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休息

この世界にはブレスをスカート捲りの為に使うドラゴン族が居ます…主人公のパーティーに。

では本編へGO!

 アンヌの体を復調するまで待つしかない状況、十将軍の空席を埋める大会だが、後日残りの一枠を埋める為に再び行われたらしい。

 らしいというのも、俺は参加していないしディフェンダー本部と連絡を取ったりしていて忙しく、脱獄囚事件の事後処理を淡々と行っていたから知らないのだ。

 アンヌは戦闘禁止が言い渡されているからと俺の仕事を手伝う気もなくそのまま観戦モード、ポップコーンを片手にリリンジュースを飲みながら楽しんでいたらしい。

 後半となると魔術のレベルも極端に上がっていたらしく、アンヌ曰く「普通に楽しかった」そうだが、俺はその間も普通に忙しかったと不満を述べる。

 エロ爺はエロ爺で普通に女性相手に遊ぼうと試みていたらしいが、無論全て玉砕されたそうだ。

 いい加減あのエロ爺は自分が女性になったという自覚を持ってほしい。

 他の十将軍に会う機会もないまま事後処理を行い、大会も誰が空席を埋めたのか分からないまま終わりを迎えた俺はひたすら悶々とした毎日を過ごしていた。

 アンヌ自身はすっかり心身ともに復活したようで、身長こそ元に戻らなかったが、それ以外の点では昔の頃を彷彿とさせる感じでもあった。


「ストレス溜まるわぁ…出かけては書類仕事したり脱獄された監獄の視察とか…十将軍の仕事なわけ?」

「仕事なんじゃない? リリンの実で作ったパフェ美味しい!」

「甘い物ばかり食べていたら太るぞ…今運動禁止だろ? 肥えてまともに戦えない奴を戦力として加算しないからな」

「大丈夫ですぅ。ちゃんとコントロールしてるし。それに、そういう自制ならリアンさんに言えば? 今日もナンパでしょ?」

「今はキャバ嬢に会いに行ったよ」

「…ナーガの町でもあるんだね」

「需要あまりないらしいけどな。外から外種族が良く来て通うらしい外国人は金払いが良いしさ。そういう意味では外国人を狙ったトラップだよな」

「言い方悪い。止めて。実際に引っ掛かっている中身はお爺ちゃんの現お姉さんがいるんだから」

「だから言ってんだろ? ほんといい加減にしてほしいわ。旅をしている間も旅行資金をそっちに費やしたら適当な場所で放置して逃げるからな」


 これは脅しではないという事をここで進言しておく、マジでやらかしたらあのエロ爺をその場で放置する。

 約束しよう。

 因みに今現在俺は十将軍が使うことが出来る資料室で本を漁っているのだが、アンヌは俺の仕事を手伝う気もなくソファに座ってリリンの実で作ったパフェを食べている。

 ここは資料室で飲食禁止だという事を知らないわけじゃあるまい、実際出入り口にはしっかりと書かれていたはず。

 昔っからこういうルールは平然と破るところがあるが、聖女というのは皆こんな感じの人間なのだろうか?


