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大陸横断地下通路攻略 2

大陸横断地下通路攻略戦二話目となります。

今回のダンジョンはシンプルなので然程難しくありませんが、これから難しいダンジョンを次々と書いていかないといけませんね(苦笑い)

まあ、前向きに行きましょう!

では本編へGO!

 サハギン系統の初期である一般種、薄緑色の体色にトカゲと魚と人を足して二で割ったような見た目をしているのだが、背丈は一般のヒューマン族の男性程度はあるのだが、何せ猫背なので見た目は低く見えてしまう。

 正面に五体ほどいるのだが、大きな橋のはだ初手の方なのでこんな場所で接近遭遇するとなると後々更に強い個体と遭遇することになる。

 しかし、サハギン種か…結構久しぶりだな。

 邪神城一帯では無縁だったからな…スライム系統はキング種に何度も出会ったから珍しくないんだけど。

 もう面倒だからメビウスインパクトを使うかとも思ったのだが、橋が耐えられるとは思えないので俺はメビウスインパクトを一旦作りつつ術式圧縮して攻撃範囲を絞っていると、俺の一連の仕草を見てアンヌがドン引きしていた。


「なのさぁ…一回一回俺の行動に引いていたらきりがなくない?」


 そんなことを言いながら俺はサハギン種の真ん中の個体に対してメビウスインパクトをぶつけると、目にも止まらない速さで吹っ飛んでは消えてしまう。

 うん…威力としては十分だろう。

 派手さが難点だとは思ったが、さて…先ほどあの爺から学んだオリジナルの術式を作っては試す気概が現れた。

 意気込んでは作ろうと思っていると物凄い衝撃音が俺の左側からやってきて、目の前で陣形を組んでいざ襲い掛かろうとしていたサハギン種を肉片に変えてしまった。

 そして、サハギン種が居た場所にはアンヌが小さいレイピアを握りしめて突き出している。

 はい…この女一撃で全てを終わらせやがった。

 面白くもない。


「凄いですね! 一撃で全てを…」

「面白くもない…この中身エロ爺に活躍する機会を上げろよな」

「じゃあ、強個体が現れたらリアンさんに譲ってあげるね」

「いらん。断じていらん! お前さん達だけでやってくれ。しかし、強いの…流石聖女」

「いや…この聖女と他の聖女を同一視したら他の聖女が困るから。こいつだけだよ…この化け物」

「ナーガの化け物に化け物って言われたくない」

「さあ…あの化け物二人が道を切り開いてくれたからの…儂らはさっさと先に行こうではないか」


 リアンに連れられるようにホビットの商人は歩き出し、赤いオークも俺達を一度ジッと見ながら歩き出していく。

 どうにも俺達はのけ者にされている気がするのだが…気のせいだろうか?

 もしかしたら、アンヌの化け物っぷりにドン引きされているんじゃなかろうか。


「アンタに化け物だって言われたくないって。理解しなさいよ…この化け物!」

「だから! 一瞬で全てを瞬時に片付けることが出来る人間に化け物って言われたくないんだって! 理解しろよ! この化け物!」

「ほれほれ。いい加減歩く。歩く」


 リアンから進められるように俺とアンヌは歩き出していくのだが、お互いにお互いの化け物という内容がまるで理解できない。

 また歩き出すと同時に今度は緑色のスライムが俺達の目の前に飛び出してくるのだが、ぶよぶよした見た目と同時に人の頭三つ分ほどの大きさがゴロゴロと転がるような感じで動いている。

 スライムの動きとしてはどうかとは思うが…重いのだろうか?

 前からは思っていたのだが、なんでスライムが転がるような動くのだろう。

 這う様に動けばいいのに…馬鹿なのだろうか?


「あれってスライムは体が液体じゃなくてどちらかと言えば柔らかい物質で作られているからね。這うような筋肉は無いんだよね…スライム。だから転がる方が普通に楽なんだと思うよ」

「でもさ…ジャンプするよね?」


 ジャンプして飛んできたスライムの一体に向かって大剣を振り下ろして、スライムの中心にある小さい掌に収まる程度の大きさの核、それを鋭く切り裂いてしまう。

 別の一体がアンヌに向かって飛んでくるのだが、アンヌよりも早く赤いオークが力一杯に大きな斧を振り下ろすのだが、微かに核から外れてしまっていた。

 多分当たらないだろうと思っていると、スライムの核が突然動いてそのまま斧の方へと向かって移動していく。

 そして、そのまま真っ二つに切れてしまう。

 まるで…核が自分の意思で切られていったかのような動き…これは呪術だろうか?


