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何を願い何を想うのか

ドラゴン編四十三話目となります。

今回はジャックとファリーダの会話シーンとなっています。

では本編へGO!

 後ろから大きな声と共に戦闘音を響かせながらやってきたディラブの相手をしつつ、ディラブが持っていた国家元首の証を俺が預かりそのままアルドへと手渡すが、物凄く微妙そうな顔をしていた。

 どうやら面倒事を引く受けたくないという気持ちがある様で、中々受け取らないまま魔道核の作業を終えてしまう。


「確かに私は単独であの場所まで移動した。だが、それは彼女に真実を確かめるのが理由だ。元の場所に返して継承式をやり直すのが一番だと思うんだがな」

「俺達ナーガ政府としては今すぐにでも暫定政権を立てて欲しい。今後の話し合いもあるしな。落ち着いたら退任して後続に引き継げばいい。その場合はきちんとしていて欲しいが」

「まあジャックはそう思うわよね。今後の事を思えば今直ぐにでも政権の運営を出来る人間は欲しいわ」

「後はドラゴン大陸の政府の許可さえあれば中央大陸への対策が出来るんだ。今、この世界は不可視の問題を抱えている。別の大陸で暗躍していた者達。旧勇者すら関わっているメンバーだ。トラブルを解決するためにも四種族の団結は必要だ」

「だが、その問題は教会を介する以上はこれ以上の対策など出来るのか?」

「その為の俺達だ。少なくとも俺とアンヌが帰るためにはこの手続きが必要になる」

「私は帰りたくないけどね」

「混ぜ返すな。アンヌは。俺達は中央大陸に向かわなければならないらしい。協力してくれ」

「…まあ良いわい。儂が引き継いで上手く政権を纏めればいいわけじゃろう? それより前任の国家元首はどうした?」

「ほとんど人間になってしまったからと二人でゆっくりと過ごすと言って旅立ったぞ。行き先は知らん」

「まあ、心当たりが無いわけじゃないが、触れん方が良かろう」


 ジャックは浮遊大陸を思い浮かべたが、確かに触れない方が良いだろうと思いそれ以上の追及はしなかった。


「とりあえず再びこの魔道区画を封じてから政府の意見を纏めて欲しい。それまではこの大陸にいることにするよ」

「まあ、仕方なかろう」

「む? もう帰るのか? ならもう少し暴れてくる」

「止めなさいよ! うるさいだけよ。この辺のモンスターが狂暴化したらどうするのよ!?」


 無論いう事を聞くわけが無くディラブは走り去って行くのだった。

 歩いてきた道を戻りながら途中でディラブを確保してから出入り口まで戻ると、そこでリアン達と合流した。

 一瞬ジャックとアンヌはアルドとファリーダの方を見てしまうが、本人がしらばっくれるつもり満々なので敢えて突っ込んで話もしない。


「此処に居たんですか?」

「魔道区画…まさかドラゴン大陸にあるとはな」

「やっぱりリアンは知っていたのか。じゃあ中央大陸にある魔道核の場所も知っているのか?」

「まあのう。お前さんも知っておるじゃろう? 中央大陸にある上下に広がるあのダンジョンを」

「ああ。あの城か。あれの最下層か? 最上層か?」

「さあのう。儂はそこまでの詳細は知らんよ。実際に見た人間も少ないしのう」

「それは前に聞いたお祭りという奴か!? やはり一度行かなくてはな…」

「中央大陸に何しに行くか分かっているのかな? ディラブ兄ちゃん」

「多分だけど…でも、今回かっこよかったよ。ディラブお兄ちゃん。武具の領域を使用して一撃必殺でね」

「はい。流石ですね。私なんてまだまだです」


 ファリーダが若干落ち込んでいると隣をアルドがスタスタと歩いていきながら口を開く。


「当たり前じゃろう? お前さんはこれからじゃ。お前の身に宿っている円環の力を目覚めさせることもな。ジャックやディラブとやらはもうすでに戦い慣れておる。お前さんとはまるで違う。力不足だと言うのなら付いていけばいい。彼らはこれから戦いの渦中へと向かう。特に中央大陸は昔っから激動の大陸と言われてきた場所じゃ。お前が学ぶことは多い」