「で? 何を調べているの?」

「これから向かうオーク大陸をな…まあ最低限ある程度は知っておきたいしな。それと脱獄囚の経歴と脱獄してから接触したかもしれない人間の再調査結果をな…」

「ふ~ん。真面目に仕事しているんだ。以外」

「お前は俺をなんだと思っているんだ? 学校の授業でも真面目にしていた気がしたが? そういうお前は基本不真面目だよな」

「失礼ね。きちんとするべき時はきちんとするし。ずっと肩肘張っていると疲れるでしょ?」

「何かあったわけ? 教会で聖女として良い子ちゃんしているのに疲れたとか」

「まあね。正直教会だと格式だとかマナーだとか様式とかしつこくて…勇者は良いよね。そういうのとは無縁だし」

「一生無縁でありたいな。でも、逆に勇者なんて教会からすれば役に立たなければむしろ厄介者だぞ。役に立っても厄介者だけどさ」

「その上、他種族だって分かれば追い出すし…」

「本当に教会が嫌いなんだな。何かにつけてそれを引き合いに出すけどさ」

「嫌いなのは嫌いなの! 聖女だって立場が無ければそもそも教会に従っても居ないもん」

「むしろその性格で今まで教会に従っていたことが不思議だけど…」


 オーク大陸へと向かう幾つかの方法を見ながらそう返す俺に、アンヌは何を思ったのか左手で握っていたパフェを降ろしてから俺の足元まで駆け寄ってくる。

 しっかし、小さいな。

 ずっと思っていたが、マジで小学生に見えるから困るな。

 これ俺がマジでロリコンに思われないかどうかが心配である。


「今余計なことを考えているでしょ? 私と一緒にいるとロリコンに見られるとか」

「お前に脳内をのぞき込む能力があるとは思わなかったぞ。聖女としてステップアップしたか?」

「顔が喋っていました! それより暇」

「あのさ…! 俺仕事中なんだけど? 暇ならその辺歩いて来いよ」

「嘘よ。たまには休んだら? ずっと本と睨めっこじゃ疲れるでしょ?」


 そう言いながらアンヌは俺が持っていた本を強奪してから俺の右手をしっかりと掴みつつ俺をソファまで案内する。

 まあ、行き詰っていた所であるし別に良いかと思って大人しく座ることにした。


「お前の相手をすることも結構疲れるんだけどなぁ…」

「何か言いましたか? 良いでしょ? 本と睨めっこするより絶対に付かれないから。それより何か食べる?」

「あのね…ここ飲食禁止。俺十将軍なんだけど?」

「いいじゃん。誰も見ていないからさ。ほらほら」

「食べないから。自由すぎるだろ。そういえば昔っからそうやって自由気ままにさ」

「そう? そうだったけ? 真面目に授業を受けていたって記憶しているけど?」

「教職員の人達の前でだけな。見ていない所じゃルールを平気で破るだろう? 教会関係者がどうなのって気がするけどな」


 平気でケーキを食べるアンヌにため息しか出ないのだが、俺は代わりに一冊の資料ファイルを開く。

 オーク大陸について記されている資料なのだが、オークの事を知れば知るほど好きになる要素が見つけられない。


「オークって呪術に秀でている種族だっけ? でも、私呪術って聖術や魔術とどう違うのか分からないんだけど」

「魔術はともかく聖術は己と他者を対象とした術式で、呪術は場を対象とした術式だって考えれば凡そ正解だそうだ。聖術も厄介だが、己を含めて場全域に何かしらの制限や制約を掛けてるのが呪術」

「それって要するに「この場にいる人全員身体能力を制限する」って呪術を発動したらそうなるって事?」

「場の力を引き出すとも言える。呪術はそういうものだそうだ。ヒューマン族でも呪術を使う人間はいるらしいけど。まあ珍しいほうだな」

「人間は聖術だもんね。魔術でも珍しいって言われる方だし、呪術は更にか…実際私も見たこと無いから」

「世界的には魔術が多いんじゃないか? 最も聖術は癒すことが出来るのに対し、呪術は絶対にできないから。その辺も違いだな」


 呪術は他者を傷つけ貶めるが、聖術は他者を癒し強くし弱くすることも出来る。

 どこまでも弱くが呪術で、どこまでも強くするのが聖術である。


「まあドラゴンは聖術だったっけ? じゃあホビットは?」

「ホビットは使わない。その代わり物作りという点で一番秀でており、あらゆる技術を習得する。町の外見もその町の物作りが反映されているそうだ。背が低くあらゆる術式を使わない代わりにあらゆる道具などの生成と完全な把握と使い方をマスターする。それがホビット」


 そういう意味ではまたホビットは特殊と言えるよな…肉体強化も出来ないから銭湯向きじゃないとは言われる一方で、戦闘能力が完全に無いわけじゃない。

 道具に左右されるから、戦える人間は物作りにも優れている。


「お爺ちゃんもじゃあ聖術の使い手?」

「じゃないのか? 聖術とは言っても色々出来るから。それこそドラゴン族は『ブレス』っていう専用技があるぐらいだし」

「ぶれす? 息を吐き出すの?」

「まあ…知らないわけ?」

「なんでヒューマンが他種族に詳しいと思うわけ? じゃあ。あのお爺ちゃんもブレス使うんだ」

「使うよ…スカート捲りで…」

「……………エロ爺」


 感情を込めた一言をありがとう。

 とことん冷たい瞳をしているアンヌ、目の前にいたらあのエロ爺はMに覚醒するかもしれないな。

 そんなくだらないことを考えていた。

どうでしたか?

戦闘の後の休息回であると同時に第一章の準備段階となるお話です!

ぶれない元お爺ちゃんの現お姉さんがひたすらエロいという事が分かったお話でしたね(笑)

では次は二十六話でお会いしましょう!

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