可能性もあるわけじゃから気を引き締める必要性があるわけだ」
とりあえず先に進んで大きな空間に出る必要がある。
先ほどの廊下に戻ってから俺達は明かりにそっと歩いていき、大きな空間にできた。
所々存在している明かりがこの東区の鉱山の広さを物語っており、角ばった凸凹が至る所にある。
どうやら石を掘っているというよりは切って出しているといった方が正しそうだ。
この辺りは違うのだろうか?
「鉱山と入っても必ず鉱石を手に入れる為に掘っているわけじゃない。中には石材の入手なんかもあるはずだ。この辺りは石材を切り出して上に持ち上げているようだ」
上を見ると薄っすらとだが出入口と思われる場所が見えた。
正面にあるエレベーターと思われる乗り物を発見したが、無論電力不足で動くわけがない。
「どうやら最上階だけはこのエレベーターだけでしか行けないようじゃな。電力は二階と三階と四階に一個づつ。合計三つを起動させねばならんようじゃな」
「それと、上を見る限りゴブリンタイプとワームタイプとゴーレムタイプが徘徊しているみたい。多分この様子じゃこの鉱山が放置されたのはここ一か月程度だね」
「一か月でキング種やクイーン種が生まれたという事か。まあオークが管理できていないとするとそうなるか。ゴブリンを改良して作ら他のがオークだしな」
「どのみち電力を入れてから逃げる必要性があるわけだしな」
俺達はまずは二階を目指そうという話になった。
どうでしたか?
ジャック達の軽い雑談を聞きながら先に進んでいければと思います!
では次は赤鬼のオーガ第十一話でお会いしましょう!