「呪術じゃな。というよりは切る寸前であのオークの周囲にある生物に対して何かしらの制約などを掛けてスライムの核を意図的に攻撃軌道上に移動させたのじゃろうな」

「範囲を絞る代わりに強制力を上げる…オークの呪術ですか。でも…精度が…」


 精度が高すぎるという意見も良く分かる話で、俺達はあくまでも噂程度しか知らないが、それでもオーク呪術は精度が低いと聞いたことがある。

 少なくとも範囲を絞るとか、それによって強制力を上げるとか思いつけるとは思えない。

 何よりも戦い慣れしすぎているのが物凄く気になるのだが。

 やはりあの噂は本当だったのだろうか。

 スライムの残り一体も俺が真っ二つに切ってしまったが、その間ホビットの商人は俺達の後ろでリアンに守られながら立ち位置を気にしている。


「しかし、流石にダンジョンじゃな。儂は入ったことが無いから分からんが、ダンジョンとは皆こんな感じなのか?」

「はい。基本こんな感じですよ。まだ、ここは楽な方だとは思いますけどね」

「だな。酷いところはもう出入口から襲ってくるからさ…ゴーレム系統が入った瞬間に拳を振り下ろすんだぞ?」

「それを避ける人もどうかと思うけどね。完全に死角からの攻撃な上にタイミングまでバッチリ。それを避けるの…この人」


 アンヌが微妙に俺を責めるみたいな言い方になっているが、それは良い気がするのだが…良いことでは?

 ていうかなんで責められるのかまるで意味が分からないのだが、その所を説明してほしい。


「スライムって私良い思い出無いのよね…あの体って服とか溶かすからさ…私みたいに突っ込んでいくと体中に掛かって大変なことに」

「おい。エロ爺。探すなよ…スライムを…」

「何故見抜く!? 儂の企みを!?」

「可愛らしい企みだな。アンヌが相手でなければだが」


 アンヌが視線だけで人を殺せそうなぐらい鋭い目つきをしており、俺達男性陣は背筋に冷たいものが走る。

 なんで俺を巻き込むかね…このエロ爺。

 まあ、こんな所で立ち止まっていても意味は無かろうが歩き出す中で、ホビットの商人はとにかく一線から離れている。

 俺達の戦闘はしっかりと見ているし、安全な距離感を維持しているのだろうが…そこが気になるんだよな。

 だからこそ、この赤いオークも気になるんだ。

 すると俺達ははっきりと見えてきた黄色い結晶体、遠目にでも見えていたつもりだが大分接近してきたな。


「近づけば近づくほどに魔物が強くなるだろうけど。まああそこに行かない限りはサハギン種のクイーンとはぶつからないだろうな」

「ぶつかってもジャックならイチコロでしょ?」

「人をなんだと思っているんだ? 流石にイチコロだとは思っていないぞ。ていうか、俺でイチコロならお前もイチコロだろ? 脳筋」

「何か言いましたか?」


 アンヌが睨んできて普通に怖いです…俺の場合魔法でも攻撃でも速さという分類ではアンヌには絶対に勝てない。

 術の展開速度や攻撃速度などが段違いなんだよな。

 俺が一度術を放つ間にあいつは二つぐらい術を使えるぐらい素の速度が速いんだ。

 リアンも早い方だけど…アンヌがダントツトップだな。


「皆さん強いんですね」

「ホビットの商人さんはいつ頃からこの赤いオークと行動を共にするようになったんですか?」

「それがナーガに来てからなんですよ…私はホビットからドラゴン大陸に移動してその後ナーガ大陸に移動したんです。あそこで商売をしている最中に話しかけられたんですよ。私もホビットにそろそろ帰ろうと思っていましたし…」

「話しかけられたとは?」

「なんでも「オーク大陸に帰りたい。何か方法を知らないか」と。私もオーク大陸を経由して帰ろうとしていたので丁度良いと思って船を探したんですが…」

「内海は使えないから陸路での移動方法を探しにあの町まで来たと?」

「ええ。理由は知りませんよ。彼がオークなのかどうかすら分かりませんでしたし…」


 俺はそうですか…とだけしか言えなかった。

どうでしたか?

リアンが唯一のお笑い担当ですね(笑)

ある意味安心できる人ではあります。

では次は赤鬼のオーガ第五話でお会いしましょう!

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