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ランドロス鉱山坑道東区攻略戦

新たなダンジョン戦開始回となりますが、まあオークとオーガの違いをはっきりと理解していただけたらと思います。

あの男が再登場です。

では本編へGO!

 操作盤まで移動してからアンヌが操作し始めるのだが、俺はそれ以上に気になることがあり近くの大きな石やそれによって壊された上にあるアーチ状の建築物の破片。

 落石があったという事は上から石が落ちてきたという事、しかし上にあるのは大きすぎる大穴のみ。

 ここは穴の中心で、しかもよく見るとあちらこちらに石が落ちているし、何より四つに分かれている道も落石で穴が開いている場所もある。

 石が落ちてくる状況か、リアンも同じ部分が気になったらしく先ほどから下にある水面をジッと見ている。

 水の上に作られたこの建築物、下にある水を上に組み上げる為に作られているようだが、やはり何かがおかしい。


「駄目だね。システムが管理している水を循環するためのエネルギーを無理矢理上に送られているみたい」

「上? この上にある坑道に?」

「と言うよりは話題に出た卵じゃないか? この岩と言い。おそらく何かで隠していた蓋を開けたんだろうな。それで上から落石した」

「じゃな。此処が破壊されなかったというよりは建築上ここは守りを強くして置いたという感じじゃな。この上にある卵にエネルギー送る為じゃな。じゃが、あそこから入ってきたら流石に村人が分かると思うが?」

「それは無い。あの村にはオーガ以外に入れないし、何より入ったらそこのエロ女が言う通り分かるからあそこから入ったわけじゃない」

「エロ女……」

「だね。此処から弄っているわけじゃないみたいだね。ならこの上に操作盤が別にあるんじゃないかな? えっと…上に上がるには…」


 アンヌはビシッと指を指した方向には一本道が進んでおり、その先にエレベーターのドアがある。

 近代的な装置だな…ロストテクノロジーだったものの一つか。

 ならこれを作ったのはホビットか。


「あれで上まで一本だね。行ってみる?」

「引くんじゃないのか? そういう話じゃったじゃろ?」

「ここまで調べてただ引くわけにもいかないだろう? 最低限でも卵を見ておいた方が良い」

「俺も同じ意見だ。出来れば見ておきたい」

「だね。お爺ちゃん…行くよ」


 リアンが心底嫌そうな顔をしているが、全員が完全ガン無視をしている。

 仕方なさそうに歩き出すリアン、全員でエレベーター前まで辿り着くのだが不思議なつくりをしている。

 最近作った物じゃないのは確かだが、素材がパッと見分からない。

 まあ、今気にすることじゃないので俺達はさっさと上に登ってみることに。

 上がり始めてあっという間に辿り着き二人ほどの横幅を通り大きな空間に顔を出す。

 視界に移る大きすぎる卵が壁などに支えられながらぶら下がっており、下には大きすぎる穴。


「あの穴の底が先ほどので合っているのか?」

「ええ。で、操作盤は上。待って…! ジャック! あそこ!」


 アンヌが指を指してしてきている場所、どうやら卵に最も近い場所に緑色に身だしなみが多少良いオークと先ほどの商人が立っているが、問題は更にその後ろにいるヒューマン族だ。

 俺とリアンは知っている。

 あの牢屋の中で俺達を見ていた優男…名を『ノルヴァス』だった。


「間違いない。ノルヴァス。此処に来ていたか」

「あの男なのか? 中央大陸で暗躍していたという男」

「間違いないわい。暴走状態でも分かるあの屈託のない笑顔と同時にまるで表情の裏を読ませない佇まい」

「やっぱりあの商人グルだったんだね。多分ナーガでの脱獄騒ぎも…。内容もそんな感じだよ。あの商人があの脱獄囚を手引きしたみたい」

「リアン。帰るのは諦めろ。此処で事件を解決してしまった方が良い」

「…何故?」

「あの卵。孵化しそうだ」


 中で動いているという事はもう孵化しそうになっているのだ…中から出てこようとしている。

 それにあれは卵と言うより蛹だ。


「なら三手に分かれるべきだと思う。此処は元勇者に任せる。お前がリーダーなのだろう?」

「リーダーを襲名したわけじゃないが…どうだ? 二人とも?」


 リアンは帰れないことにショックを受けているが「良いんじゃないか?」と同意、アンヌも「意義は無いわ」とだけ返してきた。


「なら俺はまずあの卵を破壊する。ただ、あれを破壊しつつ周囲への被害を抑えるとなると術を作るのにも時間が掛かる」

「ならあちら側を襲撃しつつ下への被害を抑える為に蓋と流れを操作する者に分かれると?」

「ああ。俺があの卵を襲撃。リアンとディラブがあいつらを襲撃して意識を逸らしてくれ。アンヌは急いで上に移動して操作してから素早く合流」

「ジャック君は破壊してから合流?」

「だが、あまり期待をするな。破壊した状態なら体内にある魔力量は半分以下まで落ちるからな。深追いをする必要はない。特にあのノルヴァスと言う男は危険だ。深追いをすればこっちが危険を冒す羽目になる」

