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何を願い何を想うのか 7

円環のドラゴン編四十九話となります。

円環のドラゴン編も残り二話となります!

では本編へGO!

 首都から列車で内海へと移動することにしたジャック達一行、ジャックと合流したアンヌ達は同じ駅へと移動しようとするが、ジャック曰く「違う駅」だと言うのでジャックの案内で内海へと向かう駅へと移動する。

 綺麗な石畳の道を歩きながら公園のしり目にしつつジャックは話し出す。


「先ほどの駅は国境の街へと繋がっている直通の列車で、これから向かうのは内海へと向かう列車の駅だ」

「ナーガ大陸はもしかして路線が沢山あるんですか?」

「ああ。首都や大都市を繋ぐ環状線。先ほど説明した内海へと向かうものから国境の街へと繋がる路線など様々だ」

「ナーガは起伏が少ないからだっけ? 大陸としては大きな山とか無いって聞くもんね? 私も初めて来たときにそんな説明を受けたし」

「そうじゃな。だからこそ大都市なんかは広く作られる傾向があると聞く。その分高低差がある都市は無いしのう」

「ホビットとかとは違うんだな。これから向かうリゾート地ってどんな所?」

「? リゾート地だけど? 今はシーズンじゃないから海水浴場はあれだけど、スパとか温泉とかそれ以外にも見て回れる美術館とか映画館とかのゆっくりできる場所が多いかな。夜になればバーとかカジノとかの場所が多い」

「そういうので良いのよ。そういう場所だと事件とか起きないでしょ」

「フラグ…」

「何か言った? ディラブ? 起きたらあんた達で解決しなさいよ! 私達は関係ないからね」

「そのあんた達って俺も入ってるわけ? この元勇者も?」

「当たり前でしょ? 責任取って解決しなさいよ! アンタとディラブとファリーダとお爺ちゃんでね!」

「何故儂を入れたんじゃ!? そこの脳筋メンバーでやっていればよかろう!?」

「だから俺を入れるなよ! 俺とファリーダをディラブと一緒にするなよ! ディラブだけで解決していれば良いだろうに!」

「連帯責任というだろう? その時は皆で解決しよう」

「ディラブお兄ちゃんはやる気満々だから付き合ってあげたら良いんじゃないかな?」


 ジャックはため息を吐き出しながら駅の入り口まで辿り着いた。

 綺麗な半円状の広場になっており、中心にはバス停などが作られており、ジャック達は回り込みながら駅の入り口まで辿り着いた。

 半世紀ほど経過したような西洋風の建物、若干歴史を感じる三階建ての建物、ジャック曰く三階の部分は使われていないらしく、二階は喫茶店や売店などが置かれているらしいことが分かった。


「でも楽しみよねぇ」

「じゃあ。俺は駅で切符を買ってくるから待っていてくれ」


 ジャックが中へと入って行くとファリーダが「私も手伝います」と言って一緒に消えて行く。

 アンヌ達はスパに行くか、それとも温泉に行くかと話し合っているとジャックとファリーダが帰ってくるが顔が何処か浮かばれない感じがした。


「どうしたんですか? お二人とも」

「実はさっき列車が出たらしくてな。後一時間は出ないらしいから上の喫茶で時間を潰すかと提案しに来たんだ」

「むう…ゆっくり休むというのはな」

「その辺を出歩くと時間経過が分からず乗り遅れるからゆっくりしていな。どうせ中央大陸に辿り着いたら嫌でもトラブルが起きるさ」

「だから! 嫌なフラグを立てないで!」


 ジャック達は上の喫茶店へと入って行くとそれぞれ飲み物を注文して息を吐き出すジャック、窓の外から見える駅前の風景。

 様々な店が入っているビルディングが並んでおり、五つの道が首都の方へと向かって伸びている。


「服とか買いに行けばよかったかも」

「良いですね! ファリーダお姉ちゃんも行く?」

「止めておいた方が良いかもしれません。さっきも言った通り、外に居ると時間が分からないかもしれません。時間通りに来るとも思えませんから」

「ナーガの列車は結構前後するんだ。特にこのリゾート地への列車は行き沢山の人が乗るんだけど、帰りは時間によっては全く乗らないから早く来るパターンもある。二十分前には下に降りてホームで待っていた方が良いからな」

「ですが先ほどの話は本当なんですか? 切符を買いながら言ってくださった例の話」


 アンヌが物凄いしかめっ面をしてジャック達を睨みつけるのを感じ取りジャックとファリーダが慌てて誤魔化そうとするが、リアンは一度気になるときちんと知っておきたいらしく聞いてきた。


「十将軍の下位ナンバーが失踪中らしいんだ。失踪時の時期も場所もバラバラらしくてな。今の所上位ナンバーは確認が取れているし、何人か護衛が付いているので大丈夫らしい」

「失踪ってそんなに起きている事なの? 十将軍って滅茶苦茶強いんですよね?」

「まあ、上位と下位じゃ結構差があるらしいけどな」

「前に教えて貰った封印式を使ったんじゃないんですか?」

「いや…あれは全員まとめて行われる術式だから…あれを改良したのだとしたら相当の天才だと思う。それもナーガの術式に詳しい人間」

「探しに行くの?」

「アンヌ睨むな。探しに行かないよ。封印が聞かない俺が探すのが一番なのかもしれないが、失踪先がまるで分からないからな。手がかりが分かり次第俺達十将軍に話をしてくれると言っていたからさ」

「それを待つだけという事ですね?」

「ああ。リゾート地でゆっくりと二泊三日で休んでから中央大陸へと向かう。俺達が二泊三日休んでいる間に各政府のトップが話し合いを行われるはずだ。俺達は四種族の代表として中央大陸へと向かう」

「そういう事なら失踪事件に関してはあまり考えない方が良いかもしれんのう…アンヌはどうしたんじゃ?」

「いや…失踪して封印されたと考えるのなら何処に持って行ったんだろうと思って。どんな存在に封印されても持ち運びしなくちゃいけないでしょ? もし絵画状態に封印されたのなら持ち運びをするはずだし、持ち運んでいないのなら失踪先で直ぐ見つかるはずだから…持ち運んだと考えたほうが良い。でも。持ち運んでどうするつもりなのかしら? 適当にばらまくことも出来ないわよね? 下手をすれば直ぐに見つかるかもしれないんだから」


 アンヌの言う通りで封印した人間は失踪した十将軍を何処に連れて行ったのかは謎のままだったが、それはリアンが答えを出した。


「恐らくブラックオークションに出品したんじゃろう。それなら資産家などの金持ちで裏とつながりのある人間に渡るし、隠し通せる可能性もあるしのう。バレるのにも時間は掛かるしの。下位ナンバーとは言え十将軍じゃ。封印されている十将軍を手に入るのなら金を掛ける理由としては十分じゃしな」

「ならそっちの方で調べて貰った方が良いですね。四種族の間を調べれば分かるかもしれませんね」

「ああ。もしいなかったとしたら中央大陸に居るという事になるしな」


 ジャック達は電車を待っている間にそんな話をしているのだった。

どうでしたか?

次回はいよいよドラン大陸編も終わりです!

では次は円環のドラゴン最終話です!

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