「学ぶこと…」

「人生は常に勉強じゃ。賢さを磨き、力を鍛え、未来を選ぶんじゃ。代々円環のドラゴンの継承者はそうやって生きてきた」

「私の先代もそうしてきたのでしょうか?」


 アルドの歩く足が一旦止まり後ろに振り返りながらはっきりと告げた。


「そうじゃろうな。様々なことを知り、戦い続けながら己の未来を選んでおる。自分が特別だと感じるな。そう感じたいのならまずは知り鍛えることじゃ。選ぶものは皆そうしておる。此処にいる者達と共に歩け」



 一旦上へと戻り国家元首としての仕事をこなすためアルドは首都へと俺達と一緒に移動し、俺達はナーガ政府の通達を伝え一旦別室で待機することになった。

 二時間ほどで話し合いを終えてアルドが出てくると「これを」と俺達に手渡した。


「この近くにあるホテルの受付嬢に渡せばロイヤルルームに案内してくれるはずじゃ」

「まだ、決まらないのか? まずは儂が政権を纏めないといかん。その後でナーガ政府の案件を通す。今日一日は無理じゃ。とりあえず明日の昼過ぎに来ると言い。それまでには暫定政権に話を通すとしよう」


 そういう事ならと俺達はホテルまで移動した。

 魔道区画での一件から丸一日が経過しており、時刻は昼過ぎ。

 政権の話し合いが丸一日掛かるという事なら俺達はその間に好きなように過ごすことを決め、俺は一人繁華街へと移動することにした。

 ドラゴン大陸にも繁華街があるのだと感心し、バーなどが建ち並ぶ通りを歩いていると、ファリーダと偶然にも出会った。

 近くの喫茶店へと入りお互いに簡単に飲み物を注文して一息つく。


「もう大丈夫なんですか? お体は」

「ああ。封じられていた時も意識はあったしな。お陰様で解除できる術式を直ぐに考え付けた」

「流石ですね。私達の一族は勇者は最後にはナーガの血によって受け継がれるシステムだと聞いていました」

「その為にヒューマン族とナーガ族で実験を執り行うか…」

「ですが、勇者の刻印のシステムを含めて謎が多く。どんなシステムなのかは分かっていないんです」

「らしいな…だが、円環のドラゴンとしての悩みがあるようだな。俺達と旅をして答えを出せるのか?」

「分かりません。ですが、一人で鍛えても分からないことだらけです。ですから皆さんと一緒に行きたいと思っています」

「そうか。この後の旅程だが、俺達はこのまま答えを聞いたら歩いてドラゴン大陸とナーガ大陸を結ぶ街『オルトファン』へと移動する」

「国境の街ですね。オーガとホビット、ナーガとドラゴンの間だけ存在しているそれぞれの街ですね」

「ああ。前回別の街を超えるときはトラブルに見舞われたからな。その後はリゾート地でゆっくりする予定だが、その前に一旦話し合いの話政府のトップへと伝えて行いといけない」

「その後にリゾート地ですね。楽しみにしておきます」

「あまり期待されてもな…遊びの場所と言うイメージだからな? ゆっくりするというよりは遊ぶ場所だし…」

「でも、ずっと争い続きでしたし。丁度いいんじゃないでしょうか?」

「だと良いがな。その後は四つの大陸の決定に従う。多分教会に自分たちの意見書を出しに行くことになる」

「どう受け取るのでしょうか?」

「分からん。そもそも教会がどうなっているのかすら分からないからな。ディフェンダー曰く今は教会本部に集まって日夜話し合いをしていると聞いている」


 ジャックとファリーダの前に注文した飲み物がやってきた。

どうでしたか?

次回は会話シーンの続きです。

では次は円環のドラゴン第四十四話でお会いしましょう!

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