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俺と私の始まり 5

間幕休息は嵐と共に七話目となります。

暫くはジャックとアンヌの二人っきりとなります。

では本編へGO!

 ショッピングモール『イメルダ』は円状に作られた建物で、上五階までがショッピングフロアで出来ており、ジャックとアンヌはまず洋服を買うためにお店を見て回っていき、ジャックはアンヌの買った荷物を持って一緒に回っていた。

 体が小柄になってからアンヌは洋服に拘りを持つようになっていた。

 体が大きかった頃は着れる服が異常に少なく、例え着られたとしてもかわいい服など似合いもしなかったこともありショッピングは武器か小物など目立たない者ばかりを買っていたのだが、小さくなってからは拘っている。


「やっぱり良いわね♪ 楽しいわ。洋服選び」

「どうでも良いけどさ。このピンクのフリフリとか何時着るんだ? 動き辛いだろうに…戦い難そうだぞ」

「戦う事だけを語らないでくれない!? この服着て色々見て回るの! 戦闘狂なんてディラブ以外要らないからね」

「へいへい。昔は其処まで好きじゃなかったろう? 可愛い小物を買っていると絶対に男子生徒にからかわれていたし」

「その都度殴って黙らせたけどね。でも良いの。もう気にする必要性も無いし。大体女の子が可愛いものを集めて何が変なのよ」

「俺は変じゃ無いと思うけどさ。あの時代の男子生徒からすれば長身でカッコイイ女性が可愛い小物を買っているのを見たら揶揄いたくもなるだろう?」

「私には分からない感覚ね」


 ジャックは「例えば…」と言葉を選びながら白と黄のワンピースと青色の小さめのTシャツを見比べていたアンヌに聞いてみる。


「背の高い男子生徒が可愛いキャラクターの人形を持ってはしゃいでいたら引くだろう?」

「そのシチュエーションなら引くわ。他所でやりなさいよ。人形遊び。それを外で人様の前で堂々とするというシチュエーションの方が引くわ」

「じゃあ人形を真剣に見て悩んでいるのを見たら引くだろう?」

「引かないわよ。別に。趣味趣向は人それぞれでしょ? それを見て「ゲヘゲヘ」とか言ったらそれは引くわ。どのみち人前で趣味趣向を全開にする以上に引くことは無いわね。でも、私アンタの趣味って知らないわ。アンタって学生時代何か趣味合った?」


 アンヌはワンピースを買い物かごの中に入れて振り返り尋ねる。


「私は休日は買い物したり美術館を見て回るのも好きだったりしたし、散歩して回ることも多かったけど、あんたが休日に何かしているってところを見たこと無いのよね?」

「…人助け?」

「それは趣味じゃないわ。他には? 映画鑑賞とか」

「興味が無いとは言わないが、それを趣味だと言えるほど映画は見ないな。かといって休日の過ごし方なんて鍛えるか、勉強するかしかないんだが」

「つまらないわね…何かないの? 趣味?」

「色々していたけどな。読書とかならして過ごしていたけど、趣味と言えるほどじゃないしな…」

「なら見つけなさい。命令」


 ジャックは「めんどくさい」と言う顔を作り出すが、ナーガの顔故に基本伝わり辛いが、態度でしっかりと伝わってきたのか若干睨みつける。


「後々にな。今は特にない。それよりまだこの店で買うのか? かれこれこの店で一時間は粘っているが?」

「女の子の買い物は長いの! デリカシーが無いわね?」

「まさか女の子の買い物が長いという理由でデリカシーを問われるとはな…世も末だな」

「そんなことで世が末になるわけないでしょう!? アンタは買いたい物は無いわね?」

「武器はもう必要ないしな…アクセサリーは…効果が無いような普通のアクセサリーを買ってもなぁ」

「アンタそういえばアクセサリーとかも基本効果ばかり気にするわよね?」

「? 重要だろう? ただのネックレスとかブレスレットとかに価値ある?」

「あるわ。可愛い。カッコいいとかあるでしょう?」


 ジャックにはイマイチ理解できない感性だったのだろう、ジャックは首を傾げて理解していない。

 その態度に渋い顔を作り出しながら「脳筋」とツッコム。


「そういえば私一つ聞きたかったことがあるの。朝嵐を見てずっと聞きたかったことなんだけど」

「それは朝食の席じゃダメだったのか?」

「駄目と言うか。それこそ個人的な事でアンタの私生活を暴きたくないし…私の私事だもの」


 ジャックは内心「意外と謙虚だな」と思ったが、口に出したら喧嘩になりそうなので黙り込んだ。


「高校の時だったかしら? アンタがお昼ごろ急に嵐になって私が本屋さんの前で困っていると私の分の傘を持って現れたことがあったじゃない? それも嵐が起きてから結構時間が経ってから」

「ああ…あれか」

「あれ何時から私が本屋さんで困っていると知っていたの? あの時の嵐って急に起きたもので、前の日までそんな事誰も知らなかったし。アンタ確かあの日は傘を待たないで寮を飛び出たわよね?」

「………朝から一人の女子生徒に呼び出された。要件は「死ぬ。止めないと死ぬ」という簡潔なもので、それを受け取ったのはクラスメイトの男子生徒だった」

「はぁ? 意味不明」

「俺もそうだが、話を詳しく聞くと、男子生徒とその女子生徒は最近仲良く話すことが多かったんだそうだ。でも、その男子生徒には女子生徒と付き合うつもりまでは無かったんだってさ」

「まあ、良くある話よね?」

「ああ。でも、その女子生徒は好きで交際を本気で考えていたんだと、それで前日に揉めたんだそうだ」

「でもさ。別に付き合っている人もいないなら別に付き合ってもいいような気がするんだけど」

「いや…その男子生徒。性的趣向が結構変わっているというか…なあ?」

「ああ。その態度で分かったわ。気にしないであげるからどうぞ」


 ジャックの一言で理解したアンヌは話の続きを促した。


「それを説明もしたくなかったんだろう。強いて言うなら話していて楽しかったというのもあったし、先生の都合もあって一緒に行動することが多かっただけなんだそうだ」

「ふぅ~ん。まあ、一方的に好きなるってあの頃の子供ならよくある事か。私も何度か相談されたし。でも、その男子生徒性的趣向が変わっている割には女子生徒に一定の好意を抱いているわよね?」

「そうだな。結論だけ言えばその男子生徒は結局その日のうちに女性生徒と付き合う」

「あれ? そうなの?」

「ああ。俺がそういう風に促した。


 ジャックは外に今でも荒れている嵐を見て思い出していた。

どうでしたか?

次回は二人の昔話となっています。

では次は間幕休息は嵐と共に八話目でお会いしましょう!

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