中央大陸へとようこそ 6
相克の教会第七話となります。
今回はジャック達の会話劇を描いております。
では本編へGO!
国王に面会し改めてメメルウを経由したルートを提案した際、国王は「やはりですか」と神妙にうなずいたわけだが、当初は他の国を経由するルートを提案する際は反対されるのかと思ったが、むしろ国王はそのルートを提案しようと俺達を呼び出そうとしていたそうだ。
と言うのも先ほど迷いの森を調査に出かけた兵士たちが大けがを負って帰ってきたらしく、前にジャックが提案した方法を試した結果、今まで通れたルートが変わっていたり、強力な魔物が道を塞いでいたりで散々だったらしく、まるで迷いの森が敵対しているようだったと。
ジャック達はそれが教会方面からくる異常な霊反応であることを説明すると、国王は気になる話を聞かせてくれた。
「教会には霊反応を鎮圧する力が在るのはご存知でしょう。ですが、その逆も出来ることを知っていますか?」
「噂程度じゃがな。まさか本当に出来るとは…」
「本来の本文である人々の心の平穏からは遠ざかっている能力ですが、これを実行するのは教会が危機的状況化に置かれた際、どうしても身を守る必要がある際に使われるそうです」
「教会が危機的状況に置かれているか、それともそれに匹敵する状況になりつつあるから引きこもって身を守っている…か」
「ええ。皆さんから教えて貰った邪神の核を持つ存在。集団。それらをはじめっから知っていたとしたら。皆さんを外に追いやったのも、勇者の血からの本当の意味での覚醒を待っていたとしたら」
「引きこもる理由には十分じゃな」
「私からメメルウ方向からのルートなどの確保はしておきましょう。しかし、その分少し時間が掛かります。少々申し訳ありませんが、数日いただきたい。勇者様の情報も含めて伝えないといけない事ですので」
「じゃったら。その間に四つの種族にも相談しておくか」
「そうだな。少なくともナーガ政府には教えておかないといけない事だしな」
ジャックとリアンは国王との面会を終えて城を出ていき、その間に取ってもらっていた宿泊先へと向かう過程でジャックはナーガ政府へと連絡を飛ばした。
すると、ナーガ政府から面会させてほしいという胸を伝えて欲しいと伝言があり、ジャックはリアンと別れて再び国王の元へと向かい話をすると、国王はむしろ「こちらからお願いしたい」と言いそのまま「しかし、今はこの場を離れられないので後日にでも」と伝えるが、ジャックは「失礼でなければこちらから伺いたいと」と伝える。
国王は「それなら是非」と言って直ぐに部下に出迎えの準備を伝えると、ジャックは詳しい日取りを話してから再び城を出た。
すると、秋も深まってきた頃、六時を超えるとすっかり日が暮れていた。
ジャックは歩いて宿泊先まで戻ると、アンヌが出迎えてくれる。
「で? どうなったの? お爺ちゃんは帰ってくるなりそのままバーまで出かけるし…ディラブは帰ってこないし! ネリビットとメイビットの二人は採取系と修理系の仕事をしていて遅くなるって勝手に連絡来るし! ファリーダと二人で待っていたんだけど?」
「なんで俺が文句を言われるんだ? 国からの仕事を終えた俺に対して少しは労いの言葉は無いのか? 数日かかるってさ。教会方面が立て籠もっていることはほぼ間違いなし。その所為で霊反応が異常な形で現れ居るそうだ」
「そうなんですね。アンヌ様と二人で話している際にアンヌ様がそれらしい話を昔聞いたことがあると」
「やっぱり立て籠もっているのね。じゃあ、迷いの森も?」
「ああ。異変で既に兵士達に被害が出ているそうだ。それで俺達はメメルウ方面から移動した方が良いだろうな。それとは別にナーガ政府が四種族を代表して話し合いがしたいと連絡が来てな」
「それで先ほどまでお城で?」
「ああ。断られないで、寧ろこっちに来ることに申し訳なさを感じて居られたよ。昔っからあんな感じの人だってディフェンダーから聞いてはいたんだが。その割には教会方面には頑固な一族でな」
「そのようですね。話していて。心地いい人だと思いました。何というか、国王と言う立場に胡坐をかいていらっしゃらない人だと」
「そうみたいね。昔っから教会方面から印象派最悪だけど、それ以外だと普通に印象良いのよね」
「俺も昔っから教会方面意外だと意外と居ることの多い場所だしな」
「ねえ…教会は何処まで知っているのかな? アンタの事も、私達がしていることも、邪神の核の騒ぎも全部知っていて…その際に出るであろう被害の全部分かっていて…それなのに…」
ジャックとファリーダはアンヌの言葉に返すことがどうしても見つからず一瞬黙るしか無かった。
そんな状況でジャックがゆっくりと口を開いた。
「それでも。確かめるしか無いさ。何が真実で、何を教会はしているのか。俺達はそれを知る事しかできない。知ることで決意し、そして進むことしかできない。まさか此処まで来て引き返すなんて言わないだろ?」
「言わないわよ! どんなに文句を言っても私達は前に進んできた。でも…今回だけは怖いの。私は教会の人間よ…だからこそ、今更真実を知るのが怖いと思う。ううん…本当は此処へと至る道で少しづつ怖いと思うようになった」
「それは皆さんと一緒に歩いた道で?」
「うん。教会がジャックを大陸中に移動させたのも、全部今回の為。なら、教会は…ジャックを…」
利用しようとしているのではないか?
