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真実を語るものよ 2

相克の教会編第十四話となります。

今回は教会の裏話となっています。

では本編へGO!

 夜になると灯の無い集落跡地は真っ暗になっており、山に囲まれている上に多少は木々があるせいもあり月明りもあまりやってこない。

 ジャックとディラブの二人はいつも通りの武装を装備した状態で集落跡地を軽く見て回ることにした。


「こういう突然出てくるタイプの異変は夜に何かが起きるものだと思っての行動だったんだが、歩いて十分では何も起きないな?」

「いっそ一旦外にでも出てみるか? 意外と異変が起きるかもしれないぞ」

「良いが。その時点で消滅でもしたら焦るぞ。有り得ない話じゃない。此処が異界なら俺達の知る限りのルールが通用するわけじゃないしな」

「異界ごとのルールが存在しているんだったか?」

「ああ。中には外に出ればそのまま異界が消滅するというルールもあるしな。まあ、この場そのものが異界化しているから多分無いとは思うが。念には念を入れて」

「他に怪しい建物もとくには無いしな。強いて言うなら井戸か?」

「? なんで井戸が怪しいと思う?」


 ジャックは驚きながらディラブの方を見ると、ディラブは顔をだけを井戸の方へと向かって顔を向けつつも語りだす。


「匂いだな。俺達オーガは感覚が鋭い。特に嗅覚と聴覚は他の種族からでは想像できないぐらい尖っている時がある。この集落跡地に入ってからこう…言い表しようようが無い匂いを常にあの井戸から感じていた」

「瘴気みたいな匂いか?」

「いや…毒気も無いしな。強いて言うなら死臭? それに近い感じだな。まあ、あくまでも近い匂いだが」


 ジャックは井戸の底に向かって顔を突き出しつつ匂いって見るが、特に異変のある匂いを感じないが、井戸の底が異様に広がっている事には気が付いた。

 と言うよりは風の流れをしっかりと感じていたのだ。


「風の流れを感じるし、底に空間があることは間違いが無いな」

「やっぱりその井戸ですか」


 後ろから聞こえてきた女の声に驚きつつ後ろを見ると、ファリーダが腕を組みながら立ち尽くしていた。


「実は此処についてから奇妙な気の流れをその井戸から感じていたんですけど、うっすらと感じている程度なので止めておいたんです。最悪明日出れば異界からは出られるかもしれませんし」

「どうする? ジャック。調べるのも一興だが、無視するのも一興だぞ。別段無視しても困らんしな」

「調べよう。教会の異変で唐突に現れたこの異変が決して無関係とは思えない。俺が先に降りてみるからロープだけ用意してくれないか? 俺は魔術で飛んで降りられる」

「便利だな。俺の荷物の中に在ったはずだ」


 ジャックが井戸に乗っかって下を確認しつつ魔術を唱えながら下へと向かって降りていく。

 下に降りていく内に暗くなっていくので、ジャックは右手に炎を作り出して灯代わりにしつつゆっくりと降りていく。

 そこまで極端な深さではなかったが、下に着地した際には水の跳ねる音共に音が反響したのが良く分かった。


「どうです?」

「やはり広いな…だが、ぱっと見多分一本道になっている。それも人工的な造りかもしれない。降りてきても大丈夫だろう」


 ファリーダとディラブが順番に降りてきてランプに灯を灯しながら周囲を確認すると、ジャックの言う通り奥の方へと繋がっている一本道が続いていた。

 ジャックを先頭にしながらゆっくりと歩いて先へと進んでいくと、これまた意外な場所に出てきた。

 一番奥には天使の像と当時は明かりがついていたのだろう蝋燭が残っており、同時に周囲には遺骨が大量に落ちている。


「異臭の原因でしょうか?」

「恐らくな…集団自決? にしてはなぁ」

「それに問題はこの天使像だな。教会の物じゃ無いな。少なくとも教会が象徴としている無いようにこんなものは無い。聖典にも出てこない像だな」

「女神のお話に天使は出てきません。天使は創作やそれ以前のお話には神の使いとして描かれていたそうですが…」

「女神宗教の前に使われていた品物か? まあ、場所も随分古い場所のようだし…教会から隠れて信教していたのかもしれないな」

「隠れてか…場所的にもそうだな。古い宗教的な考え方だし、教会が駆逐対象にした? そして、この場所で…」

「有り得そうですね。集団自決かそのまま殺されたか」

「自決だな。戦闘痕は無い。そのまま殺されたとしても最低限の切り傷があるはずだが、この遺骨からはそこまでの切り傷が見つからない。毒物を使った死かもしれないな。それが異臭の原因か? いや…昔の毒が井戸に残っているわけが無いか。単純にこの遺骨から漂う怨念の類かもな」

「それを匂うというのも問題だが…見た以上見て見ぬふりは出来ないな。うえの連中を呼んで供養しよう」


 ジャックは上にいる残りのメンバーを呼んで遺骨を全部上へと運び、集落跡地の端っこの木の下に植えて供養した。

 手をそっと合わせて祈るメンバー。


「もしかして、供養して欲しかったのかもな」


 ジャックはそんなことを言いながら立ち上がりそのまま寝ることにした。

 翌朝、異界は解けかかっておりそのまま外に出ると異界は消滅してしまった。


「供養したから消えてなくなったのかもしれないな。しかし、教会の異変と共に現れたという事は、あれは教会の裏に通じる異変かもな。教会が隠し通そうとしている問題」

「じゃとしたら、儂等は巻き込まれたという事じゃな。まあ、そのお陰で寝泊りが出来たんじゃ、あの集落の人達に感謝するとしよう」

「私…少し怖いな」


 アンヌは誰にも聞こえないように声を殺しながらそう呟いた。

 教会本部へと近づくにつれて真実を知るのではと言う想いが強くなっていく一行は今日中には山脈を越えたいと歩き出した。

どうでしたか?

次回はいよいよ山脈を越えることになります。

では次は第四章相克の教会第十五話でお会いしましょう!

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