「あの二人は? パッと見た感じそこまでの実力者じゃないようだが?」


 その通りだが、それでもこんなダンジョンの奥まで来ているという事はそこそこの実力者だろう。

 ノルヴァスの介入が無ければリアンとディラブだけで勝てる。


「できれば捕まえたいが…最悪は殺した方が良い。先ずはこの場所で起きている事件を一旦鎮火する方が先だ」

「それが良いじゃろうな。はぁ…アンヌよ。あの蓋を閉めたら…」

「エレベーターは止まる。帰りはダンジョンから帰ると考えたほうが良いね」

「無理だな。このダンジョンの出入り口は村の方には繋がらない。それより蓋を閉じた時点で水は元に戻るのか?」

「戻る。それは絶対。だから私達が上手くやったという事は分かるはずだよ」

「なら。このままダンジョンを出て近くの町に移動してから連絡を入れたほうが良いな。早めに動こう」


 リアンがますます嫌そうな顔をしているが、現在最も働いていないのだからやる気ぐらい見せてほしい。

 俺が魔術を使うために右腕を前に、左腕を十字に組み始める。

 同時にリアンとディラブは隠れながら接近していき、アンヌは素早く上の階まで移動し操作盤を弄り始め、リアンとディラブはアンヌの操作と同時にオークと商人の間に割って入り襲撃する。


「これはこれは。リアン元国王。美しいお姿に御なりになられて」

「お久しぶりじゃのう。ノルヴァスとやら。お陰様でな。立派な胸に死にそうになったわい。それと、商人どもお久しぶりじゃ」

「まさか…つけられていたのか!?」

「それは無いだろう。別の出入り口。そこのオーク殿が隠していた隠し通路を使ってここに来たという事か。やはり、話で聞いていたのは元勇者一行。で…!?」


 アンヌがレイピアをノルヴァスへと突き出すが、余裕をもって後ろに跳躍、これで一対一の状況が成り立った。


「オーガ! 貴様ヲ殺ス!!」

「言語が不十分な家畜風情がほざくな。此処にいた他の家畜はどうした?」

「おや? そこに見えるだろう? あの大きな卵がそうだよ」

「まさかオーク達を犠牲にしてあれを?」

「我々ノ悲願ノ為ダ!」

「悲願ね…家畜に生まれたことを後悔しているのなら何故家畜の命を奪う事をする。結局で貴様は自分の命より彼らの命が下だと見た。ならお前も結局で我らと同じだ」

「ハハ! 言い返されたね。まあ、その程度がオークかな? で? ジャックは何処だい!」


 空間が振動していきやっとノルヴァス達は俺の居場所に気が付いたようだが、もう遅い。

 あの質量の物を周囲の被害を無く作る為にはブラックホールの攻撃範囲をギリギリまで調整するしかない。

 発動前の術式を維持すること以上に魔力の消耗激しさは存在しない。

 体積分を消滅させる分だけの魔術を展開する。


 爺さん…あんたのお陰で術式をステップで来た。

 高位の魔術を組み合わせた術式はコピーするだけでも相当の魔力を消耗するが、同時にそれを調整できないという弱点があるが、あのお爺さんが使っていたオリジナルの術式を作り出す技術があれば詳細な調整が出来る。


「無制限吸収圧縮魔術式解放」


 着弾すると同時に物凄い勢いで吸収を始めていき、あっという間に卵を飲み込み消していくが、それは穴を塞いでいく蓋を襲うことなく威力ともにうまく調整で来た。

 完全に消えると同時に俺は『フウ』と息を吐き出してから顎下から垂れている汗をぬぐう。


「ハハ! 面白いじゃないか! 見たこともない術式だ! これが邪断の元勇者の実力かな?」


 ノルヴァスは楽しそうな表情を浮かべながらも瞳の奥には不気味な黒々しさをまとわせていた。

どうでしたか?

ノルヴァスが再登場しましたね。

彼はこの後も重要なキャラクターなので何度かジャック達の前に立ち塞がります。

では次は赤鬼のオーガ第九話でお会いしましょう!

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