「だとしたら俺は断るだけだ。たとえどんな報酬を差し出されてもな」
「永遠に中央大陸へと近づくことを禁じられても!?」
「ああ。それでも俺は勇者だよ。困っている人が居るなら助けるし、それを教会がしているのなら俺は教会だって潰すだけだ。そこに拘りない。でも…だからこそ俺は今こそお前に誓う。今後お前に黙って一人で戦わない。アンヌも、ディラブも、リアンも、メイビットとネリビットも、ファリーダだっているしな」
「…もう。勝手なんだから。何時も、何時でも一人で決めて走ろうとするのは変わらないんだから」
「フフ。話がまとまった所で私達も夕食を取りませんか? 多分この調子なら他の皆も勝手に夕食を取るんじゃないでしょうか?」
「夕食に行くなら俺も行く!」
ディラブからの声掛けに全員が驚いた瞬間で、しばらくはアンヌが憤慨していたが、ディラブはどこ吹く風と言わんばかりに話を聞いてはいなかった。
三人で外にある手ごろな大衆食堂へと趣き、パエリアセットを注文してから軽く話し込むことに。
「じゃあ。数日は此処にいると? 狩りしたい放題だな!?」
「勝手にと言いたいが、この数日で街の困りごとを俺達で解決して国王の負担を軽くしたいな。メメルウ方面の交渉だけじゃない、ナーガ政府も来るしな」
「そうね。なら、明日はやっぱり手分けして掛かった方が良いかもしれないわね。私とファリーダで組もうかしら?」
「良いですよ。なら、明日は別方向のダンジョンを手分けして指定モンスター討伐しましょう。ネリビットとメイビットとリアンさんは採取系などを担当してもらう事に」
「そうなるな。その提案俺がディラブの御守すんの?」
「よろしくな」
「悪びれろよ。少しは悪いって思えよ。もう諦めたけどな…手ごろな場所と難しい場所どっちがいい?」
「難しい場所! 一択! それ以外無し!」
店員が持ってきてくれたパエリアとアルコール度数が低いお酒をグラスに注いでから食べ始める。
エビとご飯を一緒に口に運んでから感触と味を楽しみながら食べ進める事十分程が経過した。
「中央大陸はご飯が美味しいですね。こだわりが有るんでしょうか?」
「どうかなぁ? 不味いところもあるわよ…」
「偏食な所のあるアンヌに言われたら流石に苦情が来るぞ。土地ごとに色々と変わっているから面白いけどな。その辺見て回ると」
「そうなんですね。ご飯を巡って見ても面白いかもしれませんね。そういう種族がこの地にやってくる日も来るかもしれませんね」
「ダンジョンだらけのドラゴン大陸寄りは流行りそうだな…」
「そもそもドラゴン大陸の奥に行くこと自体他の種族は無いと思うけどな。俺達が特殊なだけで」
「そうよ。あそこはリゾート地よ? 本来は遊びに行くところなんだから!」
「その認識もどうなんでしょうか? 間違ってはいませんけどね」
パエリアに舌鼓を打ちつつジャック達は夕飯を楽しんでいた。
どうでしたか?
次回はいよいよメメルウ方面へと向かって移動することになります。
では次回は相克の教会第八話でお会いしましょう!




