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峠道を越えて 2

相克の教会第九話目となります。

峠道に本格的に入っていきます。

では本編へGO!

 ジャック達の目の前に現れたのは大きな洞窟の入り口、一階建ての建物が余裕で入りそうな入り口の大きさにジャックとアンヌとリアン以外のメンバーは驚くが、ジャック達からすれば別段驚くようなことは無い。

 このような洞窟の入り口は中央大陸では珍しいことではなく、ジャックは魔術で明かりを作りそれを片手に維持しながら前へと進んでいき、ネリビットとメイビットの二人もカバンの中から魔法のランプを取り出して周囲を明るく照らし始める。


「洞窟は一本道のはずだ。特段別の道があるわけじゃない。まあ、一部分かれ道は有るが、直ぐに壁にぶち当たるわけだから気にしなくていい」

「こういう洞窟もディフェンダーの巡回ルート?」

「ダンジョンに指定されていればな。此処は別の分かれ道の先にある地底湖がダンジョン指定されているだけでメメルウ方面に出るだけなら問題はない」

「あれ? さっきジャック兄ちゃん一本道だって言っていなかった?」

「この洞窟は一部が外に繋がる場所がある。その際に別に分かれ道があるんだが、その分かれ道を下って行けばいい。露骨な分かれ道だから別に分かり難いということは無い」

「その分かれ道を真っ直ぐ進めばいいんですね? なら底だけ気を付けましょうか」


 ジャック達は歩き出し始め、然程強いモンスターも居ないので向こうの方から逃げてしまう。

 ゴツゴツした岩肌に手を掛けて前に進むわけだが、ネリビットとメイビットの二人は足元が意外ときちんと歩きやすいように舗装されていることに気が付いた。

 その内ディラブやファリーダも同じことに気が付く。


「地面は舗装されてます? もしかしてですけど…」

「そうね。多分昔この国が舗装したんじゃないかしら? 昔は鉄道なんて存在しなかったわけだし、歩いて物資を渡す際に使われたから、その際に舗装されて移動しやすいように整えたんだと思うけど? でしょ? ジャック」

「ああ。そうだと聞いた。最も舗装されたのはもう二百年も前に話だから、所々ひび割れてコケそうな場所もあるだろ?」

「そうだね? 整えないんです…ああ。もう使わないから?」

「ああ。時折ダンジョンである地底湖へと兵士の特訓に通るだけだな。むしろ多少ごつごつしていた方が良いらしい」


 時折訪れる分かれ道っぽい場所もあるが、それでも基本は一本道であり、横を水が通っているのもあり分かり易い。

 水の通り道をさかのぼって行けばいいだけで、分かり易い。


「この水何処から流れているの?」

「この山の頂上に水の魔結晶があるんだ。とはいってもそこまで重要と言うわけでもないらしいが、その魔結晶から少量の水が出ているらしい。とはいっても魔結晶は少しずつ小さくなり、冬の時期になると雪で魔結晶が大きくなるを繰り返す」

「魔結晶なんて私よく見ますけどそんなに大きいんですか? 魔結晶なんてそこまで大きいのはあまり見ませんよね?」

「大きいぞ。多分中央大陸の中どころか世界でも中々大きな魔結晶だ。ただ、そこまで一般人が辿り着くとしたらそこそこ根性居るけどな。疲れるし。ただ、採掘は出来ないから特に価値は無い。ただ…綺麗だぞ」


 ジャックが意味深に呟くのを見ながらリアンは黙って頷く。


「お爺ちゃんが頷くぐらい綺麗なの? ジャック兄ちゃんは意味ありげな顔をしているしさ」

「綺麗じゃよ。儂も初めて見た時は見惚れたほどじゃ…たしか、鉄道を何とかそこを通せないかと一時期話になったが、鉄道は上には登れないから諦めたと聞いたな」

「ああ。電気で動いている上坂道を上るのは苦手だからな」


 そんな話をしている間に外から漏れ出る光で一瞬目が眩み、そのまま外へと足を踏み出すと正面には先ほどまで居たはずの首都がはっきりと見えた。

 首都の先には自分達が超えてきた大海原もはっきりと見え、ジャック達はたった数日で遠くまで来たのだと実感できる。

 しかし、目的の砦はまだ上にあり漸くこの場所から上を眺めるとそれっぽい砦が見えた。


「その魔結晶ってどの辺にあるの? 砦の前? 後?」

「前。通り道から少し逸れるけど皆の反応が楽しみだから寄るか…」

「なんか趣旨がズレてきてないかしら? 別に良いけど…所でディラブがワクワクしながら分かれ道を見ているけど止めないの?」


 ジャックは「お前が止めろよ」と突っ込んだ。


「今回は時間が無いから寄らないぞ!」


 物凄く残念そうな顔をしているディラブを全員が無視してスタスタと歩き始め、流石に諦めたのはディラブもそれに続く。

 再び洞窟の一口を潜り、同じように先へと向かって歩いていくと、一番奥で最奥へと辿り着いた。

 奥には人工的に作られた階段、水は分かれ道を左側に進んでいるのが見て取れた。

 ジャック達先に水が進む先に向かって進んでいく。

 すると一番奥にそれは現れた。

 大きな青色の結晶体が天井から生えており、結晶体それ以外にも壁や地面からも生えているのだが、それぞれが明るく光っている為洞窟の中でも灯が必要ないぐらい。

 周囲はちょっとした水たまりになっており、それがかえってこの空間の美しさを創造している。


「綺麗…水の魔結晶ってこんなに綺麗なんですね? でも、確かにほぼ水の結晶体ですから採掘は出来ませんね? 採掘しても水になるだけ」

「昔はこの魔結晶から取れる水を生活用水として活用していたらしい。魔力を強く含む水は何かと使い勝手がいいらしい」

「インフラ設備が整ってからは使われなくなったという事でしょうね。その昔っというのも数百年前の事だと思うわ」

「写真に撮っておきましょうか」


 ファリーダは写真機を取り出して設置し始め、皆で集まって一枚の写真を撮る。

 その写真を確認しつつ名残惜しそうにジャック達は来た道を戻り階段を上って行くのだった。

どうでしたか?

少しは旅らしい話が出来ればいいなと思いながら書いていきます。

では次は第四章相克の教会第十話でお会いしましょう!

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