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大陸横断地下通路攻略

いよいよダンジョン攻略となります。

この第一章からはダンジョンも重要なストーリーとなりますので、今回の大陸横断地下通路は序盤のダンジョンと言う感じで捻ったギミックもありませんので空気を楽しみください!

では本編へGO!

 その後すんなりとお爺ちゃんには下まで案内してもらったわけだが、最後まで俺と目を合わせようとはしなかったお爺ちゃんに、俺はそのまま一言礼を言ってから階段を降りていく。

 そのまま戻ってくるつもりはないので鍵を掛けてもらい、俺達一行とホビットの商人に赤いオーク族が同行することになった。

 まあ、俺としては構わないのだが、先ほどから感じる特殊な視線はきっとこのオークの所為だろう。

 赤い肌に一本角、俺達ナーガを超える高身長、体つきも一回りほど大きく特に肩幅は圧倒的だろう。

 その上腰の辺りからフサフサの毛が先っちょに付いている尻尾が伸びている。

 服も肩から先が無いノースリーブの革ジャケットに金属の防具が付いているズボンと厚底ブーツ。

 背中には俺の身の丈はありそうなほどの大きな両刃斧を背負っているので、小さいホビットと比べると更にホビットが小さく見える。


「助かりましたよ。まさかナーガの十将軍と出会えるとは。私世界中を巡って売り買いをしている商人でして」


 こっちのホビット族の商人はフードに厚手の服を上下で着こんでいるのだが、まあ…普通のホビットだな。

 顔つきもなんというかモブって感じの顔付き、ある意味レア度が高い気がする。


「ホビットは二十を超えると旅をして商人になる人も多いんでしたっけ? 四代大陸を巡っている姿をよく見ると聞きますけど…」


 などと言っているアンヌだが、無論見たことも無いはずなので俺達の会話に合わせているだけなのだろうと推測できる。

 リアンは知っているのか知らないのか分からないが、俺と同じくオークの方が気になっている様子。


「ええ。私もかれこれ旅をして二十年が経っていますよ。まあ、時折なんですけどね。物を沢山作ってはそれを全部売るまで旅を終えないのが私のスタンスなのです」

「そうなんですか。ヒューマン族に見習ってほしい限りです」

「すみません。このヒューマン族はヒューマン族が嫌いなんですよ…それは筋金入りでして」

「いいえ。私ヒューマン族は初めてなのですが…そんなに背が低いのでしょうか? 私とあまり変わりませんが?」

「彼女は特殊な事情でこのような身長なんです。本来はもっと大きいんですよ」

「そうなんですか。ヒューマン族の大陸も巡ってみたいのですがね。許可が下りず」

「その辺は仕方なかろうて。儂とそこの十将軍も追い出されたばかりじゃしな。ハハハ」


 笑い話ではないと言いたいが真実なので黙っているしかない場面、ホビットの商人は首を傾げて「どうしました?」と聞いているが、その間も常時俺の方を見ているオーク族の男性。

 無口で会話に混ざろうとはしないのは素の性格なのか、まあこれはおいおい。

 しかし、結構降りてきているはずなのだが階段の終わりがまるで見えてこないのはどういうわけなのだろう。


「深い階段じゃな。結構降りてきたじゃろうに」

「相当下に作っているみたいだけど。一体どうやって向こう側の大陸に行くつもりなんだろうな。多分ロストテクノロジーなんだろうけどさ」


 ロストテクノロジー…遥か昔に存在していたとされている今では再現不可能な技術の事であり、ヒューマン族以外の四種族は様々な所でこのロストテクノロジーを残している。

 この造形は多分ホビットだと思うけど、まあきちんと中を見れば分かることだから敢えて気にはしないまま降りていき、漸くの思いで階段を降り終えると、細い一本道が右側に伸びていた。

 明るい方向へとまっすぐ歩ていくと見えてきたのは水に囲まれた大きな道があちらこちらに伸びている建物。

 上を見れば海面が薄っすらと見えるので水の中に作られたのは分かる。


「これ…どうやっているの? あれ海面でしょ? 水の中に人が活動できる区間があるの? 下は海水?」

「いや…溜まっているのは真水だ。というよりは周りにあるあの大きな機械で海水を真水に変えているようだ。多分だけどサハギン系のモンスターを飼育する為に真水にしているってところか」

「そのようじゃな。それ以外にもスライム系などが住み着いているようじゃな。魚系も居るな…」

「魚系は下に降りない限り襲ってこないけど、スライム系とサハギン系は襲ってくるから注意」

「頼もしい限りですよ。私はこの通り戦力にならず…申し訳ない」


 サハギンとは魚系の鱗に強靭な四肢と鋭い爪と牙、賢い頭脳と槍系統の武器を扱うモンスターの一種。

 集団での行動を心掛け、水場のあるダンジョンでは高確率で住み着いている典型的なモンスター。

 肉食で女王制を取るモンスターなのでサハギンの一般種がいる場合は必ず女王種が何処かにいるはず。


「サハギンは『一般種』と『上位種』と『近衛種』と『女王種』の四種類が居ると言われていて、それぞれ位で立場を分けているの。女王種のいる場所は必ず近衛種もいるはずだから、近衛種を見かけた場合は女王種が必ず近くにいるから気を付けてね。近衛種は普通に魔術や聖術を使ってくるから」

「モンスターの中でも上に位置している種は魔術なんかを使うんだよな…邪神城のモンスターは全部使ってきたよ」

「私を置いて討伐しに行った案件?」

「許してくれって。もう…良いじゃん? 誤ったし」

「私は納得してないからね。勝手に向かった事と言い…」


 二人でコッソリと言い争いをしているのだが、リアンは空気を読んでホビットの商人と話し込んでいる。

 お陰様で俺が元勇者だとはバレていないようだ。

 まあ、がっつりと話を聞いていたであろうオークは相も変わらず無表情なのだが。


「でだ。その女王種なんだけどさ…視界にはっきりと見えるあの黄色い水晶じゃないか? ほら。結晶みたいな形の水晶…」

「みたいだね。あれだけ奇妙な力で満ちているし間違いないね。でも…あれ水属性?」

「アンヌ。魔術に水属性は無い。あれは土属性だ。おそらく海水から塩分と水を分解するのに使っているんだろう。だからあれを守るように女王種が居るはずだ。下を見ない方が良いな」


 下を見ればサハギンの女王種がはっきりと見えるに違いないが、その代わり女王種と目が合えば最悪近衛種がやってくる事態になる。

 俺達はモンスター討伐をしに来たわけじゃないのでここは近衛種も無視しよう。

 まあ、スライム系だけど…ここはサハギンが支配しているみたいだし多分上の種はいないと信じたい。

 スライムは面倒なんだよな。

 あれ核を破壊しないと殺せないうえ、その核が非常に分かり辛いと来たものだ。

 下の種は普通に弱いので良いんだけどさ。

 そんなことをしていると水が派手な音を鳴らして俺達の目の前にサハギンが五匹現れた。

どうでしたか?

新メンバーが顔出ししておりますが、直ぐに名前も明らかになりますのでお楽しみに!

では次は赤鬼のオーガ第四話でお会いしましょう!

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