故郷を想う
相克の教会編第十話目となります。
いよいよメメルウに到着です。
では本編へGO!
階段を上って行くと古い石造りの大きな通路が目の前に現れ、ジャック達は通路の先にある大きな金属製の門の前の前まで辿り着いた。
ジャックやアンヌからすれば少々見慣れた国境によくある国境の門、国境を越える一つの手段であり、歩いて渡る人が少なくなった現代において安全に国境を渡る手段になっている。
「中央大陸ではこういう門は良くあるのか?」
「それはな。国同士の争いごとが耐えなく続いていた時期もあるし、基本的に歩きで国境を越えようとすれば必ずこの門は超えなくてはいけないんだよな」
「まあね。私は基本列車で国境を渡るんだけどね。歩きはよっぽどじゃ無いと嫌だから」
「列車で国境を渡る方が楽なの? アンヌ姉ちゃんは単に長歩きしたくないってだけに聞こえるし。良く分からないんだけど」
「列車で超えようとするのも基本歩きと同じで、国境に努めている職員に「何故国境を越えるのか」という理由を証明する証明書や身分を示さないといけないんじゃよ。まあ、ディフェンダーにでも頼めば大体の人は証明できるはずじゃからな。その辺りもディフェンダーが信頼を受けている理由じゃな」
「ディフェンダーの国際的な動きがあるからこそだな。出なければそんなことできないからな。でも、教会とディフェンダーって仲が良いのか?」
「どちらかと言えば悪い。とはいっても喧嘩をしたりするほどじゃない。でも、基本は手を取り合ったりはしないはずだ。俺の事も最初はあまり信用はしてくれていなかったしな。最も俺が教会を信頼していないという状況だったからな」
「直ぐに信用されたんでしょ? 気が付いたらディフェンダーから積極的に勧誘を受けていたものね? まあ…アンタぐらいよね? 教会の保護下に入ろうとしなかった勇者」
「ハハハ。本来勇者はかなり有名人じゃからな。本来は教会から支援が見込めるんじゃが、当代の勇者であるジャックはとにかく嫌がった上に教会の保護下に入ろうとしない国すら助けに分かっていたんじゃよ」
「それって信用がなくなる事なんですか? 私達のような中央大陸に縁のない種族からしたら良く分からないんですけど」
ファリーダが疑問顔をしつつネリビットとメイビットの二人もそれに追随するわけだが、ジャックは近くの受付をしている兵士に通行手当の手続きをした後で答える。
サラサラと書きながら最後に国王陛下から推薦状を渡し、全員で宿泊場に移動して過程で話す。
「本来はな。教会の保護下に入らないという事は教会の考え方から外れているという事だ。まあ、俺はそういう意味で教会関係者からの信頼は無い」
「そうじゃな。じゃが、お前さんはそれ以外の国でも結構信頼はあるよな? まあ、とにかく人を救いまくっていたらそうなるか。天然ジゴロじゃしな。人どころか国すら救いまくるわけじゃから」
「それは信頼されるだろうな。分かる気がする」
宿泊場所の一室に入りそのまま日をまたいでそのまま翌日国境を越えて向こうの人達にジロジロみられる一行。
アンヌは心の中で「まあ、当然でしょうね」とか言いながら一人だけ堂々と歩いていたのだが、ジャックだけは何となく察していた。
アンヌもまた好奇の目で見られているという事を。
他の皆も同じような感じに少しずつ気が付いていったわけだが、そのまま敢えて教えないまま今度は山を下るために反対側の階段を降りていく。
先ほどとはまた違う見晴らしのいい外周に出てきた。
「こっちはもっぱら普通の登山だな。洞窟なんてないから安全だぞ。モンスターもあまりいないから楽だしな。さてと…」
外周の途中で足を一旦止めてから指を指し示す。
「登山コースを超えるとあそこに見える山間部の間に伸びている道を真直ぐ進んでいけばほら、草原地帯が見える。そこから更に奥に見えるだろう? あれが国境近くにある町だな。まあ、そこまで大きい町じゃ無いから、まずはそこまで目指そう」
「そこそこ遠そうですね。私達だけなら早く辿り着けそうですけど…」
ファリーダの言いたいことははっきりと理解できていた。
ネリビットとメイビットの二人の歩きの速度を考慮すればギリギリたどり着けない可能性は高いと考えていた。
ジャックは途中の山小屋がまだ残っているのかどうかを気に掛けていたが、山頂からでは全く見えなかった。
しかし、とうのネリビットとメイビットの二人は砦の様子を気に掛けているのだった。
「途中で山小屋が在ったがはずだが、今でも残っているのかは分からないな」
「アンタの転移の術で飛べないの?」
「ナーガが他の種族を連れて転移で街の前の前に現れたら大ごとだぞ」
「ですね。歩いていきましょう。そっちが目立つことを避けるべきでしょうか? 私達は基本他種族なんですから」
「そうじゃな。まあ、先ほどは儂等はひとまとめにされて居ったように思うがな」
アンヌだけが顔を疑問顔にしながらも他のメンバーは納得が出来たような顔をしつつ歩き出す。
ジャックが言っていた途中にあるはずの山小屋はやはり無くなっており、ジャックの推測が当たった形である。
「こんな山道は誰も使わないだろうしな。この辺り何年か前に山崩れが起きて直したと聞いたから多分その際に直さなかったんだろうな」
「この先に下宿先は無いのでしょうか?」
「どうだろな…俺がこの辺りに通ったのも随分前だし…もしかしたら何かあるかもしれないが…」
ジャック達はそこから更に降りていき、夕方を迎えた時にはすぐそこに草原地帯が見えてきていた。
この調子だと当初の予測通り夜には街に辿り着けそうかもしれないと、意気込んで歩き出し、途中でネリビットとメイビットの二人がバテてしまった際もジャックとディラブが抱っこしながら運び込んでからすっかり周りが暗くなってから国境近くの町まで辿り着いた。
何処でも良いので宿に泊まろうと思いジャック達が頼んで回ったが、やはりと言うか誰も良い顔をしなかった。
「分かっては居ましたけど…」
「誰一人歓迎してくれないな。教会の権威が強いからなぁ…仕方ないやはり野宿だな。アンヌ…睨まないでくれ」
「分かっているわよ。でも…待って頂戴!! 私に任せて!」
そこから三十分後にアンヌは良い笑顔で帰ってきた。
「見つけたわよ! 私達を泊めてもいいと言ってくれた場所!!」
ジャックは嫌な予感に駆られながらアンヌの案内する宿までやってきた。
路地裏を曲がりくねりながら進んでいく先にある目立たない宿、草で覆われたぼろ宿屋、ジャックだけはこの宿に来たことがある。
「やっぱりここか…」
「前にジャックが教えてくれた場所でしょ? 少々ボロイけど、大らかで優しい女将さんが経営している宿屋だって。ご飯も美味しいし、中身は綺麗だって聞いたもん」
「ちなみにディフェンダーも結構使ったりするから安心はしていいぞ。女将さんも良い人だぞ」
「来たねぇ!! 勇者さん! 変わっても私達はアンタたちを歓迎するよ!! さあ! 入りな!」
皆女将の圧力に負けそうになりながら、リアンだけがその圧に全く苦にしないまま話し込んでいる。
女将さんが即席で用意してくれた夕食を食べながら女将さんから教会方面の噂を聞くことにしたのだった。
どうでしたか?
次回ではジャックとアンヌの会話劇と教会の現状を語りたいと思っています。
では次は第四章相克の教会第十一話目でお会いしましょう!




